お便り 中古車を買おうと考えています。走行距離って何kmまでOKとか、目安はあるの?

投稿者:神奈川県/HIMOなおきさん
チェンの回答

世の中の物価高や新車不足の影響もあって、ここ最近は中古バイク市場がかなり活況。どうせ買うなら少しでも状態の良い1台を選びたいけれど、その時に気になるのが“走行距離”だよね。

「1万km超えって大丈夫?」
「2万kmってもう寿命?」
「安いけど距離が多くて不安……」

中古車を探していると、こんな悩みにぶつかる人も多いと思う。

実際、走行距離が伸びれば価格は下がる傾向にあるし、同じ車種でも低走行車はかなり高値になっているケースも珍しくない。だからこそ、“何kmまでなら安心して買えるのか”は気になるポイントだよね。

チェンは以前、バイク便の会社で整備の仕事をしていたことがあるので、今回はその時の経験や肌感覚をベースに、“中古バイクの寿命感”について話していこうと思う。

だいたいの目安として、バイクの“寿命”は中型車以上なら20万km前後、原付なら10万km前後といったところ。ただし、これはあくまで「しっかりメンテされていた車両」の話だ。

このくらいの距離になってくると、たとえエンジンをオーバーホールしても、シリンダーヘッドのボルトが規定トルクまで締められなかったり、フロントフォークのインナーチューブのメッキが摩耗していたりと、“機械そのものの疲労”が目立ち始める。消耗品交換だけでは、本来の性能を完全に取り戻すのが難しくなってくるんだ。

もちろん、ここまで乗るには定期メンテが超重要。チェンがバイク便時代に管理していた車両では、エンジンオイルは3000kmごとに交換。そのたびに各部点検も行っていた。さらに駆動系は、スクーターでもミッション車でもおおむね2万kmごとに交換。サスペンションのオーバーホールも同じくらいのタイミングだったかな。当然、使い方や車種によって差はあるけどね。

そして、中古車選びでひとつの目安になってくるのが「2万km」という数字。このあたりから、少し値の張る修理やリフレッシュが必要になるケースが増えてくる印象なんだ。さらに5万kmを超えてくると、そういった修理の頻度はかなり高くなる。もちろんメンテ次第では元気に走る個体もあるけれど、“安いから”だけで飛びつくと、あとから修理代がかさんでしまうこともある。

だから初心者が中古バイクを選ぶなら、まずは1万km前後の個体がバランス的には狙い目。価格とコンディションのバランスが良く、大きなトラブルを抱えていないケースも比較的多いからだ。ただし、メンテ履歴がしっかりしている車両なら、2万km超えでも“アタリ車”は普通に存在する。また、ある程度メンテ知識があって「自分で直しながら乗りたい」「カスタムベースとして欲しい」という人も全然アリ。実際、走行距離が多いだけでかなり安くなっている車両もあるしね。中古バイク選びで大事なのは、走行距離の数字だけじゃなく、「どう使われてきたか」を見ることなんだ。

まとめ

●1万km前後が狙い目
●上級者は値段が手頃な2万km超もあり!

著者紹介 

チェン

元レースメカニックで、カスタムビルダーや二輪誌編集部員のキャリアを持つ。現在はスーパーモトのレースに参戦し、ハイエースで全国を飛び回っている。

※この記事は月刊モトチャンプ2023年6月号を基に加筆修正しています。