名車だからラインアップも当然? あの働き者の登場です! / トヨタ ハイエース / トミカ × リアルカー オールカタログ No113

発売から50年以上、半世紀を超えて支持される国産ダイキャストミニカーのスタンダードである『トミカ』と、自動車メディアとして戦前からの長い歴史を持つ『モーターファン』とのコラボレーションでお届けするトミカと実車の連載オールカタログ。あの『トミカ』の実車はどんなクルマ?
No.113 トヨタ ハイエース (サスペンション可動・希望小売価格550円・税込)

『トミカ』のNo.113は『トヨタ ハイエース』です。ハイエースはトヨタのキャブオーバー型商用車/乗用車で、1967年にデビューしました。もともとはトヨタの小型トラックであるトヨエースの小型版としてトラック型の車両が作られ、8か月後にワンボックス・ボディのワゴン型が登場しました。現在はトラック型は作られておらず、ワンボックス・ボディのモデルだけとなっています。

トヨタ 200系ハイエース実車フロントビュー(スーパーGL ワイドボディ 2WD 2800ディーゼル<オプション装着車>)(2017年モデル)*『トミカ』のモデル車両と同一規格ではありません。
トヨタ 200系ハイエース実車リヤビュー(スーパーGL ワイドボディ 2WD 2800ディーゼル<オプション装着車>)(2017年モデル)*『トミカ』のモデル車両と同一規格ではありません。

ハイエースは初代モデルから貨物車としての優秀な性能が高く評価されており、多くの企業で配送車や営業車、あるいは送迎バスなどとして幅広く用いられてきました。また、ハイエースはキャンピングカーのベース車などとしても重宝されています。加えてハイエースは日本のみならず、アジア、中近東、オセアニア、アフリカ、中南米など世界の国々で使用されています。

ハイエースは常に好評・好調のうちに代を重ね、2023年3月現在、海外では6代目にあたるH300系が最新現行モデルとなっていますが、国内最新の現行モデルは2004年にデビューした、5代目にあたるH200系です。このH200系は広い室内と高い衝突安全性能の確保、環境性能の向上を図るとともに、機能と美しさの融合を追求したデザイン、豊富なボディバリエーション、快適性・利便性を高める各種機能・装備の採用などにより、次世代の商用車の基準を追求しています。

200系ハイエースの荷室長はクラストップレベルの3000mmを確保している。(2013年モデル)

具体的には、室内空間と衝突安全性能の確保では、小型商用車4ナンバー枠(1トン積キャブオーバーバン)で荷室長をクラストップレベルの3,000mmとし、あわせてスクエアなボディ形状により広い荷室空間を確保しています。フロントノーズのクラッシャブルゾーン拡大、ボディ構造の見直し、新開発ステアリング&ブレーキペダル後退低減機構(回転式)の採用などにより、高い衝突安全性能を追求しています。

環境性能の向上では、ディーゼル車は『自動車NOx・PM法』に適合した、伸びのあるパワーとトルクを発揮する高性能なエンジンを新搭載したほか、ガソリン車は環境性能をさらに高めたエンジンを新搭載。パワーをダイレクトに伝えるフレックスロックアップ付4速オートマチックトランスミッションとの組み合わせで優れた燃費性能も実現し、ともに商用車でクラス初の『平成17年基準排出ガス50%低減レベル』を達成しています。

シンプルでワイド感のあるインパネなど、使いやすさ・見やすさを追求したインテリア。(スーパーGL 標準ボディ 2WD 2800ディーゼル<オプション装着車>/2017年モデル)

デザインでは、エクステリアはスクエアなフォルムの中に、張りのある面質、室内空間の広さを表現したおおらかなサイドウインドウ、塊感のあるフロント、切れのよいサイドキャラクターラインやホイールアーチにより力強さを表現。インテリアは、使いやすいスイッチ類と見やすいメーター類を配置した、シンプルでワイド感のあるツートーン配色のインストルメントパネルをはじめ、インパネシフトやステッキ式パーキングブレーキの採用によりサイドウォークスルーのしやすさを実現。また、フロントシートのシートバックにフラットマットを採用し、腰と背骨を面で支持しホールド性を向上させ、長時間のドライブでも疲れを軽減。使いやすさ・見やすさを追求し、シンプルな室内空間を演出しています。

ボディバリエーションは小型商用車4ナンバーサイズのロング・標準幅・標準ルーフの標準ボディ、ウェルキャブ用途や背の高い荷物の積載に適するロング・標準幅・ハイルーフ、10人乗りワゴンとして最適なロング・ワイド・ミドルルーフ、大きな荷物の積載が可能なバンから10人乗りワゴン~15人乗りコミューターまで揃ったスーパーロング・ワイド・ハイルーフの4種類が用意されています。

200系ハイエースは新エンジンの搭載で一段と優れた環境性能・燃費性能を実現している。(スーパーGL 標準ボディ 2WD 2800ディーゼル/2017年モデル)

快適性・利便性を高める各種機能・装備としては、ワイドマルチAVステーションII(GPS・CDボイスナビゲーション付)、音声ガイダンス機能付カラーバックガイドモニターをオプション設定しているほか、フロントフードを開閉可能にし、エンジン冷却水・ブレーキオイル・ウォッシャー液の点検・補充のメンテナンス性を大幅に向上。また、ビジネスツールなどを効率よく収納できる多彩なスペースを各所に確保しています。

さて、ひと口に200系ハイエースと言っても歴史が長いため、様々な改良が施されて現在まで進化発展してきています。ハイエース愛好家の間ではこの進化度合いに応じて型式分けがされています。最初に登場したものを1型(Ⅰ型)とし、2007年8月のマイナーチェンジで登場したものを2型(Ⅱ型)、1KD型ディーゼルエンジンを改良した2010年8月に登場したものを3型(Ⅲ型)、新エコカー減税に対応した2012年5月登場の物を3型後期(あるいは3.5型/Ⅲ型)、内外装ともにチェンジしてスタイリッシュな外観となった2013年12月登場の物を4型(Ⅳ型前期)、2017年11月に登場した安全面などの機能が進化した物を5型(あるいは4,5型/Ⅳ型後期)、2020年5月に登場した機能やデザインがブラッシュアップされた物を6型(あるいはⅣ型最終)、2022年4月に登場した最新型を一部の愛好家の間では7型と呼ばれます。

近年では商用車のハイエースと言えども、プリクラッシュセーフティなど安全装備の一段の充実がはかられている。(イメージ/2017年モデル)

さて、『トミカ』の『No.113 トヨタ ハイエース』は2019年3月に登場していることから4型(Ⅳ型前期)以後をモデル化しているのは確定的ですが、フロントガラスがプリクラッシュセーフティのカメラが付いた形状をしていることから、2017年11月のマイナーチェンジで登場した5型(あるいは4,5型/Ⅳ型後期)の標準ルーフ仕様車を再現しているものと思われます。

『No.113 トヨタ ハイエース』は実車の持つボクシーでシンプルな機能美を上手く再現しており、手元に置きたくなる1台です。また、実は2023年3月現在、『トミカ』では『No.58 グリコワゴン』、『No.79 トヨタ ハイメディック救急車』という2種類の200系ハイエースの仲間がラインアップされていますので、これらと一緒にコレクションするのも一興でしょう。

■トヨタ ハイエース バン 2WD スーパーGL ロング 標準幅 標準ルーフ 主要諸元(『トミカ』のモデル車両と同一規格ではありません)

全長×全幅×全高(mm):4695×1695×1980

ホイールベース(mm):2570

トレッド(前/後・mm) :1470/1465

車両重量(kg):1930

エンジン:1GD-FTV型直列4気筒ディーゼル

排気量(cc):2754

最高出力: 111kW(151ps)/3600rpm

最大トルク:300Nm(30.6kgm)/1000-3400rpm

トランスミッション:6速AT

サスペンション(前/後):ダブルウィッシュボーン/リーフリジッド

ブレーキ(前/後) :ベンチレーテッドディスク/ドラム タイヤ:(前後):195/80R15 107/105NLT

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