フェラーリの“スペチアーレ”の系譜

フェラーリ ミュージアムが、2025年に用意した企画展は『Supercars』。1947年のフェラーリ創業以来、忘れがたい傑作を生み出してきた、フェラーリの創造的なプロセスを辿ることができる。
ピックアップされたのは、“スペチアーレ”と呼ばれる特別なスーパーカーたちだ。今も多くのファンを持つ「フェラーリ GTO」(1984年)、「フェラーリ F40」(1987年)、「フェラーリ F50」(1995年)、「エンツォ フェラーリ」(2002年)、「ラ フェラーリ」(2013年)の5台が勢揃いした。
今回、2024年10月に発表された最も新しいスペチアーレ「F80」の開発用プロトタイプが、初めて一般公開されることになった。カモフラージュ偽装が施された貴重なF80の開発用試験車両だけでなく、プレ生産用車両を経て、正式な市販モデルに至るまでのパーツも展示される。
デジタル化された貴重な資料を公開

実車と共に来場者を楽しませるのが、インタラクティブで多機能な5つのデジタルアイランドだろう。来場者はフェラーリ・アーカイブスが所蔵する、写真、ビデオ、図面、文書、出版物などを、デジタルディスプレイを通して楽しむことができる。それぞれのエリアでは、フェラーリがスペチアーレの開発に至った道程が明らかにされる。
デジタル化された貴重な資料に加えて、フェラーリ・ミュージアムとしては初めて、遊び心のあるアクティビティも展示に組み込まれた。様々なテーマで制作されたインタラクティブな体験により、来場者は没入感を持った1980年代から現在までの時間旅行を楽しむことができるという。
エンツォ・フェラーリ ミュージアムは設立以来、今も多くのフェラーリ・ファンを惹きつけており、1年あたりの新記録となる、来場者85万人を達成。フェラーリのワンオフモデルに焦点を当てた2024年の企画展『Ferrari One of a Kind』が人気を集めたことが、来場者増加につながったかたちだ。