7代目SクラスのPHVは電気で100km走行可能

メルセデス・ベンツの新型SクラスにPHVが登場! S 580 eはビジネスユースに最適な選択肢か

新型メルセデス・ベンツ SクラスのPHV仕様「S 580 e」。フロントビュー
新型メルセデス・ベンツ SクラスのPHV仕様「S 580 e」。フロントビュー。
7代目となる新型Sクラスに、プラグインハイブリッド仕様の「S 580 e」が加わった。3.0リッター直列6気筒ガソリンにモーターを組み合わせ、EVモードでの航続距離はおよそ100kmを実現。ホイールベースもショート/ロングの両方を揃えるなど、ビジネスシーンも強く意識したフルサイズのPHVサルーンといえる。

Mercedes-Benz S 580 e

ガソリンを使わず100km走れるSクラス

新型メルセデス・ベンツ SクラスのPHV仕様「S 580 e」。リヤビュー
新型メルセデス・ベンツ SクラスのPHV仕様「S 580 e」がドイツ本国に登場した。電気だけで100kmの走行が可能。

メルセデス・ベンツは2021年7月21日に、ドイツ本国で新型Sクラスのプラグインハイブリッド仕様「S 580 e」を発売した。ホイールベースはショート/ロング両方から選ぶことができ、車両価格は12万3736ユーロ(約1600万円)から。

S 580 eは、最高出力367hp/5500〜6100rpm、最大トルク500Nm/1600〜4500rpmを発生する3.0リッター直列6気筒ガソリンエンジン(M256型)に、159hp/480Nmを瞬時に発揮するモーターを組み合わせる。システム総合でのパフォーマンスは510ps/750Nmにのぼるという。EVモードでの航続距離も、WLTPモードで94〜113kmと余裕がある。

マイバッハと共通の後席用アメニティを設定

新型メルセデス・ベンツ SクラスのPHV仕様「S 580 e」。リヤシート
新型メルセデス・ベンツ SクラスのPHV仕様「S 580 e」のリヤシート。ジェスチャーコントロール機能や、シートベルトフィーダーなどの快適装備をオプション設定した。

バッテリーの配置を最適化することで、荷室フロアから無駄な出っ張りを排除。トランクスルーにも対応するなど、内燃機関同等の使い勝手を確保している。充電は11kW(AC)/60kW(DC)に対応しており、急速充電なら約30分でバッテリーを満タンにすることが可能だ。

同時に、先般発表されたメルセデス・マイバッハ Sクラスに準ずる最新の後席向け快適機能も設定。「リヤ用MBUX インテリア アシスタント」を選択すれば、後席乗員の有無を車両が自動検知。乗員がいる、と判断すればヘッドレストが自動的に展開する。ジェスチャーコントロールにも対応しており、乗員の手の動きをセンサーが読み取り、サンシェードやサンルーフの開閉を行うという。自動シートベルトフィーダーも選択可能とした。

「ウィークデイは電気のみ」という使い方も

新型メルセデス・ベンツ SクラスのPHV仕様「S 580 e」。フロントビュー
新型メルセデス・ベンツ SクラスのPHV仕様「S 580 e」は約30分でバッテリーをチャージ。バッテリー搭載位置も工夫することで、荷室にも内燃機関モデル同等の空間を確保している。

7代目となる新型Sクラスは、「世界初のリヤシート用フロントエアバッグ」や“裸眼で3D”を実現した立体視デジタルメーター、現実世界とバーチャルを一体化したARナビゲーションといった最先端テクノロジーを採用。技術のショウケースたる先進セダンとして色々な“新”を満載して登場した。

日本では2021年1月28日に販売をスタートしており、現在は3.0リッター直6ディーゼルターボ、及び3.0リッター直6ガソリンターボ+ISGの2種類のパワートレインをラインナップする。プラグインハイブリッド仕様「S 580 e」の日本への導入に時期については現時点で未定だが、近距離の通勤であればウィークデイならガソリンを一滴も費やすことなく使うことができ(しかもEVモードならより静かだ)、万一の際も頼れる内燃機関でカバーできるとあれば、ビジネスユースにはもってこいの存在となるのではないだろうか。

 

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著者プロフィール

三代やよい 近影

三代やよい

東京生まれ。青山学院女子短期大学英米文学科卒業後、自動車メーカー広報部勤務。編集プロダクション…