7月1日、ヤマハ発動機はMotoGPに参戦するヤマハ・ファクトリーMotoGPチームの2027年シーズンに向けたライダーに、小椋藍とホルヘ・マルティンを起用することを発表した。契約期間は2027年と2028年の2年ということだ。
小椋藍は、ロードレース世界選手権MotoGPの最高峰クラス(MotoGPクラス)に参戦中の25歳。MotoGPクラスに参戦する、唯一の日本人ライダーである。

小椋は2024年にMoto2クラスで、日本人ライダーとして15年ぶりとなるチャンピオンに輝いた。翌2025年はMotoGPクラスにステップアップを果たし、アプリリアのサテライトチームであるスーパーファイル・トラックハウス・MotoGP・チーム(チーム名は2026年7月1日時点のもの)から参戦。ルーキーシーズンの決勝レースでは、5位がベストリザルトだった。
MotoGPクラス2年目の2026年シーズン、小椋はさらに飛躍を見せる。安定感とレース後半の強みを武器に、まずは第5戦フランスGPで3位表彰台を獲得すると、第9戦チェコGPではポールポジションを獲得し、決勝レースで2位表彰台に立った。
そして第10戦オランダGP決勝レースで、初優勝を飾った。この勝利は、日本人ライダーとしては2004年日本GPの玉田誠以来、22年ぶりの快挙となった。
そんな小椋が、2027年よりヤマハのファクトリーチームからの参戦するというわけだ。メーカーの移籍もさることながら、メーカーからマシンの供給を受けて参戦するサテライトチーム(現在ではインディペンデントチームとも称する)から、メーカーが運営するファクトリーチームに移籍する、というところにも意味がある。
確かに、昨今ではサテライトチームにもファクトリーチームと同年型のマシンが供給されていることが多い。実際のところ、2026年現在の小椋も、アプリリアのファクトリーチームと同じ最新型のRS-GPを走らせている。ただ、状況がファクトリーチームとまったく同じかといえばそうではなく、例えば新しいパーツなどの使用は、ファクトリーチームが優先されることが多い。また、関わる人数もファクトリーチームのほうが増える。
なお、ヤマハは2026年よりエンジン形式をこれまでの直列4気筒からV型4気筒に変更した。オランダGP終了時点では、V4マシンという新しい挑戦での苦しい戦いが続いている。
一方で、2027年は技術規則が改定される(参考記事: https://motor-fan.jp/article/1500891/ )。最大の変更は、エンジンの排気量が現在の1000ccから850ccに引き下げられるということだ。現在のMotoGPでは、マシンの重要度が大きい。ただ、2027年の技術規則改定により(エンジン排気量いくつかの変更がある)、現在よりもライダーのポテンシャルによって戦えるレースになるのではないか、と見られている。
また、小椋とともにヤマハのファクトリーチームに移籍するマルティンは、2024年のチャンピオンだ。マルティンは現在、アプリリアのファクトリーチームのライダーである。ヤマハは、二人の2026年時点でのアプリリアライダーを、2027年のラインアップに迎えることになる。

この発表に先んじる形で、6月30日、今季までのヤマハのファクトリーライダーであるファビオ・クアルタラロ(2021年、ヤマハでチャンピオンを獲得)とアレックス・リンスが、2026年をもって契約を終了することがヤマハ発動機より発表されている。
