日本じゃ買えないホンダのあのクルマも『トミカ』なら買える! トミカ × リアルカー オールカタログ / No.75 アキュラ インテグラ

発売から50年以上、半世紀を超えて支持される国産ダイキャストミニカーのスタンダードである『トミカ』と、自動車メディアとして戦前からの長い歴史を持つ『モーターファン』とのコラボレーションでお届けするトミカと実車の連載オールカタログ。あの『トミカ』の実車はどんなクルマ?
No.75 アキュラ インテグラ (サスペンション可動・希望小売価格550円・税込)
No.75 アキュラ インテグラ (初回特別仕様) (サスペンション可動・希望小売価格550円・税込)*初回のみの特別仕様(特別色)です。

2024年1月の第三土曜日に、それまでの『トミカ』のNo.75 アストンマーティン DBX』に代わって登場したのが『No. 75 アキュラ インテグラ』です。アキュラとは、日本の自動車メーカーであるホンダが主にアメリカやカナダの北米地区で展開している高級車のブランドで、1986年に立ち上げられました。北米ではホンダのブランドも展開されていますが、それよりも上級ブランドという位置づけになっています。

アキュラ インテグラ 実車フロントビュー(『トミカ』モデル車両と同一仕様ではありません)
アキュラ インテグラ 実車リヤビュー(『トミカ』モデル車両と同一仕様ではありません)

大雑把に言えば「このクルマは一般に売られている普通のホンダ車とは違った高級車ですよ」ということを示すために、主に北米で販売している高級車で名乗っているホンダの別名です。トヨタとレクサス、あるいは日産とインフィニティのような関係ですが、日本メーカーで高級車ブランドを立ち上げた第一号になります。

一方、インテグラは、当初はホンダのブランドで発売された乗用車です。1980年にデビューした小型乗用車『クイント』が1985年にフルモデルチェンジした際に、国内では『クイント インテグラ』の名前で販売され、アメリカでは翌1986年にアキュラ・ブランドで『インテグラ』の名前で販売されました。これがインテグラの初代モデルとされます。

アキュラ インテグラに搭載される新型の1.5ℓVTECターボエンジン、L15CA型。

1989年委デビューした2代目モデルから日本でも単に『インテグラ』という名前になりますが、この2代目モデルは初のVTECエンジン搭載車ということもあって大ヒットとなりました。以後、代を重ねて4代目モデルまで発売され、インテグラは2007年にひとまず販売を終了します。北米のアキュラ・ブランドでも4代目モデルから車名が『RSX』となったため、『インテグラ』という名前の車は一時的に姿を消すことになりました。

インテグラが復活するのは4代目モデルの生産終了から14年後の2021年のことで、まず、中国仕様がデビューしました。これが5代目モデルに数えられます。もともとインテグラはシャシーや部品を共用するなど、ホンダのシビックという乗用車と結びつきの強い車なので、2021年にデビューした11代目シビック(FL型)の4ドアセダン版のよりスポーティな姉妹車として登場しました。ただしこの中国仕様はアキュラからの発売ではありません。

この翌年に発売されたのが北米仕様のアキュラ インテグラで、中国仕様と同様に多くの部分を11代目シビックと共有するものの完全に同じというわけではなく、また、先行した中国仕様とも異なっています。

このように、アキュラ インテグラはややこしい背景を持った車ですが、2023年の『北米カー・オブ・ザ・イヤー』を受賞するなど、その性能やデザインは高く評価されています。

インテリアは単にスポーティなだけでなく、高品質な素材が用いられて上質な空間が演出されている。

先述のようにインテグラはシビックと結びつきが強い車ですが、細かな部分はかなり異なります。たとえばインテグラのエンジンはシビックのガソリン車と同じ1.5ℓで同じ系列ですが、出力やトルクはインテグラの方が大きくなっています。また、シビックでもトランスミッションはCVVTと6速MTが用意されていますが、インテグラのCVTはスポーティなパドルシフト付きになっています。シャシーにはスポーツチューニングが施されており、ボディも剛性が高められています。また、強力なブレーキや可変レシオステアリングも装備されています。

外観デザインは初代インテグラを強く意識したもので、スポーティでコンパクトなプロポーションが特徴です。インテリアに目を向けると、単にスポーティなだけでなく、高品質な素材が用いられた上質な空間が演出されています。ヒーター付きのフロントシートが標準装備されている点も特徴で、さらに運転席は8方向の調節が可能なパワーシートになっています。もちろん先進の安全装備や情報機器の搭載や対応も抜かりはあありません。

アキュラ インテグラには一部の装備などをさらに高級化させた、写真のような“Aスペック”という仕様があり、『トミカ』はそちらをモデル化していると思われる。

アメリカでは去る2023年6月に、さらに高性能な“タイプS”というグレードが発売され、『北米カー・オブ・ザ・イヤー』を受賞するなど躍進するアキュラ インテグラですが、ひとつ残念な点は、2024年1月現在、日本ではこの車を正規に販売する予定がないということでしょう。日本の自動車メーカーが開発したのに日本で買えない車は、実は意外と少なくありませんが、このアキュラ インテグラもそんな1台なのです。そういう意味でも、『No.75 アキュラ インテグラ』は、ぜひ入手したい『トミカ』と言えるかもしれません。ちなみに『トミカ』は『北米カー・オブ・ザ・イヤー』を受賞した2023年モデルで、フロントフェンダー脇と左リヤのエンブレムから、一部の装備がさらに高級化した“Aスペック・パッケージ”あるいは“Aスペック・パッケージ ウィズ テクノロジー・パッケージ”を再現しているものと思われます。

■アキュラ インテグラ(DE4型) “Aスペック・パッケージ” (2023年モデル)主要諸元(*『トミカ』のモデル車両と必ずしも同一ではありません)

全長×全幅×全高(mm):4719×1829×1410

ホイールベース(mm):2736

トレッド(前/後・mm) :1537/1565

車両重量(kg):1399

エンジン形式: L15CA型 VTEC直列4気筒ターボ

排気量(cc):1497

最高出力:149kW(203ps)/6000rpm

最大トルク:260Nm(26.5kgm)/5000rpm

トランスミッション:CVT

サスペンション(前/後):ストラット/マルチリンク

ブレーキ(前後) :ベンチレーテッドディスク/ディスク

タイヤ:(前後) 235/40R18

*諸元は一部、編集部にて独自に単位変換計算したものがありますことを、あらかじめお断りします。

■毎月第3土曜日はトミカの日!

No.102 トヨタ ヤリスクロス GR SPORT (サスペンション可動・希望小売価格550円・税込)

毎月第3土曜日は新しいトミカの発売日です。2024年1月の第3土曜日には、上でお伝えしているように、それまでの『No.75 アストンマーティン DBX』に代わってNo.75 アキュラ インテグラ』が登場します。なお、『No.75 アキュラ インテグラ』には、初回出荷のみの特別仕様(特別色)もあります。また、それまでの『No.102 日立建機 リジッドダンプトラック EH3500ACII』に代わって『No.102 トヨタ ヤリスクロス GR SPORT』が登場します。

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