LAで製作が中断、同プロジェクトを引き継ぎマシンが完成

きっかけは、1台のマシンだった。

2017年、北米のズーマーカスタムシーンを牽引してきたショップ、「RUCKSTERS(ラックスターズ)」によって、ズーマー(北米モデル名:ラックアス)に「当時は斬新だった」という、PCXエンジンをスワップするプロジェクト【Barely Legal 2.0】が始動。しかし、諸事情によりマシン製作はフレームモディファイの途中で中断。その後、2022年に北米カルチャーを採り入れたカスタムを得意とし、ラックスターズとは2012年より交流がある東京のショップ、「SCR WORKS」に声が掛かりプロジェクトを引き継ぐことに。コラボレーション企画として再始動した。

そして約10年越しに【Barely Legal 2.0】が完成。「RUCKSTERS」のマネージャーであり元マシンオーナーのHAIが完成したマシンを見て感動。「ぜひ日本で乗りたい!」と来日したことが、この日同行したライドイベントへ繋がっている。

集まったのは、SCR WORKSのメンバーとLAから来日した3名。そしてモトチャンプ誌にて北米のカスタムシーンを現地からリポートしてくれていたYU 氏が参加。とはいえ、現場の空気はどこまでも自然体。AM8時頃からショップ前に少しずつマシンが集まり、それぞれのペースで準備が進む。誰かが合図を出すわけでもなく、AM10時頃にライド開始。この流れ、いわゆる“ROLL OUT(自然と走り出す)”というやつ。整列も号令もない、このユルさが心地良い。WEST COAST VIBES(西海岸的な空気)という言葉が、妙にしっくりくる。

参加したマシンは揃っているようで、全部違う

マシンはズーマーを中心に、BW’Sやマグザム、ダックス125、グロムなど実にさまざま。パーツチョイスを含めて一台ごとに個性があり実にオモシロイ。“BUILT NOT BOUGHT(買うのではなく作る)”という考え方のもと、それぞれが手を入れてきた結果だ。方向は近いのに仕上がりは違う。このじが、USDMらしさとも言える。

そんな北米カスタムのノリを一言で表現するとしたら “引き算の美学” つまりクリーンに仕上げるスタイルにある。カスタムといえばパーツを足していく “足し算” が基本。だが参加者のマシンは真逆だ。
外装を大胆に取り払い、フレームや構造そのものを見せることで成立している。 この手法は単に奇抜なだけじゃ成立しない。フレームワーク、重量配分、各部の機能を理解していないとバランスが崩れる。つまり見た目以上に“中身勝負”。それをストリートで成立させているのが、SCR WORKSのプロデュース力なのだろう。

東京を風で味わう「TOKYO CRUIS」

ライドはショップを出発し、下町エリアを抜けて、神田~新宿~渋谷~大手町~銀座からの湾岸エリアと、はとバスツアー並みの欲張りルート。 休憩を挟みながらたっぷりとクルーズし、LA組も大満足な様子だった。

そこからランチを楽しみ、東京ゲートブリッジを渡って、再びショップへ。途中、お決まり?のマシントラブルに見舞われる場面もあったりとそれはそれで楽しい思い出になったことだろう。

見慣れた街のはずなのに、並ぶマシンとこの空気だけで、景色が少し違って見える。

10年越しの1台、“Barely Legal 2.0”が走った日

今回のライドの中心にあったのは、SCR WORKSが製作したPCXスワップRUCKUS(日本名:ズーマー)「Barely Legal 2.0」。

経緯を説明すると、2017年に「RUCKSTERS」にて製作途中の姿が確認されながら、その後プロジェクトは止まったまま時間が過ぎた。そこからSCR WORKSがプロジェクトを引き継ぎ、2025年秋にようやく完成したという。この1台には、単なる完成度以上に、時間と関係性の積み重ねが詰まっているのだ。

クラシックなUSカスタムの雰囲気を残しつつ、中身はPCXエンジンをはじめとした現代的な構成。OLD & NEW(旧さと新しさの融合)という言葉が自然に当てはまる。さらに配線や制御系といった見えない部分まで整理され、SCRWORKSによる無駄のないクリーンな仕上がりが印象的だ。

この日、LAから来日していたのがRuckstersのマネージャーHAI(写真左)。もともとのオーナーであり、このマシンに深く関わってきた人物。中央には北米カルチャーを長年発信してきたライターのYUさん、そして右にはSCR WORKS代表の菊池さん。作る人、伝える人、そして形にした人。1台のマシンを挟んで並ぶその構図は、シンプルながら意味を感じさせる。


ガレージとストリートがつながっている

SCR WORKSは2011年にスタートし、約15年にわたり北米カスタムカルチャーを日本で体現してきた存在。ガレージは整ったショールームではなく、作業場と遊び場が混ざったような空間だ。ここで作られたマシンが、そのままストリートへと流れ出していく。

【ショップ紹介】
SCR WORKS
月曜~金曜 10:00~19:00
東京都江戸川区北篠崎1-8-4
北米カスタムを得意とし、国内で入手困難なパーツも揃うなど、とにかく濃さは日本随一。最新情報はインスタグラムをCHECK
公式サイトはこちら

ただ走る、それだけ

特別なことはしていない。走って、止まって、また走る。“JUST RIDING(ただ走るだけ)”。それだけのことだが、その中にこのカルチャーの楽しさが詰まっているように見える。東京で見たはずなのに、どこか違う場所の景色のようだった。

ライドイベントに参加したマシンは
順次ご紹介します
お楽しみに!