市販車ベースでS85レーサーを撃破!

近年、再び盛り上がりを見せている125ccスポーツクラス。その中心的存在となっているのがスズキ・GSX-R125だ。軽量な車体とDOHC高回転型エンジンを武器に、サーキットではミニバイクレースのベース車両としても人気を集めている。
KN企画では茂原サーキットで行われている2スト85㏄ のレーサー「S85」が走るクラスに参戦。ついにS85マシンを相手に市販車ベースの4ストで勝利してしまったのだ!「ライダーが速いから」と謙遜もしているが、そんなパフォーマンスは一朝一夕に成らず。ポイントはなんなんだ?

スリックタイヤに合わせて細リム化!

120幅の細身のスリックタイヤに合わせてホイールも変更。マフラーはお馴染みHOTLAP製だ。

14500rpmまで回る! 速さの秘密は吸気とECU

大前提としてまずは軽量化だ。補器類を取り外し、アルミ製スイングアームや細身のホイール採用などにより27kg 減の110kgを達成。
そしてパワーアップだが、ここで肝になるのは吸気とフライホイールだそう。ビッグスロボとパワーフィルターとした吸気はアレーサー製のフルコンで制御。アレーサー(aRacer)は東南アジアのレースシーンでも高いシェアを誇るECUメーカーで、燃料噴射や点火時期を細かく制御できるのが特徴(日本国内では総代理店であるKN企画で購入が可能)。ボアアップにより排気量は149ccへアップ、空燃比は12ぐらいで全開領域では45度も進角をするという。ハイカムや高圧縮ピストンのおかげもありパワーバンドは10000rpmからで14500rpmでレブリミット。高回転域を解放することで25psほどのパワーを獲得した。そしてフライホイールは常識では考えられないに軽量化。そのためアイドリングは、2600rpmじゃないと安定しないという。
ポイントとしてはこういうことらしいが、とはいえS85に勝とうというなら他の部分の細かな突き詰めがあってこそだろう。実際にエンジン始動して軽くブリッピングしたが、まさにレーシングエンジン!という超絶レスポンス。どこかMoto3マシンのような雰囲気すらある。

エンジンは純正+4000rpmでパワー解放!

兄弟モデルのGSX-R150ではなく125ccモデルをベースとすることでショートストロークの149cc仕様に。フライホイールの大幅な軽量化や発電系の取り外しなどでレスポンスは極上。

ECUはアレーサー製フルコンで全制御!

燃料噴射、点火時期に加え、クイックシフターやGPSでラップタイムを記録するメーターもすべてアレーサーで制御。走行ごとのログが取れる機能を追加した。

吸気系はスロボをΦ28→Φ42mmに大径化!

φ42mm のビッグスロットルボディにしただけでなく、インジェクターの位置をエンジンから離して霧化を促進。吸気系のチューンはGSX-Rのパワー解放のポイントだそう。

実はキモ! カウルに孔を開けてマイナス30度!

フレームに見えるが実はカバーというこの部分に孔を開けて吸気温度を下げている。孔開け前は60℃ほどもあった吸気温度が30℃にまで下がったという。吸気温度、めちゃくちゃ重要です!

レース活動から生まれたKN企画流チューニング

いわゆる「レース屋」ではないKN企画、しかし東南アジアのレースシーンとも密であることであらゆるパーツや情報が手に入るのが強みで、そんな背景からこんな超絶レーサーが生まれたわけだ。S85に勝てたのは確かにライダーの腕もあるだろうが、GSX-R125をココまで仕上げられるというケーススタディとして、なんとも夢がある。また、こうしたレース活動で得られたノウハウがユーザー向けパーツやセッティングデータへフィードバックされているのもKN企画の魅力。今回使用されているアレーサー製ECUをはじめ、GSX-R125/150向けのパーツもラインアップされており、購入やチューニング相談ができる環境が整っている。

ブレーキはコントロール性を重視した構成

φ320ディスクローターに、ブレーキキャリパーはRCB製4ポット。マスターシリンダーもRCBのラジアルポンプを採用している。

リヤショックはRCB製をチョイスして路面追従性をアップ

リヤショックはRCB製DB-2LINE(280mm)を採用。KN企画が代理店を務めており、もちろん購入可能だ。

ステップはセッティング幅無限大!

ステップは位置調整が容易なスーパーナウエンジニアリング製。クイックシフターはアップ方向のみ設定している。

バッテリーはなんとラジコン用!

発電系を除去したためバッテリーはラジコン用のリチウムフェライト3.3vを4連装。走行ごとに交換・充電する。

KN-YOKOHAMA
アジア圏からの輸入含めハイパフォーマンスパーツを多く展開。ミニバイクへの想いは熱い!
メーカー公式サイトはこちら

※この記事は月刊モトチャンプ2023年10月号を基に加筆修正を行っています

【モトチャンプ編集部】