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エヴァイヤオーナー限定のドライビングジャケット
ロータス初のピュアEVとして開発された「エヴァイヤ」は、130台のみがハンドビルドで組み上げられるスペシャルモデルだ。システム最高出力2000ps、システム最大トルク1700Nmを目標性能数値として掲げ、0-100km/h加速は3秒以下、ノルトシュライフェを7分フルでラップできるパフォーマンスを標榜する。すでにプロトタイプは世界中を巡回し内覧会に供されており、一部の限られた顧客に向けて限定的に公開されてきた。
そのエヴァイヤのオーナーだけが入手できるドライビングジャケットがある。手掛けたのは、英国サヴィル・ロウで200年以上の歴史を誇る老舗テーラー、ノートン&サンズ。「ロータスの哲学に則り、先進的な技術を駆使し、軽量で、パフォーマンスを重視した作り」が特徴であるという。
サヴィル・ロウならではのビスポーク仕立て
ノートン&サンズの設立は1821年。1860年にイギリス・ロンドンの中心部であるメイフェアのサヴィル・ロウ16番地に拠点を置いた老舗テーラーである。今回のドライビングジャケットにも、顧客ごとに採寸し、それをもとにマスターカッターが型紙をおこして仕立てあげていくというオーダースーツ同様の流儀を採用。もちろんカットも縫製も職人の手作業で行われる。
ジャケットの開発にあたっては、ノートン&サンズのデザインディレクター、パトリック・グラント、そしてロータスのデザインディレクター、ラッセル・カーが協力。エヴァイヤ、そしてロータスがレースで培ってきたヘリテージを念頭に置き、ジャケットのイメージを作り上げていった。結果、完成したのは、1970年代初頭のチーム・ロータスの面々が着用していたジャケットを彷彿させる一品。サーキットのピットレーンにいるコーリン・チャップマンやエマーソン・フィッティパルディ、マリオ・アンドレッティの姿を思い起こさせるものとなっている。
軽やかな生地はイタリアのロロ・ピアーナ製
メリノウールとナイロンを組み合わせたテクニカルなテキスタイルは、イタリアのロロ・ピアーナ製。とても軽く上質な肌合いで、優れた防水性能も備えている。また、ボタンやジッパーにもCobraxやRiriなど一流のメーカーのものを使用。
フロントのポケットを縁取る2本の赤いステッチは、エヴァイヤの“リボン”型テールライトをイメージ。襟元にはノートン&サンズが店舗を構えるサヴィル・ロウの番地を意味する「16」の数字が刺繍されている。また、脇の下にはベンチレーションとして3つのアイレットを採用。これはロータス エラン 1600の三連テールライトに着想を得たデザインであるという。
エヴァイヤのキーに合わせたポケットも装備
細かく穴のあいたニット地のライニングは通気性はもちろん軽量化にも貢献。さらに、エヴァイヤのキーにぴったりフィットするサイズの内ポケットも備えている。また、ラベル部分の刺繍にはロータス及びノートン&サンズのロゴに加えて、エヴァイヤのシルエットも。これは、エヴァイヤのエクステリアデザインを監修したアンソニー・ブッシェルのスケッチを元にしたものだ。
エヴァイヤのオーナーであれば、誰もがサヴィル・ロウ16番地でノートン&サンズのビスポークサービスを受けることができる。ちなみに、今回ドライビングジャケットのデザインに協力したノートン&サンズのパトリック・グラント自身も、根っからのロータスファン。ジェームズ・ボンドが乗り、F1で活躍するロータスの姿を子供の頃からずっと見続けてきた彼自身が、ロータスのヘリテージに触れ、1960〜70年代をイメージしたアイテムをデザインできることは大変な挑戦であり、心震える経験であったという。