300SELなどに見られる伝統のフロントグリルを、光で表情をつくる造形として再解釈
メルセデス・ベンツ日本は10月28日、GLC初のBEVとなる「electric GLC」を発表し、全国のディーラーで予約受注を開始した。新しいBEV専用プラットフォーム「MB.EA-M(Mercedes-Benz Electric Architecture Midsize)」を採用したプレミアムミドルサイズSUVだ。

ラインナップは後輪駆動のGLC 250 electricと四輪駆動のGLC 300 4MATIC electricの2モデルで、価格は913万円と957万円。GLCは日本で2016年にSUV、2017年にクーペが導入され、2025年の外国メーカー車の年間登録台数では4位、ミドルサイズSUVでは首位を獲得している。
なお、本記事ではelectric GLCをデザイン面から掘り下げていくが、写真は海外仕様のものが中心となっていることをお断りしておく。


フロントグリルは、300SELなどに代表されるメルセデスの伝統的なグリルを再解釈した新しいデザインが特徴。内燃機関車では機能部品だったグリルが、BEVのelectric GLCではイルミネーションを備えた装飾的な要素へと役割を変化させたというわけだ。

イルミネーテッドパネルには942個のポリカーボネート製バックライト付きドットが並び、ピクセルグラフィックによるアニメーション表示にも対応する。点灯時は中央のスターの輪郭とグリルフレームもともに光る。
ヘッドライトは標準のLEDハイパフォーマンスヘッドライトとオプションのデジタルライトを設定。どちらもスターモチーフを取り入れ、デイタイムランニングライトやウインカーと組み合わせて、昼夜を問わず印象的なフロントマスクを構成している。

ホイールベースを84mm延長した伸びやかなサイドビューと、スターモチーフを共有するリヤまわり
ボディは内燃機関のGLCに比べてホイールベースが84mm、全長が120mm長い(欧州参考値)。Cd値は0.26を達成している。
デザイン哲学「Sensual Purity(官能的純粋)」に基づく面の抑揚と際立つホイールアーチに、後方に向かって緩やかに上昇するキャラクターラインとウインドウラインを組み合わせ、伸びやかなプロポーションをつくり出した。ルーフレール、サイドシル、ウインドウラインにはクロームトリムを配置。ドアハンドルはボディと一体化したシームレスタイプだ。

リヤまわりは、ワイドなリヤフェンダーとフラッシュサーフェスのリヤバンパーが特徴だ。
2ピース構成のLEDリヤコンビネーションランプには、ヘッドライトと共通のスターモチーフを採用し、前後で統一したライトのグラフィックを見せる。ルーフスポイラーも2ピース構造で、ブラックのサイドスポイラーを組み合わせて、リヤエンドをスポーティな造形に仕立てている。

アルミホイールは標準の19インチから、オプションで最大21インチまで設定。ボディ色は新設定のラベンダーシルバー、シアーブルー、ソーダライトブルー(いずれもメタリック)の3色を含む全8色をそろえる。
GLCで初めてフロントトランクを設け、ボンネット内に128Lのスペースを確保。ボンネット先端のスリーポインテッドスターエンブレムに軽く触れると解錠する。リヤのラゲッジルームは520〜1690Lの容量をもつ。

39.1インチのハイパースクリーンと、ダッシュボードからセンターコンソールへひと続きのウッドトリム
コクピットには、10.3インチのコクピットディスプレイと14インチのセンターディスプレイ、14インチの助手席用ディスプレイを一体化したMBUXスーパースクリーンを標準装備。オプションのアドバンスドパッケージを選べば、メルセデス史上最大のディスプレイユニットとなるシームレスな39.1インチ(99.3cm)のMBUXハイパースクリーンになる。起動時のウェルカムアニメーションや背景画像は幅広く用意され、ディスプレイとアンビエントライトの色調はモチーフに合わせて調整される。

ステアリングには、ディストロニック用のロッカースイッチと音量調節用のローラースイッチを採用。静電容量式スイッチパネルには位置を確かめやすい触覚的なガイドを設けた。操作パネルの要素を整理した分、フィンガーパッドを大きくしている。
キャビンでは、大型のウッドインテリアトリムがダッシュボードとセンターコンソールを視覚的にひとつの造形にまとめている。インテリアを縁取るアンビエントライトは、スクリーンのフローティングデザインを一段と強調。センターコンソールにはワイヤレス充電トレイを2つ並べ、その後方にハザードランプボタンを含むハードキーのコントロールストリップを配置した。エアアウトレットは亜鉛メッキ仕上げ、ドアパネルは要素を絞ったシンプルな構成で、メタリック仕上げのドアハンドルとトリムが目を惹く。
オプションのBurmester 3Dサラウンドサウンドシステムでは、スピーカーグリルに初めて水平基調の立体的なラインデザインを採用。2トーン仕上げのステンレススチール製だ。


シートは標準のコンフォートシートと、ヘッドレスト一体型でサイドボルスターを高くしたスポーツシート(AMGラインパッケージ)の2種類。内装はブラックのレザーARTICOを標準とし、レザーエクスクルーシブパッケージではビーチブラウン/ブラックなど本革の3色を設定する。


頭上には、SKY CONTROLパノラミックルーフを標準装備する。ガラス面は9つのセグメントに分かれ、PDLC(高分子分散型液晶)によってそれぞれ透明と不透明を切り替えられる。レザーエクスクルーシブパッケージではルーフのイルミネーション機能が加わり、ガラス内の基材に印刷された162個のスターを、ルーフ内側のLEDモジュールが64色で照らし出す。
後輪駆動と四輪駆動の2モデル。リヤには2速トランスミッションを組み込む
リヤアクスルには永久磁石式同期モーターと2速トランスミッションを組み合わせたドライブユニットを搭載。GLC 250 electricは260kW(354PS)/505Nm、フロントにもモーターを備えるGLC 300 4MATIC electricは310kW(421PS)/800Nmを発揮する。バッテリー容量は85.5kWhで、一充電航続距離はGLC 250 electricが642km、GLC 300 4MATIC electricが618km。最大100kWのCHAdeMO急速充電に対応する。オプションでAIRMATICサスペンションと、後輪を最大4.5度操舵するリヤアクスルステアリングも用意している。



