411ccだから”中免”では乗られません。ロイヤルエンフィールドのスクランブラー、SCRAM 411試乗

世界最古のオートバイブランドとして知られているロイヤルエンフィールドは、アドベンチャー・クロスオーバーモデル「Scram 411」の国内導入にあたり、昨秋の10月13日にインド本社と生中継するウェビナーオンライン記者発表会を開催。登壇された事業責任者の Anuj Dua 氏は、逐次通訳を介し開発と今後の戦略展開について、同ブランドの意欲的な姿勢を語ってくれた。

REPORT●近田 茂(CHIKATA Shigeru)
PHOTO●徳永 茂(TOKUNAGA Shigeru)
取材協力●ピーシーアイ株式会社

ディテール解説

H4の12V60/55Wバルブを使用した丸型ヘッドランプ。反射鏡内に見える四角いのはLED式のポジションランプ。ウインカーも12V10Wの電球式。懐かしの装備やデザインが今では新鮮に見える。

ゴムブーツでカバーされたフロントフォークはリーディングアクスルタイプのφ41mmテレスコピック式。19インチのスポークホイールにCAET製タイヤを履く。ディスクブレーキはφ300mmのシングルローターにVYBRE製2ピストンのピンスライド式油圧キャリパーを装備。

空冷シングルのロングストロークエンジンを搭載。ボア・ストロークは78×86mm。排気量は411ccなので、大型二輪免許証が必要となる。

後方へとはね上げられた右出しのマフラー。エキゾーストパイプの取り回しは、地上高の確保が考慮され、クランクケース右脇の直近下部位置をストレートに導かれている。

スイングアームピボット直後には、ボトムにリンク機構を持つモノショック式サスペンションを搭載。スプリング下端にはプリロード調節機構も装備されている。

リヤのホールサイズは17インチ。ディスクローターはφ240mm。ゴールドに輝く油圧キャリパーはBYBRE製シングルピストンのピンスライド式だ。

全体的にブラックアウトされたハンドルまわり。アップタイプのパイプバーハンドルがオーソドックスな手法で取り付けられている。

見慣れたデザインのハンドルスイッチはシンプルで扱いやすい。ホーンボタンもベストポジションにある。その上はプッシュキャンセル式ウインカー、さらにディマースイッチ。向こう側の赤いのはパッシングライトスイッチ。
上の赤いのはエンジンキルスイッチ。下の黒は始動用のスターター。中断はハザードスイッチで、横方向左側へ押すと4ウェイの非常点滅灯が点滅する。また向こう側にはトリップや時計設定等に使うインフォメーションスイッチがある。

シンプルに丸型のスピードメーターがオフセット搭載されている。本国仕様ではトリッパーと呼ばれる簡単なナビゲーションディスプレイが右脇に装着でき、それを考慮したデザインなのであ。

前後で段差のあるダブルシートは一体式。左脇のキーロックを解除すると簡単に脱着できる。シート裏側には9点に及ぶ専用車載工具が装備されていた。
後部にETC機器の搭載スペースがある。バッテリーのターミナルにもアクセスしやすい。シート下のそれらからは綺麗に整頓されたデザインを感じさせてくれる。

赤いテール&ストップランプ、そしてライセンスプレート照明もLED式。オレンジのウインカーは12V10Wの電球式だ。

車両重量が194kgあるバイクにしては車体のボリューム感は程よく、親しみやすい雰囲気が漂う。

主要諸元

車名:SCRAM 411

全長(mm):2,210
全幅(mm):840
全高(mm):1,165
軸距(mm):1,455
最低地上高(mm):200
シート高(mm):795
車両重量(kg):194
乗車定員(人):2

エンジン種類:空冷4ストローク単気筒
バルブ駆動方式:OHC 2バルブ
総排気量(㎤):411
内径×行程(mm):78.0×86
圧縮比:9.5
最高出力(kW[PS]/rpm):17.9[24.3]/6,500
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm):32/4,250
燃料供給装置形式:電子制御燃料噴射式
始動方式:セルフ式
点火装置形式:電子制御式
バッテリー: VRLA (12V-8Ah)
潤滑方式:強制循環式ウェットサンプ
潤滑油量(L):2.3
燃料タンク容量(L):15

クラッチ形式:湿式多板
変速機形式:常時噛合式5段リターン
変速比:
    1速…2.916
    2速…1.833
    3速…1.428
    4速…1.173
    5速…1.000
減速比(1次 / 2次):2.312 / 2.533

タイヤ(前/後):100/90-19 / 120/90-17
ブレーキ形式(前/後):油圧式シングルディスク / 油圧式シングルディスク
懸架方式(前/後):テレスコピック式 / スイングアーム式モノショック
ホイールトラベル(mm 前/後):190 / 180
フレーム形式:ハーフデュプレックススプリットクレードルフレーム

試乗後の一言!

エンジンの適度な弾け具合に、元気溌剌な雰囲気を覚えた。

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著者プロフィール

近田 茂 近影

近田 茂

1953年東京生まれ。1976年日本大学法学部卒業、株式会社三栄書房(現・三栄)に入社しモト・ライダー誌の…