お便り 「トルク」と「馬力」って何が違うの?
投稿者:栃木県/なつピコさん
チェンの回答
やっぱり、自分が乗っているバイクの性能って気になるよね。バイクを買う時も、ついついカタログに書かれている“馬力”(最高出力)を見てしまう人は多いはず。でも、バイクの性能を表す言葉には「トルク」もあって、「何が違うの?」と感じている人も意外と多い。今回はその違いを分かりやすく説明していこう。
まず“トルク”とは、簡単に言えば「エンジンを回そうとする力」のこと。イメージとしては腕相撲に近い。肘を支点にして、どれだけ強く押し込めるか……そんなイメージだ。一般的には排気量が大きいエンジンほどトルクも大きくなる傾向があり、「グイッ!」と押し出されるような加速感を味わいやすい。よく「低速トルクがある」と言われるバイクは、発進直後や低い回転数から力強く加速しやすいタイプ。たとえば信号スタートや街乗りでも扱いやすく、「アクセルを少し開けるだけで前に出る感じ」が特徴だ。
いっぽう“馬力”は、「どれだけ速く仕事ができるか」を表す数値。昔はps、最近ではkW(キロワット)表記が増えているけれど、簡単に言えば「どれだけ速くパワーを出せるか」というイメージでOK。馬力は、「トルク×エンジン回転数」で決まるので、同じトルクでもエンジンを高回転まで回せれば馬力は大きくなる。自転車でも、同じ力でペダルを踏んでいても、回転数を上げればスピードが伸びていくよね。それと同じイメージだ。

こちらはホンダ・クロスカブ110のエンジン(キタコのデモマシン)。カブ系はモデルに関係なく低速トルクを重視したエンジン特性で、低回転域から粘り強い走りが身上。そのため荷物をたくさん積んだツーリングも快適そのもの。カスタムで排気量アップをすると、さらに低速トルクがアップするぞ。 PHOTO:重松浩平
“速さ”だけじゃなく乗り味も変わる!
一般的に、最高出力が高回転域で発生するバイクは、エンジンを「ビーン!」と回して楽しむタイプが多い。回転を上げるほどパワー感が増していき、高速道路やワインディングで気持ちよさを感じやすい。一方で、最大トルクが低めの回転域で出るバイクは、低中速でも粘り強く走りやすく、街乗りやツーリングで扱いやすいキャラクターになることが多い。つまり、「馬力が高い=エラい」ではなく、どんな場面で気持ちよく走れるように作られているかが重要なのだ。
最近は、あえて低中速トルクを重視したエンジンも人気。スペック表だけでは分からない“乗り味”こそ、バイク選びでは大切だったりする。ちなみにその昔、チェンはシャシダイナモの上で自転車を本気でこいで計測したことがあるんだけど結果は約2psだった(笑)。
「トルク型」「高回転型」といった違いを知ると、スペック表を見るのもグッと面白くなる。バイク選びの時はもちろん、普段乗っている愛車の“キャラクター”を知るキッカケにもなるぞ!
まとめ
●トルクは力!馬力は仕事率!
●絶対値よりキャラが大事
※この記事は月刊モトチャンプ2023年7月号を基に加筆修正しています。
【モトチャンプ編集部】】
