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N-BOX譲りの快適な走りと安全性、N-BOXを上回る積載性とタフネスを兼ね備え、2018年7月に発売。商業用としてはもちろん、バイクを運搬するトランポとしての評価も高い。
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噂には聞いていたが、N-VAN恐るべし。人気のN-BOXをベースにした軽貨物車だが、これまでに無かった大きな特徴がふたつある。ひとつは、助手席を含めて3座を畳むことで室内に広大でフラットなカーゴスペースを作り出せる事。もうひとつは左側のセンターピラーを廃して前ドアと後部スライドドアを開けるとやはり広大な開口スペースが生み出されること。このふたつが組み合わされた貨物(商用)車の登場はまさに初めての快挙である。
センターピラーレスは、ダイハツの軽乗用車等で既にある。またかつてあったボンネットタイプのハイルーフバンには助手席が前倒しできる物もあったが、ボックス系のバンにこの二つの機能が組み合わされたのは初めてである。冒頭に記したとおり、実際に試乗車を目の当たりにすると、それはもう驚きのカーゴスペースが展開される。余談ながら試乗車でアチコチ出かけると、それはもう注目の的。これほど多くの人の興味を集められる人気ぶりには改めて驚かされた。
CB1300SFが積めるなんてまさに驚異的。積む位置は左に寄せ過ぎないことが肝心。ハンドルのグリップエンドとドアの内側との干渉を避けたい。写真のような「フロントタイヤ固定スタンド」があると便利。
まずこのN-VANにはCB1300SFも楽に積めてしまった。荷台最大長2635mmのN-VANは大型バイクをまっすぐに積めるのである。フロアまでの地上高は525mmと低く、荷室高はハイルーフで1365mm(ロールーフは1260mm)。バイクの積載としては十分なレベルで、背の高いCRF250RALLY(全高1425mm)の場合でもスクリーンを取り外し、フロントサスペンションを沈める前作業を行えば積めてしまう。
逆に問題となるのはバイクの幅。CB1300SF(全幅795mm)やCB125R(全幅820mm)で幅はぎりぎり。ハンドルバーエンドが助手席側の壁面(場合によってがガラス)に接触するかしないかのレベルなので、このあたりが積める限界の目安となるだろう。
またメリットで言えば、N-VANは左側ドアの開口幅が1580mmあるので、積載後バイクの固定作業もアクセスしやすい点。固定用に使える荷掛けフックが標準装備されている点も実にありがたかった。
フロントタイヤ固定スタンドを使わずに積載すると、ハンドル右側のバーエンドがドライバーの頭の直ぐ脇に来る。サイドインパクト等の危険性を考慮すると、バイクは少し後方で固定するのが正解だ。
ただし、断っておくがN-VANはバイク搬送用に特化して開発されたものではない。あくまで多彩な使い勝手を誇る350kg(4WDは300㎏)積みカーゴバンとして開発されている。なので、実際にバイクを積み込んでみるといくつか気になるところも見えてきた。
バイクは車体の何処かシッカリした所に前輪を押し当てて固定するのが一般的なセオリー。N-VANの場合前輪を受け止めてくれる上手い場所がない。助手席側インパネの棚板部分がその代用にはなるが、重量車に耐えられるかどうかは少々不安。つまり臨時運搬の場合ならともかく、頻繁にバイクを積むとなるとフロントタイヤ固定スタンドの設置が必要だ。
CB1300SFやCB125Rで、フロントタイヤ固定スタンドを使わずにバイクを車内前端に真っ直ぐ固定するとハンドルの右端が運転者の頭の直ぐ脇にくる場合もある。通常は干渉していないが衝突時の事を考えると、このポジションでの車両固定は避けたいとも思えたのである。
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クロスカブ程度のバイクなら積み方にも自由度が大きい。少し後退させれば、このままサイドから下ろすことも可能。ホイールクランプを使用しなくても3本のタイダウンベルトで固定できる。
また運転席以外の3座は簡単な操作でダイブダウンしてフラットなカーゴスペースを作り出せるが、シート背(床)面を傷つけないようにカバーが敷かれている。助手席と後席の間にできる凹みを平らにする板も付属するが、重量車には強度不足。カバーもバイクの適切な位置決めで前後左右に動かしている内によれてきてしまう弱点があった。もっともV-VANをマイカーにしたなら、搭載バイクも決まってくるので、自分好みにごく簡単な改造を施せば済むこととは思う。
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