将来は「ラリーアート」への布石となる可能性も

三菱自動車が主力SUV「アウトランダー」に、本格オフロード仕様「レイダー(Raider)」を設定する可能性が浮上している。

三菱 トライトン レイダー

現時点で正式発表はないものの、三菱自動車オーストラリアの関係者がアウトランダーへのレイダー展開に前向きな姿勢を示しており、市販化へ向けた期待が高まりつつある。

三菱 アウトランダー レイダー 予想CG

「レイダー」の名称が初めて採用されたのは、オーストラリア市場向けに設定された「トライトン レイダー」である。同モデルは現行トライトンをベースに、専用デザインのフロントグリルやバンパー、リフトアップサスペンション、オールテレーンタイヤ、アンダープロテクションなどを装備し、悪路走破性とアウトドア性能を高めた仕様として登場した。

単なるドレスアップモデルではなく、実用性を重視したオフロードパッケージとして商品化された点が大きな特徴である。この開発コンセプトがアウトランダーへ展開されれば、近年需要が拡大しているクロスオーバー系オフロードSUV市場へ投入される可能性が高い。

競合としては「スバル アウトバック Wilderness」や「ヒョンデ サンタフェ XRT」などが挙げられ、アウトドア志向のユーザーをターゲットとした新たな選択肢となりそうだ。

オーストラリア市場が商品展開のカギを握る

アウトランダーはオーストラリア市場でも主力モデルのひとつであり、ミッドサイズSUVカテゴリーでは「トヨタ RAV4」に次ぐ販売実績を誇る。SUVに対するアウトドア志向が年々高まるなか、商品ラインアップの拡充は販売競争力を維持するうえでも重要なテーマとなっている。

三菱自動車オーストラリアの製品戦略ゼネラルマネージャー、ブルース・ハンペル氏は海外メディアの取材に対し、「トライトン レイダーの成功を踏まえれば、『レイダー』という名称は他のモデルにも展開できる」「アウトランダーはレイダー化に適した車種である」とコメントしており、その可能性を否定していない。

さらに注目すべきは、これまでのように外部コンプリートメーカーへ委託するのではなく、三菱自動車自らが本格的なオフロード仕様を開発する可能性に言及した点である。

S-AWCをベースに悪路性能をさらに強化

ベースとなるアウトランダーPHEVは、前後独立モーターによる電動4WDシステムと車両運動統合制御「S-AWC(Super All Wheel Control)」を組み合わせ、高い走破性能を実現している。レイダー仕様では、この基本性能をさらに引き上げるため、専用サスペンションによる最低地上高の拡大やダンパーセッティングの変更、オールテレーンタイヤの採用などが予想される。

さらに大型スキッドプレートや専用フロントグリル、ブラックアウト処理、ワイドフェンダー、LED補助ランプ、強化サイドステップなどを組み合わせることで、アウトドアユースを意識したタフなスタイリングが与えられる可能性が高い。

シャシーやステアリング制御にも専用チューニングが施されれば、オンロードでの快適性を維持しながら、より高い悪路走破性を実現するモデルとなるだろう。

将来は「ラリーアート」への布石となる可能性も

レイダーは単独グレードにとどまらず、三菱自動車が再強化を進める「ラリーアート」ブランド戦略とも無関係ではないと考えられる。トライトン レイダーが市場で一定の評価を得れば、そのノウハウを生かした高性能モデルやラリーアート仕様へ発展する可能性も十分にある。

アウトランダー レイダーについても、市販化が実現すれば将来的には「アウトランダー ラリーアート」誕生への足掛かりとなるかもしれない。

日本導入については現時点で未定だが、アウトドア人気が続く国内市場との親和性は高い。仮に導入されれば、価格はベースモデルより50万~100万円程度高い650万~800万円前後になると予想される。