ハイパワーS660の弱点を克服!

ブロックから始めるエンジン強化

S660の戦闘力を高めるS07Aチューニングでは、これまでさまざまなハイパワー化へのトライが重ねられてきた。しかし、出力を引き上げていけば、ピストンやコンロッドといったインナーパーツだけでなく、それらを支えるシリンダーブロックそのものの強度も問題となってくる。

そこで“フラットウェル”が新たに提供を開始したのが、クローズドデッキ加工を施した「スーパーエンジンブロック」だ。

S660に搭載されるS07Aは、シリンダー周囲にウォータージャケットを設けたオープンデッキ構造を採用している。冷却性に優れる一方、200psオーバーを狙うようなハードチューンではシリンダー上部の剛性がウイークポイントとなり、高回転・高負荷時には振れや歪みが発生する可能性が高まってしまう。

その対策としてフラットウェルが採用したのが、ウォータージャケットに振れ止めプレートを圧入する手法だ。使用するのは、5mm厚の2000番台アルミ材からCNC加工で削り出した専用品。ブロック側とシリンダー側の双方に対してゼロクリアランスで収めることで、シリンダー上部を強固にホールドし、ハイパワー化に耐えられる剛性を確保する。

そして、このクローズドデッキ加工とセットで考えたいのが、フラットウェルオリジナルのレーシングピストン(19万8000円)とHビームコンロッド(24万2000円)だ。

レーシングピストンは、純正に対して1.0mmオーバーサイズとなるφ65mm仕様。単にサイズを拡大しただけでなく、コンプレッションハイトを最適化するとともに、ビッグバルブやハイカムへの対応を考慮してバルブリセスも見直されている。

さらに、純正では圧入式となるピストンピンをフローティング化することで、フリクションの低減と長寿命化を追求。ピストンリング溝についても、圧縮効率を高める方向で設計を最適化しており、ハイパワー仕様を前提とした専用設計となっている。価格は19万8000円だ。

組み合わせるHビームコンロッドは、純正比120%の強度アップを実現。コンロッド本体だけでなく、ボルトの材質や形状にまでこだわることで、200psオーバーの高負荷を受け止める絶対的な強度を追求している。こちらの価格は24万2000円となる。

なお、クローズドデッキ加工後には別途ボーリング&ホーニングが必要となるため、加工時にはピストン交換を前提に考えたいところ。ベースとなるブロックについても、新品の使用が推奨されている。

費用は、ブロック本体へのクローズドデッキ加工が7万7000円、ボーリング&ホーニングが3万3000円。加工内容と価格を明確に提示することで、完成するまで費用が見えにくくなりがちなエンジンチューニングを、分かりやすくすることもフラットウェルが重視するポイントだ。

200psオーバーが現実的となった今、S07Aチューンはピストンやコンロッドだけでなく、それらを支えるブロック本体の強度まで考える領域へと突入している。クローズドデッキ化を軸にインナーパーツまでトータルで強化するフラットウェルの手法は、さらなるハイパワーを安心して狙うための新たなスタンダードとなりそうだ。

●取材協力:フラットウェルレーシングプロジェクト 大阪府高槻市唐崎中3-1-40 TEL:072-678-5552

「ユーザー目線で進化を続ける等身大のS660」ブーストアップを安定させるフラットウェルの独自技術に迫る!

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フラットウェルレーシングプロジェクト
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