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Morgan Plus Four
2台のレース車両を大学と連携して製造
モーガンは2020年3月にリリースした新型プラス フォーの、サーキット用車両を2台発表した。これは同社のCSR活動(企業の社会的責任)の一環として作られたもので、クルマづくりを学びつつ働くことのできるアプレンティスシップ(職業実習訓練制度)のもと、学生らにより製造された。
プラス フォーのサーキット用車両の製作に関わったのは、英国のウォルヴァーハンプトン大学。UWRと呼ぶレーシングチームをもつ同校は、プラス フォーのレース仕様を仕立てるためにモーガンと技術的な協力関係を5年間にわたりしっかりと築きあげてきた。
プラットフォームの重量は100kg以下
アルミ接着プラットフォーム「CXジェネレーション」をベースにしたモーガンに、レース仕様が誕生したのは今回が初めて。CXジェネレーションは、6気筒エンジンを積む「プラス シックス」とも共用するモーガンの新しいプラットフォームで、従来のスチールラダーシャシーよりも剛性を高めながら重量はわずか97kgという驚異的な軽量さを誇る。
その最新プラットフォームにBMW製2.0リッター直列4気筒ガソリンターボエンジン(B48型)を搭載し、足まわりには前後ダブルウィッシュボーンサスペンションを組み合わせたモーガンの最新スポーツカー、プラス フォーのポテンシャルを存分に活かすべく作られたのが、2台のレース仕様車両だ。
マニュアルとオートマティックの両方を用意
2台のコンペティションモデルは、スプリント、及び耐久レース用として開発された。2021年シーズンのモーガン チャレンジにも参戦を予定している。製造に参画したUWRチームは今後レースに帯同し、車両やドライバーのサポートに携わりながら、学生たちのモータースポーツと自動車エンジニアリングスキルに磨きをかけていく。
2台の車両はいずれも公道走行可能な仕様となっており、マニュアルトランスミッションとオートマティックトランスミッションの両方を用意。今後は、プロのレーシングドライバーによるテストドライブを経て、イベントでのデモンストレーションランなどにも供される予定であるという。
カスタマーレース用車両の受注生産も
モーガン モーター カンパニーのスティーブ・モリスCEOは次のようにコメントしている。
「我々が長く培ってきたモータースポーツの伝統を継承する、モーガン プラス フォーのレース仕様をここに送り出すことができて、とても嬉しく思っています。いまから1世紀前、モーガンのスリーホイーラーはトライアルやヒルクライム、耐久レースなどの功績で名声を博しました。この闘う精神はいまも健在で、このピッカースレイ ロードのファクトリーに息づいています。今回のプログラムは現在進行形で行われているプロダクトの開発にも恩恵をもたらすものです。そして、次世代の自動車業界を担う才能を掘り起こすためにウォルヴァーハンプトン大学と継続的に連携できることは大変喜ばしいことだと考えています」
いま、全てのモーガンスポーツカーは、モーガン・モーター・カンパニーの本拠地である英国ウスターシャーのマルヴァーンにて、手作りのアッシュフレーム、手で打ち延ばされるアルミパネル、手作業でトリムされたレザーインテリアなど、ハンドビルドにより生産されている。今回のレース仕様は2台のみ製造されたが、モーガンは「カスタマーレース用車両の受注生産も可能」という。