
山の斜面を黄色に染め上げた菜の花畑の景観はまさに春
いまはインターネットで手軽に情報収集できる。ライブ画像や映像で現状が見られるところも少なくない。だからツーリングの行き先を決めるのにとても重宝している。で、今回見つけたのは菜の花畑。桜がすでに終わった時期だから、まさか満開の菜の花が見られるとは思っていなかった。しかも都内である。
場所は町田市野津田町。多摩丘陵の一角に広がる自然豊かな野津田公園を中心に、農地や住宅が点在するエリアだ。公園内にはサッカーJ1のFC町田ゼルビアのホームスタジアムである町田GIONスタジアムがあるのだが、スタジアムへの道のりはまさしく登山で、天空の城・野津田の異名を持つ。そんな野津田町界隈の地元農家が組織する七国山ふれあいの里組合が、農ある景観を楽しんでもらおうと七国山の斜面に菜の花を栽培しているのだとか。そして、その菜の花が見ごろを迎えているというのだ。


都道18号線(鎌倉街道)で南多摩尾根幹線道路を横切り、新袋橋交差点で都道57号線(芝溝街道)を西へ進む。しばらく行った先を南に進路を取り住宅地の中の坂を上っていく。見晴らしの良い丘陵に広がる農地が現れると、東側の山の斜面一帯が黄色に染まっていた。人の手によって作られた風景だが、満開の菜の花に彩られた景観は思わず息をのむ美しさだ。平日にもかかわらず大勢の見物客が訪れ写真を撮っていた。
周辺の道はあまり広くないので車を駐車するのは難しい。でもカブなら問題なし。未舗装の畑の脇道にも入り込むことができた。
畑の隣には七国山ファーマーズセンターがあり、休憩場所として利用できるようだ。




菜の花畑にほど近いところに『町田ぼたん園』という施設があった。看板などで存在は知っていたのだが訪れたのは初めてだ。せっかくなので入園してみることにした。無料のバイク駐輪場にカブを導いたのだが、バイク用とは思えない狭い通路を通ることになるので大型バイクはムリ。園内には約330種類・約1700株のボタンと、約60種類・約600株のシャクヤクが植栽されていて、色とりどりの花に癒される。今年は4月10日からゴールデンウィーク最終日の5月6日まで「ぼたん・しゃくやくまつり」が開催されていて、この期間は有料入園(大人520円)となっていた。
道を挟んだ向かい側には「町田市ふるさと農具館」という施設がある。まあ地域の歴史博物館で昭和初期までに使われていた農機具などが展示されている。ログハウス風の建物はパネル展示と売店があり、地元で収穫された新そばを販売していた。また菜の花から取れた菜種油も特産品として販売するそうだ。






藤やツツジが見ごろを迎えた薬師池公園は市民の憩いの場

七国山を下ったところに観光施設がいくつかある。実は七国山ファーマーズセンターやふるさと農具館、町田ぼたん園も含まれているのだが、界隈にはほかに、町田リス園、町田えびね苑、町田ダリア園など、町田の観光名所が凝縮されているのだ。その中心的な施設が薬師池公園である。
湧水を堰き止めて水田用の溜め池としたのが薬師池だ。近くにある野津田薬師堂の本尊が薬師如来であることから名づけられた。公園として整備されたのは昭和51年(1976年)。以来、市民の憩いの場として親しまれている。園内にはさまざまな施設があるが、四季折々の草花が楽しめるのが最大の特色だ。
菜の花畑から住宅地の坂を下ること数分で薬師池公園に到着する。隣接した場所に駐車場があるのだが、バイク用の駐輪スペースは園内に確保されている。歩かずに公園に入れるのはありがたい。もちろん無料だ。
公園をぶらぶら散策してみる。いまの時期は藤棚とツツジが見ごろを迎えていて、カメラ片手に訪れている人が多くいた。園内には食事を提供する店も2軒あるので、休日をのんびり過ごすには最適だ。





薬師池公園の南側に2020年に新たにできたのが四季彩の杜・西園「ウエルカムゲート」だ。町田産の野菜や食品の直売所である薬師ファーマーズマーケットやカフェレストランなどがある。正面に駐車場が整備されているのだが、例によってバイクは無料で止められる。
直売所を覗いて、カフェレストランで遅めのランチを取ることにした。地元産の野菜をタップリ使ったカレーとスープのセットを注文。緑の風景を眺めながらの食事を楽しんだ。






ツーリングというには走った距離が短いかもしれないが、初めて訪れた場所で美しい風景に出会ったり、地元の食材を使った食事を楽しんだりと、旅の要素は十分に享受できた。身近なところに旅気分が味わえる穴場があることを再認識したプチツーリングだった。
ゴールデンウィークの1日を近所の隠れた名所を巡ってみるのもいいのでは?走行距離は約30kmだったので給油はなし。かかった費用は、食事とぼたん園の入園料を合わせて1600円程度だった。
