鈴鹿サーキットの楽しみを教えてくれる「コースコーションモータースポーツクラブ」

鈴鹿サーキットで走行会を開催する「コースコーションモータースポーツクラブ」その驚きの歴史

CCMCは気軽に走れるジェントルマンドライバーの遊び場として、鈴鹿サーキットで走行会を開催している。
CCMCは気軽に走れるジェントルマンドライバーの遊び場として、鈴鹿サーキットで走行会を開催している。
年間を通して鈴鹿サーキットで走行会を開催しているコースコーションモータースポーツクラブ(CCMC)。そこは誰でも好きなクルマで気軽に走れるジェントルマンドライバーの遊び場だ。長年に渡ってCCMCを牽引する神谷誠代表に、その理念を聞いた。(GENROQ 2024年5月号より転載・再構成)

Course Caution Motorsports Club

約35年間途切れることなく活動

鈴鹿サーキットの国際レーシングコース(フルコース)を思う存分走ることができるCCMC。参加車両も個性に溢れ、ハイパフォーマンスなスポーツカーから国産コンパクトまで、どんなクルマでも気軽にエントリーすることができる。
鈴鹿サーキットの国際レーシングコース(フルコース)を思う存分走ることができるCCMC。

鈴鹿サーキットの国際レーシングコースを舞台に、ほぼ月イチのペースで走行会を開催している「CCMC(コースコーションモータースポーツクラブ)」。腕に覚えのある経験者向けの走行会はもちろん、年に2回は初心者向けの走行会も開催。ビギナーでも参加しやすい気軽さが支持され、毎回定員を上回る参加者が応募しては、キャンセル待ちが出る賑わいを見せている。

CCMCの歴史は古く、まだ世の中に「走行会」や「スポーツ走行」といった概念がなかった時代に発足。それから約35年もの間、途切れることなく活動が継続されているというから驚きだ。そんなCCMCの発起人であり、現在も代表を務める神谷誠さんに、まずはクラブ発足の経緯について聞いてみた。

「実は当時の鈴鹿は今のように一般のユーザーがコースを占有して走ることができなかったんです。でも、何よりまず私自身が鈴鹿を走ってみたかった(笑)。それで何とか交渉して、まずはサーキット内の交通教育センターで研修を受け、それからコースを占有してのスポーツ走行を許可してもらうという流れを最初に作っていきました。それがCCMC発足のきっかけではありますけど、元を正せば自分が走りたかったと言うのが本音です(笑)」

当時を懐かしむように笑顔で語る神谷さんは、話がクルマや走ることに及ぶと、クルマ好きの少年のように目をキラキラと輝かせる。神谷さん自身が無類の走り好きにして、真のモータースポーツ愛好者だからこそ、1987年からF1の舞台となった鈴鹿の門戸が開かれたのだろう。

取材当日の走行会には45台ほどのエントリーがあり、参加車両のバリエーションも実に様々。空冷/水冷の歴代911やフェラーリ296GTBがいたかと思えば、日産GT-RやトヨタGR86などの国産スポーツカー勢も多数参加。フォーミュラマシンが駆け抜け、K12マーチ軍団が疾走と、見ていて飽きないほどバラエティに富んでいた。

また、参加車両のナンバーを見て回ると、東海地方に限らず関東や関西の地名も意外に多かったのが印象的。朝の9時走行開始と早いスケジュールにも関わらず、幅広い地域から参加者が集まっていた。

「走るのが好きな人がサーキットに集まって、みんなで走って楽しむ。CCMCでやりたいことって、本当にそれだけなんです。あとね、走るのはやっぱり朝イチじゃないと! 朝の新鮮な空気を吸って、思いっきり走って、午後は一生懸命働く。やっぱりジェントルマンドライバーは、そうじゃなきゃ(笑)」

好きなクルマで鈴鹿を思いっきり走ってみたい。そんな人たちが全国津々浦々から集まる場を提供し、初めてで気が引けてしまうという初心者にも、プロの同乗走行を含む手厚いホスピタリティを用意するCCMC。神谷さんの想いと努力は、結果としてモータースポーツ文化の醸成に一役買っていることは間違いない。年間のスケジュールや申し込み方法など、詳細な情報は公式ホームページに網羅されているので、ちょっとでも興味を持った人は、ぜひ一度チェックしてみて欲しい。

REPORT/小林秀雄(Hideo KOBAYASHI)
PHOTO/益田和久(Kazuhisa MASUDA)
MAGAZINE/GENROQ 2024年 5月号

開催日

5月16日(木) 走行9~11時 4月中旬受付開始
6月13日(木) 走行9~11時 5月上旬受付開始

CCMC(コースコーションモータースポーツクラブ)公式ウェブサイト

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ゲンロクWeb編集部

スーパーカー&ラグジュアリーマガジン『GENROQ』のウェブ版ということで、本誌の流れを汲みつつも、若干…