史上最強「フォード マスタング GTD」2024年後半にも生産を開始

最高出力800PS超の「フォード マスタング GTD」は公道走行可能なGT3レーシングカー【動画】

公道走行可能なGT3マシンとして開発された「フォード マスタング GTD」のエクステリア。
カーボンファイバーをふんだんに仕様したスパルタンなフォルムを纏った「フォード マスタング GTD」。公道走行可能なGT3マシンとして開発された。
フォードは、レーシングカーのマスタング GT3と同時開発されたハイパフォーマンス仕様「マスタング GTD」を発表した。マスタング GTDは、フォード・フラットロック組立工場で製造後、カナダ・マーカムのマルチマティックへと送られ、ハンドメイドで専用装備を装着。予定価格は30万ドルとなっており、2024年後半から2025年前半にかけて販売される予定だ。

Ford Mustang GTD

公道走行可能なレーシングカーとして開発

公道走行可能なGT3マシンとして開発された「フォード マスタング GTD」のテストシーン。
フォードは、レースプログラムのパートナーであるマルチマティックと協力し、公道走行可能なレーシングカーとして「マスタング GTD」を開発した。

ミシガン州アレンパークにある風洞施設の裏にあるガレージの奥深く、2021年に計画段階では実現は不可能と思われていた新たなミッションのために、ひと握りの開発スタッフが集結した。その2年後、マスタング史上最強・最速に君臨する、公道走行可能な限定ハイパフォーマンスモデル「マスタング GTD」がついにベールを脱いだ。

マスタング GTDは、2024年シーズンのル・マン24時間レースへの参戦を予定している「マスタング GT3」からインスパイアされたエクステリアとテクニカルスペックを持ち、マスタングの名に恥じないパフォーマンスが与えられた。

今回、フォード、フォード・パフォーマンス、マルチマティックは、史上最速のロードゴーイング・マスタングを目指して開発。   アクティブ・エアロダイナミクスによる驚異的なダウンフォース、先進のセミアクティブ・サスペンションによるシュアなハンドリング、カーボンセラミック・ブレーキによる圧倒的な静動力などにより、特にサーキットにおいて最高のパフォーマンスを発揮する。

最高出力800PSオーバーを発揮する5.2リッターV8

マスタング GTDに搭載されるのは、現時点で800PS以上のパワーを発揮する、5.2リッターV型8気筒スーパーチャージャー。
マスタング GTDに搭載されるのは、現時点で800PS以上のパワーを発揮する、5.2リッターV型8気筒スーパーチャージャー。トランクスペースには、セミアクティブ・サスペンション、油圧制御システム、トランスアクスル冷却システムが搭載される。

5.2リッターV型8気筒スーパーチャージャーは、現時点で最高出力800PSオーバーを発揮。今回、マスタング初となるドライサンプ・エンジンオイルシステムが採用された。軽量カーボンファイバー製ドライブシャフトと、リヤにマウントされた8速DCTによって、ほぼ50対50の重量配分を実現している。

トランクスペースには、セミアクティブ・サスペンション、油圧制御システム、トランスアクスル冷却システムが搭載される。この冷却システムのために、トランクリッドに代えてモータースポーツから着想を得た専用カバーが装着された。また、リヤウインドウからフレッシュエアを取り込むため、2基のエアスクープも採用されている。

フォード・モーターのジム・ファーリーCEOは、マスタング GTDについて次のようにコメントした。

「マスタング GTDは、スーパースポーツに対するあらゆる先入観を打ち砕きます。マスタング GTDは、マスタング GT3用のレーシング・テクノロジーをカーボンファイバー製マスタングのボディに搭載し、ストリート向けに開発しました。私たちはサーキット用市販車を開発したのではなく、公道走行可能なレーシングカーを作ったのです。これは私たちにとって新たなアプローチです」

IMSAの「GTD」クラスからネーミング

公道走行可能なGT3マシンとして開発された「フォード マスタング GTD」のエクステリア。
まるでレーシングカーのようなスタンスを持つマスタング GTD。そのネーミングは、マスタング GT3も参戦を予定している、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の「GTD」クラスから採られている。

マスタング GTDは、2024年シーズンのル・マン24時間レースに復帰を果たすレーシングカー「マスタング GT3」のコンセプトから生まれた市販仕様。レーシングカー、市販モデルによって構成されるマスタング・ファミリーの頂点に君臨するフラッグシップモデルとなる。「GTD」という名称は、FIA GT3レギュレーションを対象とするIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の「GTD」クラスから採られた。

「マスタング GTDは、我々にとってある意味で“挑戦状”のようなクルマです。私たちは、ライバルから注目を集めることに抵抗はありません。マスタング GTDでサーキットを走れば、他のどんなロードカーにも対抗できるからです」と、ファーリーCEOは胸を張る。

マスタング GTDは、マスタング GT3/マスタングGT4、そしてル・マン24時間レースでクラス優勝を果たしたフォード GTを開発したマルチマティックと共同開発。フォードが数十年にわたるモータースポーツ参戦を通じて培った、エンジニアリングの集大成と言えるだろう。

大型アクティブ・リヤウイングを装着

公道走行可能なGT3マシンとして開発された「フォード マスタング GTD」のエクステリア。
サーキット走行時に強力なダウンフォースを発生する油圧制御式アクティブ・リヤウイングは、Cピラーに装着されたスワンネックステーに取り付けられている。

マスタング GTDのエクステリアは、すべてが理由を持ってデザインされた。油圧制御式フロントフラップ、フロントスプリッター、エアインテーク付きボンネットフード、フェンダーに配置された大型アウトレット、Cピラーに取り付けられた油圧制御式アクティブ・リヤウイングに至るまで、すべてのコンポーネントがサーキット走行時にその効果を発揮する。

カーボンファイバー製ボディパネルを多用することで、軽量化、低重心化、応答性の向上を実現。フェンダー、ボンネット、トランクリッドカバー、ドアシル、フロントスプリッター、リヤディフューザー、ルーフもすべてカーボンファイバー製となり、オプションでカーボンファイバー製フロント/リヤ・フェイシアも用意される。

フォードのチーフ・プログラム・エンジニアを務めるグレッグ・グドールは、マスタング GTDのターゲットとして、ニュルブルクリンク・ノルドシュライフェでの7分を切るラップタイムを挙げた。

「すべてのハードウェアは、驚異的なラップタイム性能を実現するために慎重に選択され、開発されました。このプロジェクトの目標は明確で、ニュルブルクリンク・ノルドシュライフェで7分を切ること。これにより、フォード史上最速のロードゴーイング・マスタングが誕生します」

フォード マスタング GTDを動画でチェック!

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