“自転車の反則金制度”導入まであと2年、今のうちに知っておきたい違反と反則金の見込み額

2026年から自転車にも青キップによる、いわゆる「反則金制度」が実施されることになった。これにより、自転車を取り巻く環境はどのように変わるのだろうか。2026年の実施に向けて、自転車の青キップ導入の概要と、自転車の交通ルールを確認しておこう。

ついに自転車も青切符での交通取り締まりを導入! 実施は2026年から

クルマの交通違反でおなじみの「青キップ」は通称だ。正式名称は「交通反則告知書・免許保管証」という。免許制度がない自転車では書類名が変更されるかもしれない。

自転車へ「交通反則通告制度」を導入する内容の改正道路交通法が2024年5月に衆議院と参議院の両本会議で可決され、早ければ2026年までに青キップによる自転車の交通取り締まりが実施される予定だ。

自動車では1967年に「交通反則通告制度」が適用され、警察官から渡される違反キップと納付書にしたがって反則金を納めれば、それ以上違反について追求されない仕組みになっている。

一方、自転車の重大な交通違反は、現状即赤キップが交付され刑事事件として扱われる。起訴されて裁判で有罪になると、罰金刑もしくは懲役刑が科せられるうえ、犯罪歴(前科)もつくことになる。

とはいえ、起訴されるケースはごく一部で、よほど悪質な違反行為でなければ刑事罰を受けることはないのが実情だ。これまで幾度となく法改正が行われ、違反の厳罰化がなされてきたが、自転車の交通違反はほとんど野放しの状態と言えるだろう。

青キップでの取り締まりの対象となるのは16歳以上だ。16歳未満は自転車運転者講習など、引き続き年齢に応じた個別の違反処理が行われる。

2026年から実施される交通反則通告制度により、これまで赤キップで取り締まっていた違反のほとんどは青キップでの処理されることになる。これにより、いままで見逃されていた軽微な違反も摘発されることが多くなると予想される。

青キップによる取り締まりの対象となるのは16歳以上に限定され、自転車の運転に免許は不要であるため違反点数の累積はなく、反則金のみの罰則だ。酒酔い運転や妨害運転など重大な違反に関しては、これまでどおり赤キップが交付され刑事事件として処理される見通しとなっている。

【交通違反ごとの反則金の見込み額一覧】

自転車の反則行為は約110種類あり、加えて重大違反は約20種類も存在する。

代表的な自転車の交通違反を紹介していこう。具体的な反則金額はまだ決定されていないが、原動機付自転車(原付一種)と同程度になる見通しとのことだ。

違反名反則金目安
(現行の原付一種の反則金額)
信号無視6000円(赤信号)
5000円(点滅信号)
指定場所一時不停止5000円
通行区分違反
(右側通行・歩道通行など)
6000円
通行禁止違反5000円
遮断踏切立入り7000円
制動装置不良自転車運転6000円
公安委員会遵守事項違反
(傘さし運転・イヤホンの使用など)
5000円
無灯火5000円
定員外乗車(2人乗り)5000円
携帯電話使用等1万2000円

そのほか自転車でよくある違反は、歩道通行可能な場合に車道寄りを通行するルールに反する「歩道通行時の通行方法違反」や、並列走行時に適用される「軽車両の並進の禁止」などがある。

現制度ではどちらの違反も「2万円以下の罰金または科料」となっているが、これらは原付一種にはない違反項目だ。こういった細かな違反の反則金額はこれから制定が進められるだろう。

危険な自転車の「ながらスマホ」と「酒気帯び運転」の罰則はどうなる?

警察庁の資料によると、自転車関連死亡事故件数は減少傾向にあるが、事故で亡くなった人の約8割、ケガをした人の約7割がなにかしらのルール違反を犯しているとのことだ。

数ある違反のなかでも、事故を誘発する危険が高いのは「ながら運転」と「酒気帯び運転」だ。とくに携帯電話の使用による自転車事故は近年増加傾向にあるという。

現状、携帯電話保持を含む自転車での傘さし運転や、大音量でのイヤホン使用などの行為は、5万円以下の罰金となっている。自転車の酒気帯び運転にいたっては罰則なしだ。

これらの違反に現行の原付一種の罰則を当てはめると、携帯電話保持によって事故を起こした場合や酒気帯び運転は赤キップによる刑事罰。携帯電話を保持しただけの場合は1万2000円の反則金で、その他のイヤホンや傘さし運転などの「ながら運転」は公安委員会遵守事項違反で反則金は5000円となっている。

自転車運転中の携帯電話の保持や使用に関しては、違反抑止のために罰則強化も視野に入れて検討されているようだ。

成人ならともかく、学生にとっての反則金は数千円とはいえ大金だ。2026年の実施に向けて、地域や教育機関でも講習の場を設けるなどの対応が求められるだろう。

とくに携帯電話保持の反則金が、公安委員会遵守事項に相当の5000円程度に抑えられるか、原付一種と同じ1万2000円程度にまで引き上げられるかに注目が集まる。自転車の酒気帯び運転については、赤キップで処理されることになるだろう。

いずれにせよ、自転車の「ながら運転」と「酒気帯び運転」については、相応の厳罰が科せられるようになると見込まれる。

おそらく交通反則通告制度の実施直後は、軽微な違反で取り締まられる自転車が続出するだろう。幸い実施までの期間は2年近くある。今のうちに自転車の交通ルールを再確認しておこう。

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