キュートな電動クロスオーバーSUV対決「MINI エースマン」「フィアット 600e」を比較

新時代のコンパクトEV「MINI エースマン」「フィアット 600e」のスペックと魅力度をチェック

都市型EVコンパクトSUVとして2024年に登場した「MINI エースマン」と「フィアット 600e 」。どちらも個性的なデザインと欧州Bセグメントカーらしい愛嬌あるキャラクターを持ったクルマだ。電動パワートレインを採用した両車の走行性能や価格の違いを比較してみよう。

MINI ACEMAN
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FIAT 600e

どちらもカッコかわいいエースマンと600e

最新の輸入コンパクトEV「MINI エースマン」「フィアット 600e」を比較してみよう。エースマンは従来のMINIらしいポップなシルエットは残しつつも、SUVらしいタフなデザインが取り入れられたブランド初のクロスオーバーEVとして登場した。

内装は、デジタル技術を全面に押し出したモダンなコクピットを採用しており、センターにはMINIらしい円形のOLEDディスプレイが配置され、最新のインフォテインメントシステムを搭載。さらにエコ素材を多用したインテリアは、環境意識の高さを感じさせる仕上がりだ。

対する「フィアット 600(セイチェント)」の名前と面影を残す600eは、エレガントでありながらも各所に愛らしい雰囲気が備わる。LEDで再現された半丸目のヘッドライトはもとより、ダッシュボードにはレトロな雰囲気のパネルがあしらわれ、カラーリングにも遊び心が感じられる。最新のデジタルディスプレイと直感的な操作が可能なインフォテインメントシステムを備え、伝統と最新技術を調和させた設計となっている。

ボディサイズ=全長4080mm×全幅1755mm×全高1515mm
ホイールベース=2605mm
車両重量=1740kg
タイヤサイズ=225/40R18(前後)

ボディサイズ=全長4200mm×全幅1780mm×全高1595mm
ホイールベース=2560mm
車両重量=1580kg
タイヤサイズ=215/55R18(前後)

スポーティな移動空間かリラックスした移動空間か

エースマンのパワートレインスペックは最高出力は218PS、最大トルクは330Nm、航続距離はWLTCモードで414kmに達する。MINIらしい軽快なハンドリングはEVでも健在で、クイックなステアリングと俊敏なレスポンスが特徴的だ。特に市街地での取り回しの良さと、モーターならではのスムーズでトルキーな加速が魅力となる。

対する600eのモータースペックは最高出力156PS、最大トルクは270Nmだ。動力性能ではエースマンに劣るが、航続距離では493kmと大きく上回る。

走行感に関しては、エースマンがMINIらしい俊敏なハンドリングを重視しているのに対し、600eはゆったりとした乗り味が特徴だ。どちらも都市型EVとして使い勝手には優れているが乗り味は異なる。ユーザーの好みによって最適な選択肢が変わるだろう。

駆動用バッテリーの種類=リチウムイオン電池
定格出力=65kW
最高出力=218PS/7000rpm
最大トルク=330Nm/50~4500rpm
トランスミッション=1速固定
駆動方式=FWD

駆動用バッテリーの種類=リチウムイオン電池
定格出力=62kW
最高出力=156PS/4070~7500rpm
最大トルク=270Nm/500~4060rpm
トランスミッション=1速固定
駆動方式=FWD

価格やスペックだけでは測れない魅力を放つ2台

どちらもコンパクトEVとしては価格は高めの設定だ。600eは「ラ・プリマ」のワングレード設定で585万円のワンプライス。対するエースマンのSEグレードは556万円からとなっている。エースマンはSEグレードの他に低出力版ともいえるEグレードがあるうえ、それぞれに「クラシックトリム」と上級仕様の「フェイヴァードトリム」の設定があり、スタートプライスは506万8000円からと600eよりも安価だ。

動力性能のスペックで優れるのはエースマンだが、長い航続距離による使い勝手で勝るのは600eとなる。しかし、この2台に限ってはスペックだけでは測れない魅力が備わっている。性能や価格などは気にせず、心惹かれる方を選ぶのがベストだ。

車両本体価格

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