目次
Bentley Flying Spur S
それぞれのキャラクターはますます明確に
フライングスパーは、自らハンドルを握るドライバーのためのクルマでありながら、妥協を排した快適な乗り心地が長年評価されてきた。先にデビューした「コンチネンタルGT S/GTC S」と同様にドライブする喜びを追求しながらも、パワートレインに「フライングスパー S」は4.0リッターV型8気筒エンジンに加えて、2.9リッターV型6気筒プラグインハイブリッドも用意する。
フライングスパーに「S」モデルが加わったことで、シリーズ各モデルの特徴がより明確になった。快適性を重視するカスタマーには「ウェルビーイング・ビハインド・ザ・ホイール」のコンセプトを掲げる「フライングスパー アズール」、五感を刺激するドライビングを体験したいカスタマーには「フライングスパー S」という選択肢があるという訳だ。
4.0リッターV8ツインターボと2.9リッターV6ツインターボPHEVを展開
フライングスパー Sは2種類のパワートレインが用意された。どちらのパワートレインも巧みなエンジニアリングを通し、ベントレーの代名詞であるエフォートレスなパフォーマンスを損なわずに、満足度の高いスポーティなドライビングを実現した。
4.0リッターV型8気筒ツインターボ搭載モデルは、最高出力550ps、最大トルク770Nmを発揮し、0-100km/h加速わずか4.0秒、最高速度は198mph(約318km/h)の瞬足を誇る。V8モデルは「ベントレーダイナミックライド」を標準装備。急カーブ時は、ベントレーダイナミックライドが0.3秒以内に最大1300Nmのアンチロールトルクを発生させ、ボディを水平かつ安定した状態にキープする。さらに、巡航時は左右ホイールをデカップリングすることによってスムーズかつしなやかな乗り心地を実現した。
「エレクトロニック・オールホイール・ステアリング」も標準装備。低速時にはこのシステムによって後輪が最大で 4.2度、前輪と逆方向に切られ、回転径が小さくなることで敏捷性が向上。高速走行時には後輪が前輪と同じ方向に操舵されるため、車線変更や追い越しの際の安定性が確保される。
街乗り中心や環境重視のドライバーには、プラグインハイブリッドモデルも用意される。2.9リッターV型6気筒ツインターボと電気モーターの組み合わせにより、システム最高出力544ps、最大トルク750Nmを発揮。フルEVモードでの航続距離は最長41km、1km当たりのCO2 排出量はわずか75g(WLTP)と、ベントレー史上最高の効率性を実現した。
V8搭載のフライングスパー Sは、スポーツエキゾーストの設計見直しにより、サウンドが向上。フライングスパーハイブリッド Sは、スポーツモード時のエンジンルーム内のサウンドにまでこだわり、キャラクターにマッチしたサウンドでドライバーの気分を盛り上げつつ、リヤキャビンの静粛性は維持された。
あえて輝きを抑えたシックなエクステリア
フライングスパー Sはどのエクステリアカラーを選んでも、ブラックのブライトウェアがスポーティなフォルムを演出。英国・クルー本社のデザインチームは、メタルパーツを減らすことでより低くワイドな印象を与えることに成功した。
グロスブラックのバンパーロワグリル、ダークティントのヘッドライトとテールライト、ブラックのクアッド・テールパイプフィニッシャー、フロントフェンダーの“S”バッジなどが、エクステリアを引き締める。また、グリルとサラウンドはブラックグロスで統一され、縦型のバーティカルベーンが配置された。トランクリッドに装着された「ウイングドB」バッジと“BENTLEY”ロゴのみが、ブライトクローム仕上げとなっている。
「S」モデルには完全新設計の22インチホイールを採用。Y字型5本スポークの仕上げは「グロスブラック」か、新登場の「ペールブロッガーサテン」からチョイスできる。グロスブラック仕上げとブライトマシニング仕上げを施した21インチトライスポークホイールも、「S」モデル専用として用意された。また、レッドにペイントされたブレーキキャリパーが標準で装備される。
走りを予感させるツートンカラーの室内
フライングスパー Sのインテリアは、パフォーマンスを予感させるツートンカラー・スプリットを選択。滑らかなレザーとソフトな起毛仕上げの「ダイナミカ」が組み合わせられた。美しい室内は、英国・クルー本社のレザーショップにおいて、ハンドクラフトされる。
スエード調の新素材「ダイナミカ」は、ヒーター付きステアリングホイール、シフトレバー、シートクッション、シートバックレストに配置。レザーハイドはシートボルスター、ドアパッド、インストゥルメントパネル周り、コンソール周りにも採用されている。
Sデザインのフルートシートはオプションで、キルティングも選択可能。各シートのヘッドレストには“S”のエンブレムが刺繍される。こちらは無償オプションで、ベントレーウイングの刺繍に変更することも可能だ。
インストゥルメントパネルはモータースポーツとゆかりの深いクロノメーターからインスピレーションを得たデザイン。コンチネンタル GT スピードと共通のグラフィックが採用された。フェイシアの金属製“S”バッジはインテリアにさりげないアクセントを加えている。イルミネーテッドトレッドプレートには“Bentley Motors Ltd”の代わりに“S”のデザインが刻まれた。
2022年のグッドウッドにてワールドプレミア
新たな「S」シリーズは、6月23~26日に英国で開催される「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」においてワールドプレミアが決まっている。今回、フライングスパー S、コンチネンタルGT S、コンチネンタルGTC Sが「ファーストグランス」クラスとしてヒルクライムに登場し、イベント開催中はパドックにも展示される。貴重なレーシングカーをはじめ、新旧ベントレーも併せて公開される予定だ。