Aston Martin DB12 S
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Aston Martin Vantage S
ハイパフォーマンスを象徴する「S」の称号




2025年10月、アストンマーティンは高級グランツーリスモ「DB12」の高性能仕様として「DB12 S」を発表した。フロントスプリッターやボンネットルーバーなどの専用エクステリア、パワーアップを果たしたV8エンジン、カーボンセラミックブレーキなどを採用し、ベースモデルを大きく凌ぐ高い走行性能を実現したと謳う。
一方でアストンマーティンは、2シーターピュアスポーツ「ヴァンテージ」にも、パワーユニットを強化し、専用エクステリアや専用シャシーセッティングを導入した「ヴァンテージ S」を設定している。今回は同じ「S」の称号を掲げる2台のハイパフォーマンス・アストンマーティンを比較してみよう。
ボディサイズは「2+2」レイアウトのDB12 Sが、ヴァンテージ Sよりも全長で230mm、ホイールベースで100mmも長い。延長分は伸びやかなエクステリア、そしてリヤシートの居住性に当てられている。ベースモデルから大幅なダイエットを行ったDB12 Sだが、車両重量は2シーターのヴァンテージ Sが75kgも軽い。
アストンマーティン DB12 S
ボディサイズ=全長4725mm×全幅2045mm×全高1295mm
ホイールベース=2805mm
車両重量=1820kg
タイヤサイズ=275/35/ZR21(前)、325/30/ZR21(後)
アストンマーティン ヴァンテージ S
ボディサイズ=全長4495mm×全幅1980mm×全高1275mm
ホイールベース=2705mm
車両重量=1745kg
タイヤサイズ=275/35/ZR21(前)、325/30/ZR21(後)
同じエンジンながら20PS上まわる「DB12 S」




パワーユニットは、どちらもメルセデス AMG製4.0リッターV型8気筒ツインターボをフロントに搭載し、最大トルクは800Nmを発生する。専用キャリブレーションが施されたDB12 Sは、ヴァンテージ Sを20PS上まわる最高出力700PSを誇る。最高速度はともに325km/hに達する一方、0-100km/h加速は軽量なヴァンテージ Sがわずか0.1秒ながらも優位に立った。
アストンマーティン DB12 S
エンジン形式=V型8気筒ツインターボ
排気量=3982cc
最高出力=700PS/6000rpm
最大トルク=800Nm/2750〜6000rpm
トランスミッション=8速AT
駆動方式=RWD
最高速度=325km/h
0-100km/h加速=3.5秒
アストンマーティン ヴァンテージ S
エンジン形式=V型8気筒ツインターボ
排気量=3982cc
最高出力=680PS/6000rpm
最大トルク=800Nm/2000〜5000rpm
トランスミッション=8速AT
駆動方式=RWD
最高速度=325km/h
0-100km/k加速=3.4秒
どのようなドライブシーンを重視するのか




英国製ラグジュアリーの粋を極めたインテリアが与えられた2台。DB12 Sは各部に専用の「S」バッジが配置されるほか、レッド・アノダイズド仕上げの金属製ドライブモード用ロータリーダイヤル、シートやシートベルトのコントラストステッチにも鮮やかなレッドがチョイスされた。
ヴァンテージ Sも、DB12 Sと同様に「S」モチーフを各部に採用。ヘッドレストにはアストンマーティン・ウイングが刺繍で入れられる。ロータリースイッチはレッドだけでなく、シルバーを選択可能することも可能。コントラストステッチはロータリースイッチと同じカラーでコーディネイトされる。
ほぼ同じ動力性能を持ち、近しい存在に見える2台だが、ターゲットとしているカスタマーは大きく異なる。DB12 Sは、高速巡航時の安定性や快適性、上質な室内空間を重視したグランドツーリング志向を掲げる。利便性の高い「2+2」シートを備え、長距離移動でも疲れにくい余裕ある走りは大きな魅力だ。
一方で、ヴァンテージ Sは軽量2シーターとしての純粋なスポーツ性能を前面に押し出し、ショートホイールベースによる俊敏なハンドリング、筋肉質なエクステリアが際立つ。とりわけコーナリング性能やドライバーとの高い一体感は、サーキットやワインディングでこそ真価を発揮するだろう。価格差は約300万円だが、最終的な選択は「どのようなドライブシーンを主軸とするか」によって決まる。
車両本体価格
アストンマーティン DB12 S 3290万円
アストンマーティン ヴァンテージ S 2930万円


