BMW/SUVの中でも若い世代を意識してスポーティさで展開する「BMW X2」。コンパクトなボディサイズは日本の日常生活にマッチする。エントリーモデルと言われる「X1」よりさらに小柄。特に立体駐車場も可能な全高はまさに日本向けと言える。乗り心地もデビュー時の硬めの印象から年月とともに程よく熟成されスポーティかつ快適。居住性も高く、ラゲッジルームの深い床下収納など高さや長尺のある荷物にも対応する大容量。MスポーツのSUVとして性能も使い勝手もユーザーの希望を満たしてくれる一台だろう。
REPORT:石井昌道(本文)//塚田勝弘(写真解説) PHOTO:平野 陽
街中で扱いやすいサイズ感 足元広く後席居住性も十二分
BMWブランドで唯一のFFベース・プラットフォームを採用した一台で、SUVとしてはX1に続く2作目となるX2。数字が偶数の場合はクーペスタイルとなるが、X4やX6に比べるとクーペ感が強くないのはコンパクトなボディと後席居住性を両立させた結果だ。
エクステリア
X1よりもボディサイズはコンパクトで、全長は80㎜短く、全幅は5㎜狭く、全高は65㎜低い。都市部で取り回しやす上に、日本の立体駐車場が使える全高1535㎜というのがポイントであり、X1との違いでもある。
インストルメントパネル
若者向けを意識しており、乗り味はかなりスポーティ。MINIで言われるゴーカートフィーリングよろしく、ステアリング操作に対してシャープに反応し、あまりロールを感じさせないのが特徴。BMWらしいスポーティさがあるのはいいのだが、乗り心地はそれ相応に硬めではある。初期モデルなどはその傾向が強かったが、年を追うごとにカドがとれてきた印象があり、最新の19インチタイヤ装着車ならばおおむね快適だ。
居住性
ガソリン車の「M35i」とディーゼルの「xDrive20d」が用意され、前者の方がパワフルでスポーティではあるが、後者でも駆け抜ける歓びは十分にある。むしろディーゼルでこんなに活発に走れることに驚くほどだ。
うれしい装備
「スポーツ」、「ECO PRO」など走行モードの切り替えが可能なほか、急な下り坂を一定速でクリアできるヒルディセントコントロールを用意。
トルコン付き8速スポーツATのステップトロニックは、パドルシフト付き。ステアリングから手を離さずマニュアル感覚でシフト操作が可能。
月間販売台数 NO DATA
現行型発表 18年4月(一部改良 21年4月)
WLTCモード燃費 14.5 ㎞/ℓ ※「xDrive20d M Sport X」
ラゲッジルーム
通常時
後列収納時
全長と全高を考えると、通常時470ℓ、最大時1355ℓの荷室容量を確保しているのは立派だ。タイヤハウスの張り出しを抑えた、スクエアな床面が広がる。BMWお馴染みの4対2対4分割可倒式で、4人乗車と長尺物の積載を両立する。
スポーツサスペンシンも装備されているのでハンドリングもいい。「M35i」が真価を発揮するのはMスポーツディファレンシャルが効果を発揮するほど攻めこんだときだ。
※本稿は、モーターファン別冊 ニューモデル速報 統括シリーズ Vol.153「2024 国産&輸入SUVのすべて」の再構成です。
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