走安性に優れ長距離移動にも最適なVW最小モデル「フォルクスワーゲン・ポロ」【最新コンパクトカー 車種別解説 VOLKSWAGEN POLO】

現在のフォルクスワーゲン最小のモデル「ポロ」。5.1mという最小回転半径は日本の道路事情にマッチしているのはもちろんだが、フラットに近いラゲッジルームのフロアなど実用面でも満足度は高い。操作性の良さや主張しすぎないデザインのインテリアなど、実を優先した安定感は何よりも変え難いと言えるクルマだ。
REPORT:渡辺陽一郎(本文)/山本晋也(写真解説) PHOTO:平野 陽 MODEL:菅原樹里亜

1.0ℓターボの走りは別格 機能的な運転席まわりも秀逸

ポロは現在のVW(フォルクスワーゲン)では最小サイズに位置する。3ナンバー車だが、全幅は1750㎜に収まり、全長も4000㎜少々。日本車ではノートオーラと同等で、最小回転半径も5.1mだから、街中でも運転しやすい。

エクステリア

グレードが上がるにつれ、15~18インチサイズのアルミホイールになるのは識別点のひとつ。エントリーグレードは15インチのスチールホイール+キャップとなる。「GTI」は伝統的にデュアルマフラーを備える。最小回転半径は5.1m。

インパネは水平基調の機能的なデザインだ。従来型に比べると、硬質の樹脂を使う割合が増えて上質感は少し薄れたが、視認性やATレバーなどの操作性は良い。デザイン面で無理に先進性を主張していないから、使い勝手も馴染みやすい。

インストルメントパネル

デジタルメーターながらメーターナセル(ひさし)をもつインパネは実用コンパクトカー的だが、「GTI」は赤いダッシュパッドを備えるなどアグレッシブな雰囲気になる。オプションのセンターディスプレイは9.2インチとなる。

前席の座り心地は硬めで、背もたれを立て気味に調節すると、ドイツ車らしく運転姿勢がピタリと決まる。正確な運転が行なえて長距離移動も快適だ。ただし後席は硬過ぎる。座面の前方を大きくもち上げたから、大腿部が離れにくい半面、小柄な乗員が座ると拘束感も強まる。購入時には後席の座り心地を確認したい。

居住性

エンジンの主力は、1.0ℓ直列3気筒ターボ。ゴルフの1.0ℓターボに比べると、マイルドハイブリッドが装着されず低回転域の駆動力も下がるが、1.6ℓ自然吸気に相当する動力性能を確保する。ATも7速だから、高回転域を保った走りも行なえる。またVWらしく高速道路の直進安定性は良好だ。乗り心地は、40㎞/h以下では細かなデコボコを伝えやすいが、高速になると快適性も高まる。

うれしい装備

ダイレクト感のある7速デュアルクラッチトランスミッション「DSG」はメカニズム面での特徴。扱いやすいパドルシフトも装備される。
縦列駐車やバックでの車庫入れに対応、発進も含めてステアリング操作をサポートする「パークアシスト」を上級グレードに標準装備する。
月間販売台数     349台(23年11月~24年4月平均値)
現行型発表      18年3月(マイナーチェンジ 22年6月/「GTI」追加 22年11月)
WLTCモード燃費  17.1 ㎞/ℓ※「TSI 」系

ラゲッジルーム

このようにポロは、街中では扱いやすく、高速道路では安定性が向上して乗り心地も快適になる。コンパクトカーで長距離を移動したいユーザーに最適だ。

※本稿は、モーターファン別冊 ニューモデル速報 統括シリーズ Vol.159「2024-2025 コンパクトカーのすべて」の再構成です。

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