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正しいエンジンオイルの温度とは!?
エンジンオイルの温度は、愛車に長く乗るために重要な要素。温度が高すぎることに注目されるが、低すぎもよくない。オイルは温度によって作用する成分があって、適温になったときにきちんとエンジンを保護して、洗浄し、潤滑するように設計されている。その温度を下回っても良いことはとくにない。
その適温とは100℃前後。高すぎるというときは120℃以上を指す。
これ以上に温度が上がるとオイルが劣化しやすいが、もちろん即壊れてしまうわけではない。サーキット走行などで瞬間的に130℃を超えても問題はなく、その後すみやかにオイル交換すればOK。
120℃以上になるなら、少し早めに交換する。その程度の対策で大丈夫だ。
もし、頻繁に120℃以上になるようならオイルの粘度を硬くしたり、オイルクーラーの装着を検討するべき。なぜなら、頻繁にオイル交換が必要になってしまうから。
オイルクーラーの装着で適温に維持できるのならば、サーキットを楽しんでいても3000~5000kmごとのオイル交換で問題ないからだ。
逆に普段乗りで油温が90℃に達しないようであれば、それはオーバークールだといえる。温度が低すぎることでオイルが本来の性能を発揮できず、むしろエンジンに良くないのだ。
純正状態では現代のクルマでは90~100℃くらいになるように設計されているので、良かれと思ってオイルクーラーを装着して、90℃に達しないようであれば冷え過ぎとなる。これはエンジンに良くないことだと覚えておこう。
初代86では110℃超えだった油温が下がった
自身で所有していた86前期と86後期ではどちらもクスコ製水冷式オイルクーラーを装着していた。この水冷式オイルクーラーとは、エンジン冷却水とオイルで熱交換をするもの。
エンジン始動直後は先に温度が上がりやすいクーラントがオイルを温めてくれる。しばらくすると油温のほうが高くなることが多く、今度はクーラントでオイルを冷やしてくれる。
メリットは走行風を当てなくていいので、取りつけ場所に悩まなくてすむことだろうか。
空冷式オイルクーラーだと、場所の制約からラジエーター前に装着することが多く、そうなるとラジエーターの冷却効率を阻害しかねない。そのため、邪魔をしない水冷式はスーパーカーでも数多く採用されている方式なのだ。
初代86では水冷式オイルクーラーを装着して、高速道路を100km/hで巡航。外気温26~28℃で油温は106~108℃くらいだった。適温の範囲ではあるが、水冷式オイルクーラーがあるわりにはちょっと温度が高め。
サーキット走行となると、真夏に連続でミニサーキットを走ると4周ほどで130℃近くまで油温が上昇していた。
GR86では、このアフターパーツの水冷式オイルクーラーと同じように、オイルフィルター取り付け部に水冷式オイルクーラーが取りつけられている。純正状態で装備されるものにも関わらず、初代86用のアフターパーツよりも容量が大きく、熱交換量も多そう。
その効果は大きく、ほぼ同条件で高速道路を走ると油温は98~99℃でビシッと安定する。初代86に比べて10℃近く低いのだ。それでいて純正状態なので相当冷却効率が上がっている模様。
ミニサーキットを走ってみると連続で5~6周しても油温は120℃ほどまでしか上昇しない。相当の負荷をかけないと130℃近くまでは上がらないようである。
もともと排気量アップで熱量は大幅に増えているはずだが、油温は大きく下がっているのはそれだけ油温対策が施されているからにほかならない。
GR86には、かなり本気の水冷式オイルクーラーがついているのだ。
GR86/BRZ Cupのワンメイクレース車両には空冷式オイルクーラーが装着される。
レースのような連続周回で、しかも他車の背後にピッタリついて走る「スリップストリーム」を活用すると油温はとくに上がりやすい。そのために空冷式が装着されると思うが、普通にサーキットでスポーツ走行を楽しむレベルならオイルクーラーの後づけは必要ないだろう。
そうなると10万円近いチューニングコストが抑えられる! これはかなりうれしいポイントだ。