ホンダ NT1100|アフリカツインのエンジン&フレームを採用した新型ロードスポーツツアラーを発表

2022 HONDA NT1100
ホンダは2021年10月21日、欧州でニューモデル「NT1100」を発表。NT1100はアフリカツインのエンジンとフレームをベースに、高速道路など舗装路での長距離走行の使用を想定。前後に17インチキャストホイールを採用したスポーツツーリングモデルだ。タイヤサイズはフロント120/70ZR17、リア180/55ZR17のロードタイプをチョイス。前後サスペンションも、オンロード走行を前提にセッティングされている。同車の詳細をレポートしよう。
REPORT●北 秀昭(KITA Hideaki)
※注:下記詳細はすべて欧州仕様車

ホンダ NT1100(欧州仕様車)

1万1999ポンド(約189万円)/ DCT:1万2999ポンド(約205万円)

マットイリジウムグレーメタリック

 人気のアドベンチャーモデル「ホンダ CRF1100Lアフリカツイン」のフレーム&エンジンを採用した、新しいロードスポーツツーリングモデル、ホンダ NT1100。走行シーンを選ばないCRF1100Lアフリカツインとは一線を画す、舗装路走行を主眼に置いた、生粋のグランドツアラーモデルだ。

 NT1100は舗装路での快適な走行を想定した足周り、ロングツーリングに適した空力性能の外装類、冒険心を駆り立てるデザイン、長距離走行も余裕でこなせるライディングポジション、高い積載能力など、ロードツーリング性能を突き詰めた仕様に設計。

 イギリスでの価格は、6速MTが1万1999ポンド(日本円換算で約189万円)、DCTが1万2999ポンド(日本円換算で約205万円)。日本での発売は未定だが、もしも発売された場合、英国と日本の物価の違いから見て(現況、英国は世界有数の物価高国)、国内価格は150万円前後だと予測。

水冷4スト並列2気筒SOHC4バルブ1084ccエンジンは、102馬力を発揮

 メインフレームはホンダ CRF1100Lアフリカツインに採用のセミダブルクレードルを導入し、アルミ製サブフレームをボルトオン装着。スムーズな加速と心地よい低回転域を発揮するエンジンは、アフリカツインから継承する、270度クランクの水冷4ストローク並列2気筒SOHC4バルブ1084cc。最高出力は102馬力を発揮。

「アーバン」「レイン」「ツアー」のプリセット3種類+マニュアル設定2種類のライディングモード、3段階のホンダセレクタブルトルクコントロール、クルーズコントロール、3段階のウイリーコントロール、ABSなど、電子制御システムも充実。トランスミッションは、マニュアル6速とDCT6速をスタンバイ。

ブレーキ・サスペンションはロード仕様にセッティング

 フロントブレーキは大径Φ310mmディスクローターにラジアルマウント式の4ポットキャリパーを組み合わせたダブルディスク仕様。リアはΦ260mmディスクローターを導入して制動力を確保。

 フロントフォークはSHOWA製Φ43mm倒立型を採用し(アフリカツインのΦ45mmからΦ43mmと小径化)、リアショックはシングルチューブの油圧型でプリロード調整が可能(サスストロークはアフリカツインの230mmから150mmに短縮化)。また、リアのアクスルトラベルは、アフリカツインの220mmから150mmに短縮。走行シーンを選ばないアドベンチャーモデルのCRF1100Lアフリカツインとは異なり、NT1100の前後サスペンションは、オンロードテイストにセッティングされているのが特徴だ。

 17インチの前後ホイールは、オンロード走行に強みを発揮するキャストタイプを採用。前後タイヤはロードタイプのラジアルとし、サイズは前120/70ZR17、後180/55ZR17のワイドタイプがチョイスされている。前後17インチ化によって低重心化され、シート高も820mmまで抑制。これにより扱いやすさが向上するとともに、オンロード走行で求められるシャープで素直なハンドリングを実現した。

 なお、ホイールベースはアフリカツインの1575mmから1535mmへと40mm短縮し、旋回性能を向上。舗装路走行では、アフリカツインよりも、速くて快適なツーリングが楽しめるはず。

ツーリング性能や利便性に優れた充実の装備

 ウインドスクリーンは走行シーンに合わせ、上下164mmの高さ調整が可能。グリップヒーター、大容量のパニアケース(サイドケース)、オートキャンセルウインカー、USBソケット、ACC電源ソケット、センタースタンドなども標準装備。取り外し可能なパニアケースの容量は、左33L&右32Lの大容量を確保している。AppleCarPlayやAndroidAutoに接続できるメーターは、フルカラー6.5インチTFTのタッチスクリーンディスプレイを採用。ヘッドライトはDRL付きフルLED。

 NEWモデルのホンダ NT1100は、50Lトップボックスと4.5Lのタンクバッグをセットにした「アーバンパック」、コンフォートシートとコンフォートピリオンステップ&フォグランプをセットにした「ツーリングパック」、これらすべてをパッケージした「ボヤージュパック」という、3種類のアクセサリーパックをラインナップ。好みや使い方に合わせて選べるのが嬉しいところ。

ホンダ NT1100(欧州仕様車) 主要諸元

全長×全幅×全高2240×865×1360mm(ロースクリーンポジション時)
ホイールベース1535mm
シート高820mm
車両重量238kg(MT)/ 248kg(DCT)
エンジン形式水冷4ストロークSOHC4バルブ並列2気筒
排気量1084cc
ボア×ストローク92mm×81.5mm
圧縮比10.1
最高出力75kw(102ps)/7500rpm
最大トルク104Nm/6250rpm
燃料タンク容量20.4L
変速機形式6速リターン/6速DCT
キャスター角26.5°
トレール108mm
タイヤサイズ前120/70ZR17 後180/55ZR17
ブレーキ形式前Φ310mmダブルディスク 後Φ256mmディスク
カラーマットイリジウムグレーメタリック/グラファイトブラック/パールグレアホワイト
価格(イギリス)1万1999ポンド(約189万円)/ DCT:1万2999ポンド(約205万円)

マットイリジウムグレーメタリック

グラファイトブラック

グラファイトブラック

パールグレアホワイト

パールグレアホワイト

各部をチェック

パニアケースを標準装備(容量は左33L・右32L)

マットイリジウムグレーメタリック
グラファイトブラック
パールグレアホワイト

容量50Lのトップボックス

マットイリジウムグレーメタリック
トップボックス+パニアケース+容量4.5Lのタンクバッグ装着車

ホンダ NT1100 イメージフォト

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