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スクランブラーってどんな意味? オフ車とは違うの?〈ドゥカティとかトライアンフとかBMWとか〉

  • 2019/03/02
  • MotorFan編集部 小泉 建治
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Scrambler……ストリート系カスタムの王道であり、最近は欧州メーカーを中心にこのネーミングを名乗るモデルが多くリリースされている。アップマフラーやブロックタイヤでオフロードテイストに溢れ、それでいてどこか都会的でオシャレ。けれど、なぜにこれをスクランブラーって呼ぶの? いわゆるオフ車とはなにか違うの?

TEXT●小泉建治(KOIZUMI Kenji)

1969年式トライアンフTR6。幅広のアップハンドル、スポークホイール&ブロックタイヤ、アップマフラーなど、スクランブラーの定型的スタイルだ。

オンロード車をベースにオフロードを走行可能に

 スクランブルと聞いて真っ先に思い浮かぶのは、緊急発進だろうか? 領空侵犯に対してスクランブル発進、とはニュースでよく聞くフレーズだ(なるべく聞きたくないけれど)。あるいは盗聴防止の周波数変換、という意味もある。有料チャンネルのスクランブル放送、といった具合だ。

 だが、二輪で言うところのスクランブラーは、「よじ登る者、這いつくばって進む者」という意味を由来としている。ダートの坂道をぐいぐいと駆け上がるバイク、というところから命名されたらしい。

 1960年代、日本はもちろん欧州や北米の自動車先進国でもまだまだ未舗装路が多かったが、本格的なオフロード車は存在していなかった。そこでオンロード用のバイクにブロックタイヤを履かせ、マフラー出口をカチ上げるなどして悪路走破性を高めたモデルが重宝されたのである。これがスクランブラーの始まりだ。

ホンダはスポーツモデルとしてハイパフォーマンスを誇ったCBシリーズをベースに、数々のスクランブラーを仕立て上げた。写真は1966年型ベンリィCL125。

 その後、サスペンションのストロークをたっぷりと採るなど、最初から悪路の走行を念頭に置いて開発されたオフロード車が普及すると、スクランブラーの存在価値は変化していく。

 スクランブラーのベースはあくまでオンロード車であり、基本的ディメンションもそれに準ずる。だから激しい凹凸を乗り越えたり岩場を走り続けたりするのは苦手だが、一方でアメリカを中心に人気が高まっていたフラットダートレースでは、本格的オフロード車ほどの悪路走破性は必要とせず、依然としてスクランブラーのような車体構成が好まれていた。

 したがってこの頃から、フラットダートトラッカーも含めてスクランブラーと呼ぶケースが多くなってきた。

こちらは1970年型ベンリィCL70。手軽に悪路走破性を高められたモデルとしてスクランブラーは重宝された。

 やがてスクランブラーはオフロードテイストを漂わせたカスタムスタイルのひとつとして認知されるようになる。カフェレーサーと同様に、クラシックな雰囲気を醸し出しつつ、どこかオシャレかつ都会的であり、本気の性能が追い求められるオフロード車とは一線を画した存在になったのだ。

 日本でもヤマハSRなどをベースにスクランブラーに仕立て上げるカスタマイズが80年代に流行し、欧州でも有名カスタムビルダーが数々のスクランブラーを手がけてきた。

 そんななか、ヨーロッパでは2010年頃からメーカーが自ら往年のスクランブラーを現代流に復刻させたモデルをリリースし、にわかに人気が高まってきた。トライアンフ、ドゥカティ、BMWといった名門ブランドが、矢継ぎ早に現代版メーカー謹製スクランブラーをリリースし、今やひとつのカテゴリーとして確立された感がある。

ヘリテイジ系シリーズのボンネビルをベースとしたトライアンフのスクランブラー。レトロ路線にこだわり過ぎず、LEDランプや倒立フォークやラジアルマウントキャリパーなどで現代流の運動性能を与えられている。
かつて1960〜70年代にドゥカティが販売していたスクランブラーが21世紀に復活。当初は800ccからスタートしたが、今や400ccと1200ccもラインナップする一大シリーズに成長した。
カフェレーサー風スタイルが人気のR nine Tをベースとして、スポークホイールやブロックタイヤやアップマフラーなどでオフロードテイストを盛り込まれた「R nine T スクランブラー」。
クルーザーモデルのボルトをベースにフラットなシートやワイドなハンドルなどが与えられたヤマハSCR950。Vツインを搭載したダートトラッカーは日本車としては希有な存在だ。

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