レストアだけに留まらず、走りも現代基準へ引き上げる!

新車以上の完成度を追求した現代のAE86!

かつてマイナーツーリングで活躍したトムス・スターレット(KP47)や、全日本GT選手権に参戦したカストロールスープラ(JZA80)の復刻を手がけてきたトムス。創業50周年という節目を迎えた2024年には、鮮やかなグリーンのボディをまとったトムススープラ(JZA80)を現代に蘇らせ、東京オートサロンに出展した。

その流れの中で本格始動したのが、エンドユーザー向けプログラム「トムスヘリテージ」だ。2025年の東京オートサロンでは、4A-G、3S-G、2JZ-GTEのコンプリートエンジンと、要所に補強を加えたAE86のモノコックボディを展示し、プロジェクトの狼煙を上げた。

それから1年。トムスヘリテージの第一弾として完成したのが、東京オートサロン2026に出展されたAE86である。前年に展示されたモノコックボディに4A-Gコンプリートエンジンを搭載。内外装については、入手可能なパーツは新品へ交換し、入手困難なものはクリーニングや張り替えによって再生。あくまでノーマルの雰囲気にこだわったモディファイが施されている。

一方で、「TRA-4AL165」と名付けられた4A-Gコンプリートエンジンは、かつてグループAやNA1600などのレース用エンジンを手がけてきた熟練メカニックによって組み上げられる。

「オーナーの皆さんに長く乗り続けてもらうための事業がトムスヘリテージです。これまで培ってきた人的・物的リソースを、このプログラムに活かしていきたい」と語るのは、AE86オーナーでもあり本プロジェクトを牽引したトムス技術革新本部の瀬戸氏だ。

エンジンはAE101用の5バルブ4A-Gをベースに、純正比1mmオーバーサイズとなる82φ鍛造ピストンを組み込み排気量を拡大。コンロッドとクランクは純正を使用しつつ、メタル類はトムス製へ変更される。吸排気ともに作用角288度のカムシャフトを採用し、点火系はダイレクトイグニッション化。制御はLINK ECUが担う。完成後はエンジンベンチによる性能チェックと慣らし運転が行われるなど、レースエンジン同様の工程を経て搭載される。

スペックは最高出力195ps/7980rpm、最大トルク19.5kgm/6490rpm。レブリミットは安全マージンを考慮し8500rpmに設定されており、高回転型ユニットに仕上げられている。

288度カムの影響でアイドリングは荒々しいが、ストールの気配は皆無。往年のチューニングカーらしさとストリートでの扱いやすさを高次元で両立している点は、最新の制御技術による恩恵と言えるだろう。

また、エンジンと並んで注目したいのがモノコックの仕上がりだ。一度ホワイトボディの状態まで戻し、レストアと修正を徹底。さらに必要箇所へ補強を加えている。基本はMIG溶接による補強で、ガゼット追加やロールケージ装着は行わない。軽快なハンドリングを損なう重量増を避けるためだ。

ノーマルのバランスを崩さず、全体のパフォーマンスを底上げする。その“匙加減”は、AE86を知り尽くしグループAで戦ってきたトムスならではのものだ。

インテリアでは、新品入手が可能だったのはメーター左右のダイヤル式スイッチとシフトノブのみ。シフトブーツはクリーニング、センターパネルは再塗装で仕上げられる。ステアリングは当時物のトムス製で、希少なレッドカラーが装着される。

シートは純正をベースにレストアされ、ウレタンを新調。生地も当時の風合いを再現した織物素材で張り替えられる。ドアトリムも同様の処理が施され、新車以上とも言えるクオリティを実現している。

足元には、往年のトムスラリー、通称“井桁”をモチーフとした試作2ピースホイール(7.5J+6×15)を装着。タイヤはポテンザRE-71RS(195/50R15)を組み合わせる。サスペンションはトムス試作車高調で、ブッシュ類も強化品へ交換済み。ブレーキにはトムスオリジナルパッドを採用し、駆動系には強化シングルクラッチとクスコ製1.5ウェイLSDを組み込む。さらに、レリーズベアリングやデフギヤも新品に刷新されている。

排気系はステンレス製ワンオフで、センターパイプとマフラーを新設計。サード製スポーツキャタライザーを組み合わせた合法仕様とし、歯切れの良いエキゾーストサウンドを奏でる。

トムスヘリテージによるコンプリートエンジン搭載AE86は、車両込みで1650万円〜。車両持ち込みで内外装を仕上げるプランは1320万円〜が用意される。実車を目の当たりにすれば、その価格に納得できる完成度だ。

さらに、トムスは3S-Gや2JZ-GTEのコンプリートエンジンも準備中。AE86に続き、JZA80やSW20のコンプリートカー誕生にも期待が高まる。

⚫︎取材協力:トムス TEL:03-3704-6801

「井桁ホイールを復刻!」トムスの旧車サポート事業がさらなる深化を遂げた【東京オートサロン2026】

2024年に旧車のレストア事業への参入を発表したトムス。東京オートサロン2026では、フルレストレーションのサンプルともなるAE86型カローラレビンを出展した。ボディの修復とスポット増し、オーバーホールとチューニングを同時に施したエンジン搭載、当時の雰囲気を再現しつつ再構築された内外装など、見どころたっぷり。さらに、往年の名ホイール「井桁(いげた)」を復刻した15インチホイールも出展!

【関連サイト】
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