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電子制御サスペンション装備の上級モデル・旅にジャストフィット ドゥカティ・ムルティストラーダ950S試乗|足つき性はなかなかだが、エンジン&電子制御が秀逸な大人の旅バイクである。

  • 2019/11/21
  • MotorFan編集部 近田 茂
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最新の電子デバイス搭載で登場したムルチストラーダ950。さらに最先端テクノロジーが追加投入された豪華版の950Sが主役の座に躍り出た。DSS(ドゥカティ・スカイフック・サスペンション)の採用を始めとする、数々の上級装備が奢られた贅沢なモデルである。

REPORT⚫️近田 茂(CHIKATA Shigeru)
PHOTO⚫️山田俊輔(YAMADA Shunsuke)

左は1260S、右が950S。

◼️ドゥカティ・ムルティストラーダ950S.......2,040,000円 (グロッシー・グレイ)

◼️ムルティストラーダ950S ドゥカティ・レッド.......1,999,000円
◼️ムルティストラーダ950S スポーク・ホイール仕様.......2,069,000円

◼️ドゥカティ・ムルティストラーダ950.......1,769,000円(受注生産)

950S グロッシー・グレイ

 ドゥカティ・ブランドの中でもスクランブラーに次いで多くのバリエーションを持つ人気モデル。ムルティストラーダ(イタリア語で多様な道の意)の名が示す通り、道を選ばぬ多用途性に富むツアラーモデルである。ちなみに初代モデルは水冷エンジン搭載で2010年に登場している。
 特に欧州ライダーの憧れを反映して今や人気カテゴリーになったアドベンチャーツアラーにカテゴライズされる1260ENDUROを筆頭に5機種がラインナップされている。その末弟の950をベースに最新電子制御デバイス満載で上級仕様に仕上げられたのが今回試乗した950Sだ。
 
 基本的な特徴点は大柄な車体と乗り味を誇る堂々たるフォルムにLツインの937cc 113psエンジンを搭載。フロントに19インチ、リヤに17インチサイズのピレリ製スコーピオントレール2 タイヤを装着。燃料タンク容量は20Lを確保。そしてオプション設定だがサイドパニア(31L+26L)や48Lトップケースの装備に対応している点にある。

 つまりツアラーとしての基本機能を備えたリッタークラスモデル。さらには最先端の電子制御デバイスを積極導入した点が大きなチャームポイントである。

 先ずは950に装備されたボッシュ製6D IMU (6軸慣性測定ユニット)の採用が注目された。これによりボッシュ製コーナリングABSや坂道発進をアシスト(後退を抑止)するVHC (ビークル・ホールド・コントロール)、DCL (ドゥカティ・コーナリング・ライト)等の新機能を導入。
 
 さらに950Cでは車体バネ上の揺動を抑えるコンセプトで開発されたDSS (ドゥカティ・スカイフック・サスペンション)EVO システムを備え、前後サスペンションのダンパー特性を路面の変化等に即応して自動的に連続可変してくれる。
 
 また950 にはオプション設定されていたクイックシフト(DQS) を標準装備。発進後はシフトアップダウン操作時のクラッチ操作から開放される。その他オート・クルーズコントロールも装備。メーターには5インチTFT カラー液晶ディスプレーが採用され、スマホと連携するインターフェイスやマルチメディア・システムも最新バージョンが投入されている。

エンジン出力特性曲線図を見ると、3500rpm〜9500rpmまでのワイドレンジで高トルクを発生していることがわかる。

冒険心を秘めて旅に出る。上級装備の万能ツアラーだ。

 試乗車を目前にすると、スケールが大きく立派な車体にちょっと驚くが、怖じ気づく程巨大ではない。車体を引き起し取り回してみると、ハンドル位置が高いせいか、意外と扱いが軽くひと安心。跨がると両足は爪先立ちになり、停車時には少し用心する気持ちにはなるものの、平坦な場所で扱う限り特に不満や不安は感じられなかった。

 車両重量は230kgあるが、それ程手強い感覚はなく、むしろ走り始めた瞬間の実に軽快なハンドリングが好印象である。Uターン等の扱いもスッと軽く思い通りになり、親しみを覚えたのが正直な第一印象である。

 十分なロードクリアランスと170mm確保された前後のホイールストローク。そしてステップからシートまでの段差を長くデザインされた乗り味は、遠く前方の見晴らしが良い爽快な乗り味を提供してくれる。

 上体が起き、背筋の伸びた姿勢で乗れる大らかな乗り味もまた格別。確かにビッグツアラーとしての快適性がそこに感じられた。  

 20Lタンクやグリップヒーターの存在。オプション設定されたパニア&トップケース等が揃えられている点も、ツアラーとしての機能性に魅力を覚えた。

 照明付きハンドルスイッチの左側にあるモード切り換えの中央を長押しするとライディングモード選択できツーリング、スポーツ、エンデューロ、アーバンが簡単に切り換えられる。アーバンにすると液晶ディスプレーのタコメーターが消えてシンプルなメーター表示に切り替わるあたりもユニーク。走りもグンと穏やかになり、雨中走行でも安心。通常はツーリング設定で十分パワフルだ。
 
 また同スイッチの下側を長押しすると乗車人数や荷物の荷重設定が簡単にできるのも便利。途中までソロで走って仲間をお迎えしてタンデムツーリングに出かける時など、サスペンションのセッティング変更が容易。しかも状況に応じてダンピング特性を自動可変してくれる電子サスペンションの装備は、その機能性の享受のみならず、最新アイテムを所有する満足度も見逃せない。
 
 エンジンは存分にパワフル。スムーズかつ明確なパルス感を覚えるLツインの吹け上がりはいつでも逞しくかつ伸びのあるところが気持ちよい。性能曲線図を見れば理解できるが、ピークトルクの80%、つまり76.8Nm(7.84kgm)以上の高トルクが、なんと3500~9500rpmという6000回転に及ぶワイドレンジで発揮されている出力特性が効いている。

 それは市街地から郊外、高速道路、そして山坂の多い峠道をアグレッシブに走る時にも自由自在に対応してくれる逞しいポテンシャルが発揮できるのである。ちなみにローギヤで5000rpm回した時のスピードはメーター読みで48km/h。6速トップ100㎞/hクルージング時のエンジン回転数は約4000rpmだった。

 そのハイパフォーマンスは日本で程良いと感じられる。と同時に軽快な乗り味は長距離ツーリングも含めたツアラーとしての快適性を存分に楽しませてくれる。

⚫️足つき性チェック(ライダー身長168cm)

シート高は840mm、ご覧の通り両足は爪先立ち。平地なら特に問題は感じないが、乗ったまま車体を後退させる等は踏ん張りが効かずに難しい。

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