小野測器は計測機器のリーディングカンパニーであり続けつつ、さらにセンシング、制御、データ処理といった各技術と、それらを融合したサービスを提供するユニークな存在へと進化している。「モビリティ社会を支える計測ソリューション」をテーマとして、この実現に貢献する製品群を「人とくるまのテクノロジー展 2024 YOKOHAMA」のブースで展示していた。
4月に発表されたばかりのローノイズマイクロホン「MI-1282M10」は、今回の展示会で一般へ初公開。従来では計測できなかった10db台の微小音(木の葉が触れ合う音より小さい)の計測が可能で、BEVなどを筆頭に車両の静音化がより進む中、新たに顕在化してきた微小レベルのノイズの出所を探る計測に使われる。
またワイヤレスで温度(と電圧)を計測できるコンパクトな計測モジュールも展示。これはドローンや冷蔵コンテナによる輸送物の状態を把握することが可能。物流システムへ正確な情報を集積することで万が一の輸送トラブルを未然に防ぐ効果が期待されている。
さらに同社は昨年から、自社で購入した中国製BEVの音響・振動特性、バッテリーマネジメント、モーター挙動、熱マネなどを詳細に計測し、そのデータをOEMやサプライヤーに販売するベンチマーキングレポート事業をスタートさせているが、これをさらにアップグレード。新たに「GT-SUITEベンチマーキングモデル」も発表した。計測データをシステムシミュレーションツールのデファクトスタンダードであるGT-SUITE用のモデルとして構築し提供するというもので、多忙を究める開発現場での工数削減が期待できる。BEVで近年、特に注目が集まる熱マネジメントを対象としてまずはBYD・元PLUS(日本名ATTO3)の計測結果を元にモデル化。ベンチマーキングレポートと合わせて今後はさらに対象車種を拡大していく予定だ。