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ヤマハ・YZ250……781,000円
YZ250の2サイクルエンジンは元々完成度が高く、今回のモデルチェンジでエンジンがストレート吸気になったのが変更点。車体周りは125と同様にスリムになったシェラウドやよりフラットになったシートにより、アクション性はより高くなった。
ストレート吸気に合わせエアクリーナーケースの形状は変更されている。これによって高回転での伸びは向上しているので、戦闘力のアップに繋がっている。
フロントサスペンションは背面バルブにリーフスプリング(4ストYZと同構造)を採用し、極低速作動から減衰力を発揮して車体の安定性が向上した。リヤサスは減衰特性を最適化し、操縦性や安定性が向上している。フロントディスク径は270mmで変更無しだが、キャリパーピストン径は12%アップ、パッド接触面積は30%アップし制動力とコントロール性が向上している。リヤはキャリパーで45gディスクで44gの軽量化。
新形状のスプロケットで41g、軽量チェーンの採用で73g、肉厚を最適化したハンドルで97gの軽量化もしている。こうして車重は103kgとなり、ますます扱いやすくしつつ戦闘力が向上したのだ。ミッションは5速でリヤタイヤはモトクロッサーなので19インチを採用。
今回の2022年モデルで、ヤマハでは「あらゆるお客様を勝者にする」としている。この勝者とは「レースで勝つこと」「ライバルに勝つこと」「過去の自分自身に勝つこと」である。 大きな変更は無い22年モデルであるが、その戦闘力はピカイチなのは間違い無い。それでは試乗するが、久しぶりの2スト250ということもあってちょっと緊張した。
走り始めてアクセルを開けると、もうびっくりの加速!最初は様子見しながら走行したが、あまりのレスポンスとパワーに恐る恐るとなりました。徐々に慣れてきてアクセルを大きく開けるが、もう凄まじいいパワーで押さえるのに必死です。2サイクル250ccってこんなにパワーあったかと感動するやら呆れるやらです。正直荒れたコースに久しぶりのレーサーなので、3速までしか使えず全開なんてほんの僅かな時間しか使えませんでした。そんな状態ですが、良く理解できたのはこのエンジンは凄まじい戦闘力を持っていること。かなりの低回転でも、また高回転でもそこからアクセル開ければアクセルとリヤタイヤは直結しているかの如く加速し、どこまでも伸びて行くのです。
開けて飛ぶジャンプでは、レスポンスの加減が予想していた以上で何度もまくれそうになりました。乗っていないので21年モデルとの差は分かりませんが、これはもう完全に上級者向けのエンジンです。
それでも何とか走れたのは、安定した走行と衝撃吸収性に優れた車体やサスペンションのお陰です。振られてもちょっとアクセル開ければすぐに安定したし、手足のバネを上手く使えなくても勝手にショックを吸収してくれました。勿論底付きや突き上げなんか無く、私のレベルではフルにストロークを使えて無い感じでした。これがレーシングスピードの域になるとどうなのかは分かりませんが、スタンダートのセッティングのままでもトップを走る性能を持っていると思われます。
ブレーキングでも安定していましたし、リヤが跳ねてしまうこともなかった。そのブレーキもコントローラブルで文句なし!
操縦性はナチュラルで思いのまま。特にアクセルが開いている時は安定して曲がってくれました。このYZ250、性能は物凄く高いのでレースで勝ちに行く現役ライダーは勿論、ある程度経験のあるサンデーライダーが楽しみにで乗るのも結構行けると思います。良い意味での緊張感を持てるマシンと言えるのでないか。
まぁはっきり言って、余りモトクロス経験が無いライダーにはかなり手強いバイクでしょう。キャブレター仕様なので低回転ばかり使っているとカブる可能性も大ですから、ある程度は回して走れる技量は必要です。
今回久しぶりの2サイクル250モトクロッサーでしたが、正直こんなに高性能なのかとびっくりし、こんなにも技術は上がっているんだと感激しました。
こうして4サイクルが主流な中、ずっと2サイクルの開発を続けているのは素晴らしいこと。この造りと性能で781,000円は凄いことなのでは?と思う試乗でありました。
ディテール解説
主要諸元
YZ250 車体打刻型式/原動機打刻型式:CG44C/G111E 全長/全幅/全高:2,185mm/825mm/1,290mm シート高:975mm 軸間距離:1,485mm 最低地上高:360mm 車両重量:103kg 原動機種類:水冷, 2ストローク 気筒数配列:単気筒 総排気量:249cm3 内径×行程:66.4mm×72.0mm 圧縮比:8.9-10.6:1 始動方式:キック式 潤滑方式:混合給油 エンジンオイル容量:- トランスミッションオイル量:0.80L オイルタンク容量:- 燃料タンク容量:7.0L(無鉛プレミアムガソリン指定) 吸気・燃料装置/燃料供給方式:キャブレター 点火方式:CDI(コンデンサ放電式) バッテリー容量/型式:- 1次減速比/2次減速比:3.000/3.571 クラッチ形式:湿式, 多板 変速装置/変速方式:常時噛合式5速/リターン式 変速比: 1速:1.928 2速:1.533 3速:1.277 4速:1.090 5速:0.952 フレーム形式:セミダブルクレードル キャスター/トレール:27°40′/122mm タイヤサイズ(前/後) 80/100-21 51M(チューブタイプ)/110/90-19 62M(チューブタイプ) 制動装置形式(前/後):油圧式シングルディスクブレーキ/油圧式シングルディスクブレーキ 懸架方式(前/後):テレスコピック/スイングアーム(リンク式) 乗車定員:1名https://motor-fan.jp/bikes/article/16081/