災害を起因とする停電発生時は日産のEVを無償で貸与。日産の電動化アクション「ブルー・スイッチ」としては186件目の取り組みで、青森県内では初の協定締結
日産自動車および日産プリンス青森販売、青森日産自動車は8月4日、七戸町（青森県上北郡）と、「電気自動車を活用したカーボンニュートラル実現と災害に強いまちづくりに関する包括連携協定」を締結した。
この協定は、「走る蓄電池」となる電気自動車（EV）の普及や脱炭素化および地球温暖化対策の推進を目的としたもので、七戸町で災害による停電が発生した際、日産の販売会社から貸与するEVを電力源とした災害時の電力供給体制の構築や、環境教育の普及などの取り組み内容も含んでいる。ゼロ・エミッション社会の実現を目指す日産の「ブルー・スイッチ」活動としては186件目の取り組みとなり、青森県内初の協定締結となる。
七戸町は、昨年7月にゼロカーボンシティ宣言し、豊かな自然環境を活用した再生可能エネルギーの導入、エネルギーと経済が地域で循環する仕組みを構築し、クリーンエネルギーのポテンシャルを最大限に活かしたカーボンニュートラルの実現と、災害に強い持続可能なまちづくりを推進している。
一方、日産自動車は、EVならではの新たな価値やワクワクを提供し続けるとともに、2018年5月より、EVの普及を通じて、脱炭素、災害対策、エネルギーマネジメント、観光、地方での交通課題などの地域課題解決を目指す、日本電動化アクション「ブルー・スイッチ」を、全国の自治体や企業、販売会社とともに推進。また、2030年代早期には、主要市場で投入する新型車すべてを電動車両にすることを宣言、電動化をリードしながら、SDGsの達成やカーボンニュートラルの実現に向けた取り組みを加速している。
この日産自動車が推進する「ブルー・スイッチ」、そして七戸町が推進する脱炭素化、防災対策、SDGsの推進と、双方の取り組みに互いが賛同し、同協定を締結する運びとなった。「電気自動車を活用したカーボンニュートラル実現と災害に強いまちづくりに関する包括連携協定」の概要は以下のとおり。
【協定の概要と主な連携内容】
（１）2050年、温室効果ガス削減目標達成へ向けた取り組み
「脱炭素化、温室効果ガス削減に向けたEV普及促進」
・地球温暖化防止のための、EVの普及促進やその積極的な活用
・町民の環境意識向上を目指すためのEV普及啓発活動
（２）災害に強いまちづくり強化に向けた取り組み
「災害時における町内避難所等の非常用電源としてのEV活用」
・災害による停電時に日産の販売会社が七戸町にEVを貸与、町が避難所等の非常用電源としてEVを活用
（３）地域住民が上記に積極的に参加できる環境整備に関する取り組み
「EV普及促進の広報活動やイベントでの連携」
・日産からのEV等の普及促進に資する情報の提供
・EV普及のためのイベントや避難訓練、電力供給デモ実施の協力
（4）上記を永続的に実施するための次世代育成のための取り組み
「EVを活用した教育活動の実施」
・環境教育「日産わくわくエコスクール」の実施
・小中学校等の教育の場でのEVの展示、デモ実施
七戸町はすでに、公用車として平成22年に「日産リーフ」を導入しており、今後も順次EVの導入を進めていく。また、EV購入時の補助金設定や、公共駐車場におけるEV専用スペース設置の検討などを進めており、今後も環境に優しいEVの普及を目指し、環境・防災力向上に努めていく。
七戸町と日産自動車は同協定締結を機に、EVを活用した、環境に配慮した災害に強い持続可能なまちづくりを推進し、美しい自然環境を未来に残すため、EVの普及を通じた地域課題の解決、脱炭素化社会実現、SDGs達成に向けて、さらに連携を強化していく方針だ。