20代が10年前のFFホットハッチを200万円で買ってみた!ホンダ・シビックタイプRユーロとルノー・メガーヌR.S. 【モーターファンおすすめ中古車】

左がホンダ・シビックタイプRユーロ、右がルノー・メガーヌR.S.

ここまで比較されるライバル関係は少ない

ドイツのニュルブルクリンクでFF市販車最速の座をめぐり熾烈な争いを繰り広げているホンダ・シビック タイプRとルノー・メガーヌR.S.。とくにこの10年は世界中でFF最速の称号をかけた大戦争が勃発しており、この2台のほかにもVWゴルフGTIやセアト・レオンなども挑戦している。しかし、ここ数年はシビックとメガーヌの独壇場。メガーヌの記録をシビックが抜いたかと思えば、次の改良でメガーヌが抜き返し、その後いつの間にかシビックがまた頂点に立つ。このように両車が切磋琢磨してタイムの更新を続けている。

両車には共通する部分が多い。どちらも究極の速さを目指して開発されたクルマで、硬派なファンが多くいる。また現行型はターボエンジンを積んでおり、5ドアで新車価格は約500万円。まさにガチンコライバルといえるだろう。本サイトはもちろん、世界中でこの2台は比較され、インプレッションされている。

現行型シビック タイプR
現行型メガーヌR.S.

ただ、10年前の2台は性格が違う。シビック タイプRユーロ(FN2)がNA、3代目メガーヌR.S.がターボエンジンであったり、室内の広さであったり異なる点が多い。また現在のクルマと比べると自動ブレーキなどの快適安全装備もほぼ皆無。走りの本質を極めたモデルといえる。電動化がトレンドなっているいまこそ再注目したい素のスポーツモデルなのだ。

最近では両者とも200万円前後で状態の良いものが中古市場で出回るようになってきた(ただしメガーヌR.S.は前期、中期型に限る)。現行型の価格はそう簡単に手がとどくものではなくなってしまったが、いまでは貴重となった「10年前の素のスポーツカー」を味わって見てはいかがだろうか。また、筆者とその友人が実際に両車を中古で購入したので走り味や使い勝手、購入の際の注意点も紹介する。

左が3代目メガーヌR.S.(2011年モデル)、右がシビックタイプRユーロ (2010年モデル)

まずは、両車を紹介しよう。

シビックタイプRユーロ(FN2)は英国からの帰国子女!

2005年に発売されたベースモデル(日本未導入)

タイプRといえばだれもが知るホンダのスポーツグレード。1992年に発売されたNSX-Rから始まり、インテグラ、シビックにも設定された。シビック タイプRは1997年のEK9から始まり、限定モデルも含め現行型で6代目となる。

今回紹介するシビック タイプRユーロ(FN2)は欧州で2007年に発売され、日本でも話題になったことから2009年に2010台、2010年には1500台限定で英国から輸入し販売された。限界領域での走る楽しさを目指して開発され、欧州で鍛えられた卓越した運動性能としなやかな乗り味を楽しめるスポーツモデルで、当時、日本で「サーキット・ベスト」として販売されていたセダン(FD2)と比べ少し大人でしなやかな走りが特徴だ。

ベースとなったハッチバックの標準モデルもその頃は欧州専用車だったため、それまでのホンダ車にはない欧州車のような新鮮なデザインも、当時は大いに話題を呼んだ。またフィットベースでホンダの御家芸センタータンクレイアウトを採用しているため、スポーツモデルにしては少々車高が高いがそれにより卵のようなつるっとしたワンモーションフォルムを実現している。ほかにも、三角形のフォグライトやマフラー形状など、いま見てもその独特なデザインは目を引く。

左右のリヤライトが繋がったデザインや三角のマフラーは今見てもおしゃれ。古臭く感じない。
この頃のホンダ車によく見られる、二段分割メーター。運転席周辺にスイッチやモニターが集められておりコックピット感が味わえる。

ルノーメガーヌR.S. レーシングフィールドから生まれたデザイン

ベースとなった3代目メガーヌハッチバック

ルノーメガーヌは、1995年に初代が発売されたフランスを代表するCセグメントハッチバックだ。2代目から設定されたスポーツグレード、「ルノー・スポール(R.S.)」は、ルノーがF1などのモータースポーツで培われたノウハウを取り入れ、市販車にフィードバックさせたレーシングカー直系のスポーツモデルだ。今回紹介する3代目メガーヌR.S.はシックで流れるようなボディラインが際立つクーペスタイルと、幅広で低く構えたフォルムやボリューム感溢れるフェンダー、そしてエアロダイナミックなパーツなど「スポーツ」を最大限に表現したエクステリアデザインが採用されている。

インテリアもエクステリア同様、シックでスポーティなデザインだ。ダークカーボンカラーでまとめられた室内は、スポーツイエローで彩られたタコメーターの盤面、ステアリングホイールのセンターステッチ、シートベルトがアクセントとなり、スポーティーな雰囲気を一層高めている。

センター一本出しのマフラーが特徴的なリヤビュー。非常に傾いたCピラーはハッチバックというよりクーペに見える。
前期型(2011~2012)や限定モデルは、左ハンドルとなる。インパネはオーソドックスなデザインが採用されている。

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著者プロフィール

伏木幹太郎 近影

伏木幹太郎

福井県出身。自動車部品業を営んでいた祖父の影響で、幼い頃から自動車に囲まれて育つ。初めて憧れたクル…