ロータス初のフル電動SUV「エレトレ」が日本に上陸

日本上陸を果たしたロータス初のフル電動SUV「エレトレ」は「2332万円から」「905PS仕様も」など話題多数

大胆なデザインのグリルから採り入れたエアはボンネットの2つのダクトから排出される。ドアミラーはカメラ式も選択可能。
大胆なデザインのグリルから採り入れたエアはボンネットの2つのダクトから排出される。ドアミラーはカメラ式も選択可能。
ライトウェイトスポーツカーブランドとしてカルト的な人気を誇るロータス初のSUV「エレトレ」が日本上陸を果たした。ロータスは、今後BEV専門メーカーとなることを宣言している通り、このエレトレもフル電動SUVである。

Lotus Eletre

受け継がれたロータスのダイナミクスDNA

ロータス初のBEVであり、初のSUVであるエレトレが日本に上陸し、正式発表された。創業以来75年、軽量なスポーツカーに特化したブランドとして認知されてきたロータスだが、今後はBEV専門メーカーとなることを宣言しており、このエレトレはその第一弾となるピュア・エレクトリック・パフォーマンスSUVだ。

SUVと言ってもロータスのダイナミクスDNAはしっかりと受け継がれ、動的パフォーマンスやハンドリングやエアロダイナミクスはロータスの知見が注ぎ込まれており、乗れば誰もがロータスのクルマであると確信できるという。

プラットフォームはBEV専用設計のEPA(Electric Premium Architecture)で、プラットフォーム全体の43%、ボディ構造全体の50.7%がアルミニウムで構成されている。バッテリーはフロア下に搭載されており、800V充電システムに対応。バッテリー容量は112kWhで、満充電で最大600kmの航続距離を実現している。

最強グレードは905PS、985Nmを発揮

モーターはフロントとリヤに2基搭載され、ロータス初のAWD。エレトレとエレトレSは最高出力603PS、最大トルク710Nmを発揮し、0-100km/h加速は4.5秒、最強グレードのエレトレRは905PS、985Nmというスペックで0-100km/h加速をなんと2.95秒で駆け抜けるという。

ボディサイズは全長5103mm、全幅2002mm、全高1630mm。ホイールベースも3019mmあり、もちろん過去を含めてロータス最大だ。非常にアグレッシブなデザインのグリルの下部にはアクティブフロントグリルが備わる。これはモーターやブレーキへの冷却風が必要な時に、通常は閉じている三角形のフラップが開いてエアを採り入れるという、デザインと機能を両立させたものだ。

リヤのサイドにはエヴァイヤにインスパイアされたヴェンチュリーダクトが大きく口を開け、見る者に強烈なインパクトを与える。ルーフのカーボン製アクティブリヤスポイラーは速度やドライブモードの設定などに応じて18°/32°/34°の3段階のポジションに可変し、34°の時はエアロブレーキの役割も果たす。

グローバルなハイパフォーマンスカーブランドに向けて

インテリアは最先端のデジタルコクピットで、Lotus Hyper OSにより車両と対話するようにコントロールができる。助手席の前や後席にもタッチスクリーンがあり、メディアやシート、空調のコントロールが行える。フロアトンネルのない室内は広大で、通常は5名のシートを備え、オプションで後席が独立した4名仕様も選択できるという。

車体には4つの展開式ライダー、6つのレーダー、7つのカメラ、12の超音波センサーが搭載されており、1秒間に500兆回の演算能力で最先端のADASを可能とレベル4の自律走行を可能としている。またロックされた車内に取り残された子供やペットを守る機能も搭載されている。

あらゆる点で従来のロータスの概念を打ち破るエレトレ。それは巨大なSUV市場への参入というだけでなく、少量生産のニッチなスポーツカーブランドであったロータスが、グローバルなハイパフォーマンスカーブランドに生まれ変わろうとしていることを表している。

年間販売台数2000台を目指す日本市場

ロータスは現在日本で9つの正規ディーラーを展開しているが、これを20ヵ所に増やし、2027年には年間2000台の販売を目指すという。2002年に設立された正規輸入元であるLCIの販売台数が20年間で約5000台であったことを考えれば、ほぼ10倍増に近い。ロータスは今後5年間でスポーツカーも含めさらに3台の新型BEVを投入する予定だから、その数字も非現実的なものではなさそうだ。

グレードはエレトレ、エレトレS、エレトレRの3種類で、まずはエレトレSとエレトレRから導入される。価格はエレトレSが2332万円、エレトレRが2585万円。日本仕様の上陸は2024年1月で、2024年夏頃には全国のディーラーに試乗車が用意される予定だという。

車両本体価格

エレトレS 2332万円
エレトレR 2585万円

SPECIFICATIONS

ロータス・エレトレR

ボディサイズ:全長:5103×全幅2002×全高1636mm
ホイールベース:3019mm
車両重量:2640kg
モーター:最高出力:675kW(918PS)最大トルク:985Nm(42.8kgm)
トランスミッション:2速
駆動方式:AWD
サスペンション形式:FRマルチリンク
ブレーキ:F&Rベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ:F275/40R22 R315/35R22
0→100km/h加速:2.95秒
最高速度:265km/h
価格:2585万円

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著者プロフィール

永田元輔 近影

永田元輔

『GENROQ』編集長。古典的ジャイアンツファン。卵焼きが好き。愛車は993型ポルシェ911。カメラはキヤノン。