カルマー・オートモーティブが996型ベースの全天候型911を発表

タイプ996ベースの「カルマー RS-6」はリーズナブルなアドベンチャー系「ポルシェ 911」?

ラリーカーをイメージし、あらゆる路面における走破性能が与えられた「カルマーRS-6」。
デンマークを拠点とするカルマー・オートモーティブが、フィンランドのラップランドで開催された雪上イベントにおいて、996ベースの「カルマー RS-6」を発表した。
デンマークを拠点に、ポルシェのコンバージョン仕様を製造する「カルマー・オートモーティブ(Kalmar Automotive)」は、ポルシェ911のタイプ996をベースに開発されたアドベンチャーモデル「カルマー RS-6」を発表した。RS-6はフィンランドの北極圏で開催されたスペシャルイベント「カルマー・スピリット・オブ・スピード(KALMAR Spirit of Speed)」で初披露されている。

KALMAR RS-6

ラリーカーをイメージした走破性能

ラリーカーをイメージし、あらゆる路面における走破性能が与えられた「カルマーRS-6」。
カルマー RS6は比較的手頃な価格で流通している996をベースに、ラリーカーをイメージした悪路走破性能が与えられた。

カルマー・オートモーティブは、デンマークのヤン・カルマーによって設立され、オーダーメイドのスポーツカーや特殊用途のアドベンチャーカーの製造/レストアを行う新興コーチビルダー。今回、同社としては初となる水冷ポルシェ 911(996)ベースの「カルマー RS-6」を開発した。RS-6はクラシカルなスポーツカーの限界に挑戦するべく、最新のコンポーネントが導入されたタフな全天候型911となる。

「RS」は、「ラリースペシャル(Rally Special)」を意味し、タイプ996のポルシェ 911をドナーカーとして製造。マーケットでは空冷ボクサー6を搭載する「964」と「993」の価格が高騰するなか、RS-6は996をベースに選んだことで、空冷モデルと同様の高いレベルの実用性、操作性、ドライビングダイナミクスを維持しながら、抜群の走行性能とリーズナブルな価格を実現した。

カルマー・オートモーティブは、12ヵ月に及ぶRS-6のテストプログラムを実施。重量1440kgのRS-6は、雪上路面だけでなく、トリッキーなワインディングロードや、砂漠横断すら可能な走行性能が与えられた。

オフロード用に専用設計されたシャシー

ラリーカーをイメージし、あらゆる路面における走破性能が与えられた「カルマーRS-6」。
車高は80mm引き上げられ、足まわりには専用開発されたショックアブソーバーを採用するなど、シャシーは大幅に強化された。

RS-6は、すべてのコンポーネントのオーダーメイドが可能であり、個々のカスタマーが持つイマジネーションを完全に実現する。心臓部にはオリジナルの3.4リッター水平対向6気筒エンジンを搭載。RS-6 は、タイプ996の「カレラ 2」「カレラ 4」「911 ターボ」をベースとし、左ハンドル/右ハンドル、6速MT/ATが選択可能となっている。

標準仕様の最高出力300PSから、500PSをはるかに超える出力まで引き上げるチューニング・オプションメニューも用意。トラクションアップを目的に専用開発されたリミテッド・スリップ・ディファレンシャル(LSD)はすべての仕様で標準搭載される。

車高は80mm引き上げられ、第2世代のカイエンに匹敵する210mmの地上高を実現。カルマー・オートモーティブが開発した調整式ショックアブソーバー、専用スプリングセットとトップマウント、ロールセンター調整式サブフレームキット、ブッシュ、アップグレードされたドライブシャフト、ストラットブレースなどを導入したことで、あらゆる悪路に対応可能なシャシーが完成した。

ラリーカーを思わせるタフなエクステリア

ジェリー缶(燃料缶)とスペアホイールキャリアから構成された「ルーフマウント・サバイバルキット」。
ルーフにはサファリ・ラリーを走る911 ラリーをイメージした「ルーフマウント・サバイバルキット」を装着することができる。

RS-6は標準パッケージで5~8mm厚のアンダーボディプロテクションを採用し、水冷システム用にフロントマウントシールドを追加。リヤバンパーに装着された高剛性クロストウバーは、より強力な牽引フックとしても機能する。

さらに過酷なスタイルを求めるカスタマーは、ジェリ缶(燃料缶)とスペアタイヤ・キャリアから構成された「ルーフマウント・サバイバルキット」と、高出力補助LEDライトバーを装着することが可能。自由にデザイン可能な特注リバリーも用意されており、自分自身のRS-6を唯一無二の存在に仕上げることもできる。

足元には軽量16インチアルミホイールを装着。発表時は世界ラリー選手権(WRC)スタイルのミシュラン製スパイク付きウインタータイヤが組み合わされた。

不要な装備を除いたスパルタンなコクピット

ラリーカーをイメージし、あらゆる路面における走破性能が与えられた「カルマーRS-6」のコクピット。
スパルタンな印象のコクピットは、軽量化のため、トリムや消音材など、必要のないコンポーネントはすべて取り除かれている。

インテリアは、軽量化と耐久性の向上をターゲットにアップデート。トリムや消音材など、必要のないコンポーネントはすべて取り除かれ、目的に応じたアップグレードが施されている。レカロ製スポーツシートをを採用し、レース用ロールケージを装着。フライ・オフ・ハンドブレーキ、トリップマスター・タイミング・システムなどの競技用装備もオプションで用意されており、オーナーはそれぞれのニーズに合わせてRS-6を作り上げることが可能だ。

カルマー・スピリット・オブ・スピードで行われた発表イベントにおいて、創設者兼オーナーであるヤン・カルマーは、次のようにコメントした。

「カルマー RS-6は、911はどこまであなたを遠くに連れて行けるかという、夢に挑戦するために設計・開発されました。996の流通台数が増えたこともあり、ドナーカーは比較的リーズナブルなコストで入手できます。私たちは、ポルシェでアドベンチャードライビングを楽しむため、RS-6を世界中のお客様にお届けする予定です」

RS-6シリーズの価格は税金とドナーカーの価格を含め、4万5000ユーロからとなっている。

かつてわれわれを虜にした911ターボ。その水冷ナローの最上級グレードが500万円から……。いろいろ想像させてくれるじゃないか。

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