現在の世界の自動車販売の中心はセダン/ハッチバック/ミニバンではなくSUV/クロスオーバーだ。マツダも例外ではない。売れているのは、「CX-」が頭につくSUV、クロスオーバーモデルである。CX-3/CX-4/CX-5/CX-8/CX-9の「CX-一桁系」とCX-30の「CX-二桁系」そして、MX系の3系統あるマツダのSUV/クロスオーバーモデルの現状と将来を推理してみた。
「CX-一桁系」とCX-30の「CX-二桁系」そして「MX-系」
まずは、現状の把握だ。 マツダのSUV/クロスオーバーモデルは、次のモデルである。
CX-3 2015年〜

CX-3 全長×全幅×全高:4275mm×1765mm×1550mm ホイールベース:2570mm パワートレーン:G2.0/D1.8
CX-30 2019年〜

CX-30 全長×全幅×全高:4395mm×1795mm×1540mm ホイールベース:2655mm パワートレーン:G2.0/X/D1.8
MX-30 2020年〜

MX-30 全長×全幅×全高:4395mm×1795mm×1555mm ホイールベース:2655mm パワートレーン:EV
CX-4 2016年〜

CX-4 全長×全幅×全高:4633mm×1840mm×1535mm ホイールベース:2700mm パワートレーン:G2.0/G2.5
CX-5 2017年〜

CX-5 全長×全幅×全高:4545mm×1840mm×1690mm ホイールベース:2700mm パワートレーン:G2.0/G2.5/G2.5T/D2.2
CX-8 2017年〜

CX-8 全長×全幅×全高:4900mm×1840mm×1730mm ホイールベース:2930mm パワートレーン:G2.5/G2.5T/D2.2
CX-9 2016年〜

CX-9 全長×全幅×全高:5075mm×1969mm×1747mm ホイールベース:2930mm パワートレーン:G2.5T
では、この7モデルがどこで販売されているか見てみよう。
マツダSUV/クロスオーバー モデル別販売地域

上の表を見てわかる通り、世界(日米欧中)市場で販売されているのは、CX-30とCX-5だ。EV(電気自動車)のMX-30は欧州から販売が開始されるが、生産台数・販売台数が限られるし、燃費規制対策のモデルでもあるから、どの市場にいつ投入されるかは、現在はわからない。日本には今年中に導入されるはずだ。 次に、モデル別のパワートレーンを見てみよう。
マツダSUV/クロスオーバー モデル別搭載パワートレーン

仕向地によって搭載エンジンは変わるので、参考程度にみていただきたい。 では次に、マツダの2019年世界販売の地域別データである。
2019年マツダ世界販売地域別比率

2019年はマツダの世界販売は149.8万台だった。その内訳は次の通りだ。 国内:20.4万台 アメリカ:27.9万台 欧州:29.2万台 中国:22.8万台 円グラフを見てもわかるように、日米欧中で全体の3分の2。その3分の2もバランス良く分かれている。 CO2排出量95g/kmで厳しい規制がかかる欧州にEVのMX-30を先行投入した理由もここからよくわかる。 ここまでが現状の基礎知識である。
現在の各モデルを全長とホイールベースで分類してみよう。

CX-30とMX-30のボディサイズはホイールベースを含めてほぼ同一(全高だけが少しCX-30の方が低い)。中国専用車のCX-4とCX-5はホイールベースは同一。全高がCX-4の方が長く、全高が低い。つまり、CX-4はSUVというよりクロスオーバーだ。 今度は、縦軸に車高をとって並べてみた。

せっかくなので、セダン/ハッチバック系も同じチャートに載せてみよう。

ここでわかるのは 車高1500mm以下:MAZDA3/MAZDA6(そして本来はMAZDA2もここに入るはず) 車高1550mmあたり:CX-3、CX-30、MX-30、CX-4 車高1700mmあたり:CX-5、CX-8、CX-9 となっていることだ。 しかし、本来はSUV/クロスオーバーは 車高1550mmあたり:クロスオーバー 車高1700mmあたり:SUV という分類になった方が自然だ。 つまり、販売順や仕向地で、CX-一桁でスタートしたマツダのSUV/クロスオーバーモデルだが、ここへ来て、 車高1550mmあたり:クロスオーバー=CX-二桁系 車高1700mmあたり:SUV=CXー一桁系 に整理されるべきと考える。
となると、どうなるか? まず、現行CX-3の後継モデルは、「CX-20」になる。 そして、中国専用車である現行CX-4の後継モデルは「CX-40」になるのが自然だ。 すると 車高1550mmあたり:クロスオーバー=CX-20/CX-30/CX-40 車高1700mmあたり:SUV=CX-5/CX-8/CX-9 となる。MX-系は「MX」というモデル名は、マツダが新しいことにチャレンジする際に用いられるもの。MX-30はマツダ初の量産電動車としてのチャレンジャーの役割がある。このCX-一桁/二桁とは別に考えた方がいいだろう。 ちなみに、アメリカの登録商標を調べると、現在はこうなっている。 Mazda CX-10(Live) CX-20(Live) CX-30(Live) CX-40(Live) CX-50(Live) CX-60(Live) CX-70(Live) CX-80(Live) CX-90(Live) CX-3(Live) CX-4(Live) CX-5(Live) CX-6(Dead) CX-7(Live) CX-8(Dead) CX-9(Live) MXに関しては、MX-30とMX-5 Miata(ロードスター)だけがLive状態だ。 もちろん、登録してLiveにしてあるからと言ってそのモデルが開発中・将来販売するというものではないが、マツダがアメリカでCX-二桁系はすべてLiveになっているのは興味深い。
さて、次に進もう。本稿は、あくまで既知の情報を元に勝手に推理しているものだから、頭の体操としてお読みいただきたい。 さて、ここからは将来像だ。現行のCX系はすべてエンジン横置きFFベースとなっているが、2022年度にマツダは「ラージプラットフォーム」を採用したエンジン縦置きFRベースのモデルを投入することを明らかにしている。2022年度中だから2023年初頭になるかもしれないし、今回のコロナ禍の影響でさらに後ろへずれるかもしれない。 ラージを採用するのは、MAZDA6、CX-5以上だろう(もちろんMAZDA6、そしてその上の上級モデルも?)。となるとこうなる。

ホイールベース2700mm以上がラージ(FR系)となると予想する。CX-4は横置き(スモールプラットフォーム)を使ったクロスオーバー「CX-40」になっていると仮定すると、やはりCX-5、CX-8、CX-9がラージを使うことになる。 同じFRと言っても、ロータリーエンジンを搭載すると言われている次期RX-7や、MX-5ミアータ(ロードスター)は別と考えた方がいいだろう。 今度は、ラージプラットフォーム導入後のマツダのSUV/クロスオーバーのパワートレーンを予想してみよう。 1ページにあった、現行モデルのパワートレーンをもう一度見てほしい。
現行マツダSUV/クロスオーバー モデル別搭載パワートレーン

次に、(あくまで勝手な予想です)将来のパワートレーンを見てみよう。
将来のマツダSUV/クロスオーバー モデル別搭載パワートレーン

各モデルの解説だ。
■スモールプラットフォーム(エンジン横置きFF系)
○CX-20:SKYACTIV-G2.0がベースグレードで、ディーゼルはD1.8。上級モデルはSKYACTIV-X+48V M-Hybridを搭載する。数年後を想定しているので、現行の24V M-Hybridは欧州勢が主力で使う48Vに変わっていると期待を込めて予想しておく。 ○CX-30:現行のラインアップのSKYACTIV-Xは48V M-Hybridになると予想。北米ではG2.0ではなくG2.5、日欧中はG2.0を使う。 ○CX-40:これは現行のCX-4の後継モデルの位置づけだから、CX-30よりやや上級。MX-30譲りの電動パワートレーン搭載モデルも用意する。あるいは、1ローターSKYACTIV-Rを使うシリーズハイブリッドの可能性も残しておきたい。



○MX-30:現状はEVのみの設定だが、EVのみでは販売台数も期待できないし、それゆえCO2規制への切り札ににもなり得ない。本命は、1ローターSKYACTIV-Rロータリーエンジンを積んだレンジエクステンダー、あるいはシリーズハイブリッドだと予想する。日産e-POWERがこれだけ受け入れられたのだから、可能性は低くないだろう。CX-30とMX-30はボディサイズが同一だから、パワートレーンは両モデルで明確に分けておく必要があると考える。ゆえに、CX-30は48V M-Hybird、CX-40にはより高度な電動パワーユニットが載ると予想する。
■ラージプラットフォーム(エンジン縦置きFR系)
○CX-5:マツダCX系モデルで最重要モデル。開発中のSKYACTIV-X 3.0直6(排気量3.0ℓは勝手な予想です)が最上級グレードとなる。 ○CX-8:CX-5とほぼ同じパワートレーンだが、サイズが大きくなるので、G2.0は搭載しない。 ○CX-9:現行モデルはG2.5T(ターボ)を載せているが、2.0ℓターボ(BMWで言えば、B48型)の代替としてのSKYACTIV-X 3.0直6という予想だから、G2.5TとSKYACTIV-X 3.0直6は並立しないかもしれないが、そこはSKYACTIV-X 3.0直6のコスト次第か。 ラージプラットフォーム系は、48V M-Hybridがほぼ標準で搭載され、上級モデルには多段化(8速以上)したATのトルコン部分にモーターを組み込んだPHEVモデルが設定されると予想したい。 というわけで、予断独断妄想たっぷりな予想をお送りした。本稿をさかなに、いろいろ想像して楽しんでいただきたい。
