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Pagani Utopia Roadster
タルガトップスタイルのオープンボディ

イタリアのスーパーカーブランド、パガーニ。創設者であるオラチオ・パガーニ率いるこの少量生産のメーカーは、最高峰の性能と工芸品とも呼べるほどの美しさを持つことで知られている。そのパガーニの最新作であるウトピアには昨年のペブルビーチでオープンモデルが発表されたが、その生産モデルがついに日本に上陸を果たした。
オープンとなるのは頭上部分のみで、いわゆるタルガトップのようなスタイル。重量増を避けるために開閉動作は手動だが、ルーフはカーボン製のため作業に特に力は必要ない。さすがに信号待ちの時に行うのは難しいが、その気になればクルマをちょっと路肩にとめて、ひとりでも脱着することができるだろう。
オープン化のボディ補強はいっさいなし




カーボンコンポジットのシャシーを持つウトピアは、設計段階からオープン化を想定していたために新たな補強などは必要なく、そのため車重はクーペと同じ1280kgに抑えられた。ルーフを閉じればクーペと変わらぬフォルムが現れるなど、オープン化によるネガはまったくない。純粋にオープンの楽しさがプラスされた1台だといえるだろう。
エンジンはクーペと同じくメルセデスAMGの手によるV型12気筒。排気量は5980ccでバンク角は定石の60度。ツインターボチャージャーで過給し、パワーは864PS、トルクは1100Nmを絞り出す。これにXtrac製の7速MTが備わるが、オプションで7速AMTを選ぶこともできる。駆動はもちろん後輪のみで、最高速度は350km/hでリミッターが作動する。
ステアリングはアルミの塊から削り出し




そしてパガーニといえば見逃せないのが、各部の芸術的な仕上がり。特にインテリアは革と金属という本物の素材を多用。アルミ製のステアリングは無垢の塊から削り出すという凝った手法で作られている。またメーターは基本的にアナログ式で、これが華麗な照明の効果もあり、実に華やかだ。ボディサイドの荷物入れに収まるバッグやヘッドレストにかけられ、持ち運びも可能なジャケットケースなどは、仕上がりの素晴らしさもさることながら、デザインも見事。細部に至るまでオラチオ・パガーニの芸術的センスが散りばめられており、もはやクルマの姿をした芸術作品ということもできそうだ。
創業者のオラチオ・パガーニは「このクルマは美しさ、職人技、そして細部への徹底的な研究の結果です。その細部へのこだわりは、私たちが日本から学んだものです」とコメント。日本には熱心なパガーニのファンが多いこともあり、アジアパシフィックでは日本を初めての発表の場に選んだのだという。
クーペの生産台数は90台だったが、このウトピア・ロードスターは130台の生産を予定。もちろんオーナーはすべて決定済みだという。



SPECIFICATIONS
パガーニ・ウトピア・ロードスター
ボディサイズ:全長4673×全幅2060×全高1165mm
ホイールベース:2796mm
車両重量:1280kg
エンジン:V型12気筒DOHCツインターボ
総排気量:5980cc
最高出力:635kW(864PS)/6000rpm
最大トルク:1100Nm(59.7kgm)/2800~5900rpm
トランスミッション:7速MT
駆動方式:RWD
サスペンション形式:FRダブルウイッシュボーン
ブレーキ:F&Rベンチレーテッドディスク(カーボンセラミック)
タイヤサイズ:F265/35R21 R325/30R22
パフォーマンス 最高速度:350km/h(リミッター作動)