松井孝允のペダルワーク
ペダルを繊細に踏める戻せる操作を身につける
サーキットの全開走行。「ペダルもシフトもダーンと入れてグワーっと! 」なんて雑な操作は絶対NGだ。はじめにアクセル。サーキットの直線でアクセルを全開にするだけなら、誰にだってできる。肝心なのは、全開までの過程だ。サーキット走行では、アクセルON・OFFの踏み返しやハーフアクセルも使う。
クルマをコントロールするために、がばっとペダルを踏むのでははく、丁寧に踏むことを習慣付ける。靴のカカトをフロアに付け、足の先でペダルを細かく踏んだり戻したりするのが基本だ。
ブレーキはヒール&トーの修得まで考え、掛けるときはカカトがフロアーから浮いた状態で足先を使って、強く踏むように操作する。カカトをつけているとヒール&トーへ移る際、カカトをアクセルに移すまでに時間が掛かり、慌てて急な操作に陥りやすい。
松井講師は右足でブレーキを踏みつつ左足も活用。左足をフットレストに置き、踏ん張って体(体重)を支える。これはペダルを戻すリリース操作を、細かく段階的にこなすために有効なのだ。
クラッチはアクセルやブレーキほどデリケートな操作は要らない。要領は街中の走行とほぼ同様だ。ブレーキ操作との連携・同調に努め、素早く左足をペダルとフットレストに置き換えるよう心掛ける。
アクセル
カカトはフロアにつけて足の先で細かく操作

カカトはフロアにつけて操作の支点にする。位置は松井講師の場合、アクセルペダルより少し内側。操作は足首と足の裏を使って、親指の付け根付近でペダルの上方を押す。
アクセルON・OFFの連続操作では、ペダルから足を離さないように注意。タイムロスになる。
ブレーキ
カカトはフロアーから浮かせる

ヒール&トーを行わないブレーキングでは、カカトをフロアにつけてペダルをしっかり踏むのもアリ。だが、ヒール&トーをマスターするためにカカトを浮かせた状態でも強くブレーキが掛けられる習慣を身につける。足首をL字にし、おもに足裏の母指球を使って踏むように心掛ける。
バキュームが溜まるラグも意識する

松井講師は強いブレーキングの際、マスターバックの負圧も意識。アクセルOFFから操作を少し遅らせ、負圧が十分に加わった状態で踏む。
クラッチ
左足は操作を終えたらすぐにフットレストへ

操作中、カカトはフロアから浮いている。ポイントはクラッチをつないだら左足をすぐにフットレストに乗せ、踏ん張って体を支える。ヒール&トーのあとの右足のブレーキペダルリリースに集中でき、細やかに戻す操作ができる。ブレーキのリリースはそれだけ重要。
松井孝允のシフトワーク
ノブは力を掛けずに握り スムーズな操作に徹する

早くスピードを乗せようと気持ちが先走ると、力業でシフトチェンジをしがちだ。無理な操作はシフトミスを起こしやすい。メカトラブルの原因にもなる。松井講師の操作は丁寧で滑らか。ミッションからシフトノブに伝わるノイズで、ギアチェンジのタイミングも感じ取る。そんなスムーズな操作をマスターしたい。

これはZN6 86の6速MTでの例。まずはシフトノブの握り方。シフトノブの真上を手の平で包む握り方もあるが、松井講師はそうしていない。親指もシフトノブにつけていない。
理由はできるだけ力を抜いて、自然な操作でシフトアップ、ダウンを行うためだ。1速、2速のシフトノブの握り方は、手を逆さにして手の平でノブの右横、つまり棒の部分を包む。

指は小指が天を、親指が地を向いている。これには1速と2速間のシフトアップ時、シフトレバーがニュートラル位置の中央付近へ戻されないようにする目的がある。そうしてシフトノブを引き、ギアチェンジを完了させる。

続いて、2速から3速のシフトアップ。シフトノブの握り方は、1速から2速のときとは反対に左横を手の平で包む。親指が天を、小指が地を向くよう握り直し、手を戻している。
このときノブを握る力はわずか、決して握りしめていない。シフトレバーを軽く押すようにし、ギアを3速に入れる。3速に入ると、少し手首がスナップしている。

4速へのシフトアップは、シフトレバーの移動が縦方向。握り方は保って腕を引き、手首を戻すようにして完了する。4速から5速のシフトアップでも、シフトノブの握り方は変えずに操作する。

5速のポジションは4速の位置から斜め前方になり、ミッションの構造から操作にやや抵抗が出る。そのためシフトノブを気持ち斜め方向へ押すように操作する。

最後が5速から6速。1速から2速間と同様にシフトレバーが中央付近へ戻される傾向がある。シフトノブを自分の方にちょっとだけ寄せながら、後ろへ引いている。シフトダウンの操作は、シフトアップとは正反対に行えばOK。
シフトダウンの場合






Point:シフトレバーをセンターに戻す
リターンスプリングの力を意識して操作せよ
86をはじめFR車は、シフトレバーの付け根にリターンスプリングというパーツが組まれている。これはシフトレバーをニュートラルの中央付近に戻す機能がある。
これはZN6 86の6速MTでの例。まずはシフトノブの握り方。シフトノブの真上を手の平で包む握り方もあるが、松井講師はそうしていない。親指もシフトノブにつけていない。
次回(8月7日 19:10~公開予定)は……
第3回 まずは安全な直線でブレーキングを試す

公道では体験できない速度域からの操作で注意すべきポイントを伝授。お楽しみに!
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