僕が自腹で買った「マツダCX-60」3.3Lの直6を味わうのは今しかない!【2022 今年のクルマこの1台】

モータージャーナリストが2022年を振り返り、一番印象に残ったクルマを選ぶリレーコラム企画。新車紹介を中心に執筆する工藤貴宏氏が選んだクルマは、新規開発のFRプラットフォームに直6ディーゼルエンジンを組み合わせた「CX-60」でした。マツダ渾身の1台をどのように評価したのでしょうか。
TEXT:工藤貴宏(KUDO Takahiro) PHOTO:平野 陽(HIRANO Akio)

素直に「自分のためのクルマ選び」で考えてみた

マツダCX-60 全長×全幅×全高:4740mm×1890mm×1685mm、ホイールベース:2870mm

編集部からのお題は「2022、今年のクルマこの1台」。だけど、だけど一口に“今年のクルマ”といっても、自分の好みだけで選ぶのか、それとも人にお勧めするクルマなのか? 現実を考えての選択なのか、それとも妄想だけで進めちゃっていいのか? いろんな選び方がある。編集部によると「そのあたりは好きにして」ってことなので、ここでは現実路線かつ自分のためのクルマ選びってことで話を進めていこう。

ちょっと話はそれるけど、とある賞典でボクは2022年を代表するモデルとして「シビックe:HEV/シビック タイプR」を薦めた。それは与えられた選択肢のなかから「多くの人に勧められる1台」として選んだもの。でもこの記事では「あくまで個人的な観点で」ということにしたから、条件が違うことは先にお伝えしておこう。

とある賞典では「多くの人に勧められる1台」として選ぶとして「シビックe:HEV/シビック タイプR」を選んだ。

今のうちに直6エンジンを心ゆくまで味わっておこう

というわけで、ボクにとっての2022年の1台。それはどう考えたってマツダ「CX-60」に決まっている。
どうしてかって? それはもう新規開発のFRプラットフォームに直6ディーゼルエンジンを組み合わせたマツダ渾身の1台だから……っていうのはどうでもよくて、実際に自腹で(←ここ重要)購入したクルマだから。残価設定ローンかつ中古車相場高騰のおかげで前所有車の下取り査定がよかったから調子に乗って選んじゃったけど、450万円オーバーっていうのは新車購入における人生最高額を大きく更新。やったぜ!

3.3L直列6気筒ディーゼルターボ(231PS/500Nm)を搭載する。

でも、そうやって清水の舞台から飛び降りる決断をしたのも理由がある。「こんなクルマは今じゃないと乗れないかな」って思ったからだ。
だって、今どき排気量3.3Lの6気筒エンジンを新規開発するなんて常識では考えられないでしょ。その目的が単なる高出力化ではなくて燃費のため(選んだ非ハイブリッドモデルでもカタログ燃費は19.6km/L)とはいっても、モーターなしの6気筒エンジンなんて次の新車買い替え時(5年後以降)には新車で買えなくなっている可能性が高そう(燃費がいいから大丈夫かな……)。だからこそ、あえてのモーターなしで今乗っておくべき、直6のフィールを心ゆくまで味わっておくべきだと思って選んだのだ。

マツダの直6ディーゼル SKYACTIV-D3.3
INLINE6(直列6気筒)ディーゼルターボエンジンのエンブレム

というわけでボクのカーライフはしばらく、6気筒ディーゼルの上質なフィーリングを楽しむことになりそう。というわけで、マツダCX-60がボクの個人的2022年ベストです!
ただ、自動車税の請求書だけはヤバい。何としても妻には見られないようにしないと……。

非公開: 「IS500“F SPORT Performance”」大排気量NAエンジンを積むスポーツサルーンという希少性【2022 今年のクルマこの1台】

2022年は、ホンダ・シビック・タイプRでキマリかなと思っていたが、「IS500“F SPORT Performance First Edition”」に乗った瞬間に気持ちが大きく傾いた。RC F譲りの5.0L V8 NAエンジンを搭載し、改良を重ね剛性が強化されたボディをもつスポーツサルーンは、まさに熟成の極みに達している。車両本体価格900万円はバーゲンプライスといえるかもしれない。 TEXT&PHOTO:塚田勝弘(TSUKADA Katsuhiro)

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著者プロフィール

工藤 貴宏 近影

工藤 貴宏

自動車ライターとして生計を立てて暮らしている、単なるクルマ好き。

大学在学中の自動車雑誌編集部ア…