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テレワーク時代にこそ最適
シンプルな製品なのに、使ってみると極めて心地よい。その上、価格もリーズナブル。実は知られていない良品はたくさん存在する。今回の製品もそんな良いアイテムのひとつだ。
「スクリーンバー」はLEDを並べたバーをPCやMacのディスプレイ上に設置し、手元を適度に照らしてくれるアイテムだ。シェードの設計で画質への影響を抑え、ユーザーの目に直接、眩しい光が飛び込まないよう工夫しているところがポイント。僕の場合は27インチiMac上に設置しているが、テレワーク機会の増加で外部ディスプレイをノートPCに接続している、あるいはデスクトップPCを購入した方も多いはず。本当にそんな商品が必要かと思う読者もいるだろう。その気持ちはよくわかる。ところがこの製品、使い始めるとやめられない。
手元の資料や写真を見るとき、机上が明るいといいとは誰もが思うだろうが、一般的なデスクスタンドでは画面に光が映り込んだり、直接映り込まなくともコントラストが下がったりと光源の位置に制約が出てくる。ところが、コイツは最初から画面の上に設置するため、そうした映り込みやコントラストの低下が起きないように設計されているのだ。さらに商品名に“Plus”と書かれた今回の製品は、ダイヤルコントローラで色温度や明るさを自在に操作できる。このコントローラの操作感もなかなか優れているが、コントローラに内蔵された照度センサーを使った自動調光モードに設定すると、周囲の明るさに応じて手元の明るさを適切に自動制御してくれる。
高演色でいつもより鮮やかに
と、これで終わりではない。本製品は色温度が異なる2種類の白色LEDを組み合わせて光源にしている。なぜそんな凝ったことをしているかというと“演色性能”を高めるためだ。演色性能とは目が捉えることができる光の周波数全体を見渡したとき、どれだけ均質にその間の光を出せるかという指標のようなものだ。太陽光を100として表現するが、写真や絵画などの展示に使うような高演色ライトでも97程度。一般的な家庭向けLED電球の場合、高演色が謳われていないと87程度のものが多い。その中で本機の演色性能は96とかなり高い。
演色性能が高くなると、様々な色が艶やかに見え始める。自分自身の手の色でさえ血色の良いピンク色に感じるが、写真や雑誌などを眺める際にも自然な見え味になる。実はLEDライトの中には粗悪な製品も多く、どこかくすんだ色合いに感じられることも少なくない。手元にあるいろんなものが艶やかに見えと気持ちよく仕事ができるが、ちょっとした小物を撮影する際、デスクトップを片付けて写真を撮ってみると、いつもより鮮やかな写りになることに気づくはず。
類似品に手を出さない
本製品が少しずつ知られるようになってから、類似品が多く登場しているが、取り付け部の構造や明るさ、演色性能などはダントツ。初耳という人もいるだろうが、BenQというブランドは、もともと高級液晶ディスプレイから始まっている。画質を落とさずに照明環境の改善をしようという本来のコンセプトを活かしたいなら、類似品には手を出さないことを勧めておく。
REPORT/本田雅一(Masakazu HONDA)
PHOTO/小林邦寿(Kunihisa KOBAYASHI)
MAGAZINE/GENROQ 2021年 11月号
PRICE
1万5900円
評価
LEDデスク照明にはもっと安価な製品がたくさんあるが、邪魔にならず、画面に映り込まず、しかも演色性能が高いとくれば、他製品を選ぶ理由はない。さすが元祖なだけはある。
コストパフォーマンス:3
演色性能:4
機能:4
明るさ:4
設置の容易さ:5
【問い合わせ】
BenQテクニカルサポートセンター
TEL 0570-015-533
https://www.benq.com