改良新型タフトの特別仕様車ラギッドベンチャー&アクティブモード

ハスラーの標準モデルは5月改良でモダンなフロントフェイスに改められたものの、タフワイルドの外観変更は、おもにグリルデザインの変更にとどめ、旧来の雰囲気を色濃く残している。ボディカラーはタフワイルド向けに“ウッドランドカーキメタリック”が新設定されるとともに、ジムニーでも人気の“シフォンアイボリーメタリック”が選べるようになった。

一方、改良新型タフトは既存デザインのままだが、一挙に2種の特別仕様車を新設定。どちらも上級グレードの“G”および“Gターボ”をベースに専用のガーニッシュやスキッドプレートディテール、専用カラーのホイールなどで装飾を加えた特別な装いをまとう。

両車の外観はほぼ同じであり、大きな違いはディテール部分の配色にある。“ラギッドベンチャー”はシルバーのアクセントでSUVらしい力強さを演出したモデル、“アクティブモード”はブラックカラーを多用することで引き締まった存在感を演出したモデルだ。改良では、同時に新色の“スパークオレンジ”も追加された。

ハスラー タフワイルド、タフトともに改良による車内寸法に変化はない。全高はハスラーの方が高いが、室内高は同じ1270mmで後席の頭上空間は同じくらいだ。ただし、ハスラーの後席には左右独立で160mmスライド機構が備わっているため膝周り空間はタフトよりも広く確保できる。

また、ハスラーの後席にはリクライニング機能が備わるため快適性の面でもタフトに対して優位にある。もちろん乗降性もハスラーの方が上だが、タフトもドア開口が広く作られているため低い全高の割に乗降性は悪くない。

荷室は両者ともに樹脂パネルで覆われており掃除がしやすく、後席を倒せばフラットな荷室となる。荷室の広さもおおむね同等と言ってよいだろう。

ハスラーの助手席下と荷室床下に備わる脱着式の樹脂製ボックスはアウトドアシーンだけでなく日常用途でも活躍する便利装備だ。タフトにも従来型から備わる助手席シートアンダートレイに加えて、改良で脱着式ラゲッジアンダーボックスが新設定され、ハスラーの使い勝手に近づいた。

スズキ ハスラー タフワイルド
ボディサイズ=全長3395mm×全幅1475mm×全高1680mm
ホイールベース=2460mm
車両重量=840kg
タイヤサイズ=165/60R15(前後)

ダイハツ タフト G ラギッドベンチャー
ボディサイズ=全長3395mm×全幅1475mm×全高1630mm
ホイールベース=2460mm
車両重量=830kg
タイヤサイズ=165/65R15(前後)

燃費はMHEVのハスラーよりもタフトの方が優れる

両車ともパワートレインに変更はない。ハスラーの自然吸気モデルにはモーター最大トルク40Nm、ターボモデルには50Nmのマイルドハイブリッドシステムが搭載され、ターボモデルにはモータートルクを引き上げるパワーモードと、疑似7段変速可能なパドルシフトが備わる。

対するタフトは純エンジン車だ。ターボエンジンにギヤと金属ベルトを併用することで動力伝達効率を高めた“D-CVT”が組み合わされるが、自然吸気モデルは通常のCVTとなる。それでも高いエンジン燃焼技術でマイルドハイブリッドシステムを搭載するハスラーを上回る燃費性能を誇る。

自然吸気モデルのWLTCモード燃費性能はハスラーが24.3km/L、タフトは25.5km/L。ターボモデルはハスラーが22.0km/Lで、タフトは25.5km/Lだ。

ハスラー、タフトともに改良では運転支援機能が大きく進化した。ハスラーの予防安全機能は最新の“デュアルセンサーブレーキサポートII”へと変わり、スズキの軽自動車として初となるブラインドスポットモニターとリヤクロストラフィックアラートが全グレードに標準装備となった。

加えてパーキングブレーキが電子式へと変わったことでアダプティブクルーズコントロール(ACC)も停止保持機能に対応したほか、レーンキープアシスト制御も高度化。さらにパワステの制御も見直されたことで、操舵が軽くなったうえ、ハンドルの戻り動作も自然な振る舞いに改められた。

一方、元から全グレード電動パーキングとなるタフトは、“スマートアシスト”に横断自転車検知と右左折時の横断歩行者検知、交差点右折時の対向車検知機能を追加するとともに、歩行者に対する最高速度条件が60km/hから80km/hに引き上げられている。

旧型では制御に不満を持つユーザーが多かったタフトのACCは、先行車検知距離および精度の改善により従来よりも制御が滑らかになり、レーンキープコントロールもふらつきを抑えるように改善が図られた。また、デジタルメーター化された点も改良新型タフトの大きなトピックだ。

スズキ ハスラー タフワイルド
エンジン形式=直列3気筒ガソリンエンジン+モーター
排気量=657cc
最高出力=49ps/6500rpm
最大トルク=58Nm/5000rpm
トランスミッション=CVT
駆動方式=2WD(FF)

ダイハツ タフト G ラギッドベンチャー
エンジン形式=直列3気筒ガソリンエンジン
排気量=658cc
最高出力=52ps/6900rpm
最大トルク=60Nm/3600rpm
トランスミッション=CVT
駆動方式=2WD(FF)

最適用途がやや異なるハスラー タフワイルドとタフト

ハスラー タフワイルドの新車価格は7万5900円値上げされた183万5900円。ターボは7万8100円高、4WDは13万4200円高となる。

タフトは全グレード一律で1万6500円の値上げとなり、Gグレードの自然吸気モデルは162万2500円だ。“ラギッドベンチャー”はベース車より8万2500円高となる170万5000円、“アクティブモード”は9万9000円高の172万1500円となり、それぞれターボは8万2500円高、4WDは12万6500円高となる。

ハスラーは変更点の多さの割に価格上昇は小さく抑えられているが、タフトに比べると値上げ幅は大きく、両車の価格差がさらに広がった。ハスラーの4WDが高めの価格設定となっているのは、スノーモード、ヒルディセントコントロールが搭載されており、タフトの4WDに比べて高機能であるためだ。

そのうえハスラーは天井が高いうえ、前方へほぼ水平まで倒せる助手席機構も相まって車中泊に向く。ただし、高い全高のせいでルーフキャリアへのアクセス性はタフトに分がある。

タフトも車中泊はできるが、やや頭上空間が窮屈なうえ、助手席を後方へ倒すことになるため段差の処理にひと手間かかる。しかし、タフトの大きな特徴である“スカイフィールトップ”は、星空を見ながらの車中泊など、ハスラーにはない楽しみ方を提供してくれるはずだ。

両車はアウトドアスタイルの軽自動車として競合するライバルではあるが、最適用途がやや異なる。日常からアウトドアレジャーまでマルチに使えるのはハスラーの方と言えるだろう。タフトはハスラーに比べてパーソナルユースに向いており、車両本体価格やタイヤ代がハスラーよりも安いこともあってよりハードな用途に使いやすい。

車両本体価格

スズキ ハスラー タフワイルド:183万5900円

ダイハツ タフト G ラギッドベンチャー:170万5000円