低いボンネットとリトラクタブルライトが今でも新鮮!【第2回ホンダクラシックミーティング】
プレリュードといえばボレロ、というくらい1980年代にテレビを見ていた世代なら2代目プレリュードのテレビCMをご記憶ではないだろうか。それと同時に、プレリュードといえばデートカーというイメージも強い。なにせプレリュードは若い世代の憧れを集約したようなクルマだった。
ソアラやマークIIなどのハイソカーもいいけれど、もっと若者らしく手軽でカッコ良いプレリュードは女性たちから大いなる支持を集めた珍しい存在だ。赤いボディが鮮やかな現車を目の前にすると、当時憧れたのも無理はないと改めて思う。それというのも異例に低いボンネット高と、リトラクタブルヘッドライトによるスタイルは他車にないものだったからだ。
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プレリュードはホンダ1300系以来の2ドアクーペとして、初代が1978年に発売された。日本国内よりアメリカなどの輸出先で好評だったが、82年にフルモデルチェンジして発売されたこの2代目で真価を発揮した。ホンダらしい先進的な装備とスタイルが国内でも大評判になったのだ。
今では考えられないが低グレードで136万円、最上級のXXでも171万8000円という2ドアのスペシャルティカーらしからぬ価格設定も評判の理由。バブルに向けて好景気が続いていたこともあり、若い世代でも「頑張れば買える」と思えたのだった。
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2代目プレリュードに憧れたのは現在50代から60代の世代だろう。この赤いプレリュードXXを見つけたのは1月30日に埼玉県のしらこばと水上公園で開催された第2回ホンダクラシックミーティングの会場。オーナーは現在59歳の矢留 充さんで話を聞けば案の定、以前同型車に乗られていたそうだ。
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以前乗っていたのになぜ、もう一度プレリュードを手にしたのか聞いてみると「以前は低グレードしか買えませんでした。いつかは上級グレードに乗りたいと思い続けてきたのです」とのこと。やり残したことがあると思いは消えないもの。矢留さんにはプレリュードXXに乗ることが、若い頃に実現できなかった苦い思い出のようだ。
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インターネットの普及が矢留さんの思いを実現した。ネットオークションにこのプレリュードが出品されているのを発見したのだ。2003年にXXオーナーになってから現在まで大切にプレリュードを維持しつつ、不具合があると手入れをしてきた。トランクまわりにサビが出てきたため塗装をしたり、ラジエターを交換して調子を崩さないようにしている。純正であることも大切なポイントでオーディオを変更した以外、室内はオリジナルのままだ。補修部品がすでに製廃になっているマフラーはアンサ製を選んでいる。
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走行距離が9万km台だからエンジンやミッションに不具合はないが、部品を調べてみるとヘッドカバーやキャブレターは新品が残っていることを見つけた。もう以前のことだが、在庫があるうちに入手してどちらも交換した。キャブレターはピカピカに光りヘッドカバーの塗装は所々で剥がれてきたが、1984年式という年代を感じさせないエンジンルームだ。
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2代目プレリュードは当初フェンダーミラーだったが83年にドアミラーが解禁されてドアミラーに変更。さらに85年には2リッターDOHCのB20A型エンジンを搭載するSiが追加された。けれど、デートカーとして一世を風靡したことを知る世代にとって、たとえエンジンが1.8リッターSOHCだとしてもドアミラーのXXを選びたいことだろう。これだけキレイに、しかも純正状態を維持しているのは矢留さんの思いが反映されている何よりの証だ。