目次
Porsche Experience Center TOKYO
世界で9ヵ所目のポルシェを味わいつくす施設
「ポルシェ・エクスペリエンスセンター東京」は世界で9番目となるエクスペリエンスセンターで、千葉県・木更津市に位置する。広さは43ヘクタールもあり、この中に複数の走行コースとレストランやミーティングルームを備えた建物が美しくレイアウトされている。
まずコースのメインとなるのは2.1kmの長さを持つハンドリングトラック。もともとの地形を活かした高低差は40mもあり、これほどの高低差を持つコースは世界のエクスペリエンスセンターでも例がないという。ニュルブルクリンクのカルーセルや、ラグナ・セカのコークスクリューなど、世界の名コーナーを再現したエリアもあるので、そこを体験するだけでも十分に価値があるだろう。
有名サーキットに因んだコーナーを再現
ローフリクションハンドリングトラックはポリッシュ仕上げされた低μコースで、低速でのオーバーステアやアンダーステアを体感できる。ドリフトサークルは散水装置を備えた円周路で、ポルシェでのドリフト走行が可能。このドリフトサークルでのみ、PSMをオフにすることが許される。
ダイナミックエリアは200×30mのフラットなエリアで、スラローム走行やフルブレーキ、ローンチコントロールなど、日常ではできない走りを試すことができる。またここにはキックプレートと呼ばれる装置が備わる。これは埋設されたプレートが、クルマのリヤアクスルが通過する瞬間にランダムに左右に動くというもので、スピン回避などのトレーニングに役立つ。他にも28度、32度、38度の斜面を持つオフロードコースもあるので、カイエンやマカンなどのSUVの真の実力を試すこともできるのだ。
オフロードコースやローフリクショントラックを併設
メインの建物にはカフェやレストラン、また多くのミーティングルームも備える。歴代のレーシングマシンで世界中のコースを走れるシミュレーターやオフィシャルグッズショップもあるので、コースを走らなくてもポルシェファンなら存分に楽しむことができるはずだ。
ただ注意したいのは、ここはサーキットではなく、あくまでもエクスペリエンス(体験)のための施設であるということ。訪れた日は台風による大雨だったために同乗での走行となったが、ハンドリングトラックはエスケープゾーンがほとんどなく、下り勾配の先が急カーブだったりするので、調子に乗って飛ばすことは厳禁。あくまでもポルシェの特性を体験し、理解することが目的であり、そのためタイム計測などの設備も備わらない。
カフェやシミュレーターなど設備も充実
また、たとえポルシェ車であっても個人車両での走行も不可だ。これは各車両のコンディションが把握できないためで、走行は40台以上が用意されているエクスペリエンスセンター所有車両の中から選択することになる。車両は現行の全ポルシェ、中には911GT3も用意される予定というから、これを利用して気になる最新ポルシェを存分に試してみるのもいいかもしれない。1回の走行は90分で、時間内なら好きなコースを何度でも走れる。隣にインストラクターが同乗し、的確なアドバイスがもらえるのでドラテク向上にもおすすめだ。
単独の自動車ブランドがこのようなユーザー向けの大規模なドライビング体験施設を作るのは日本でも初めてのこと。ただ売るだけではなく、ポルシェの世界をユーザー、そしてそれ以外の多くの人とも共有する。「ポルシェ・エクスペリエンスセンター東京」はそんなポルシェの哲学が結実した施設だと言えるだろう。
REPORT/永田元輔(Gensuke NAGATA)
PHOTO/市 健治(Kenji ICHI)、ポルシェジャパン
MAGAZINE/GENROQ 2021年 12月号
【概要】
ポルシェ・エクスペリエンスセンター東京
住所:千葉県木更津市伊豆島字中ノ台1148-1
URL:https://porsche-experiencecenter-tokyo.jp/
【ドライビングプログラム予約サイト】
URL:https://porsche-experiencecenter-tokyo.jp/login
※プログラム予約には会員登録が必要
【問い合わせ】
ポルシェ コンタクト
TEL 0120-846-911
【関連リンク】
・ポルシェ 公式サイト
http://www.porsche.com/japan/