4ナンバー化で車中泊やワーケーションもさらに便利に「ダイハツ・アトレー」【最新軽自動車 車種別解説】

これまで以上の広い荷室空間の確保を求めて4ナンバー化に舵を切った六代目「ダイハツ・アトレー」。最大積載量が350kgまで増えたことで、使い方は本格的アウトドア用品や大型DIY材料の運搬にとさらに広がった。車中泊やワーケーションにも対応する使い勝手の良さも、新しい価値観を体現している。
REPORT:竹岡 圭(本文)/小林秀雄(写真解説) PHOTO:神村 聖 MODEL:新 唯

四角く平らで広大な荷室空間 多目的に使える装備も好印象

六代目となるダイハツ・アトレー。初代以来、商用バンであるハイゼットの乗用バージョンという位置付けとなっているが、今回のアトレーは4ナンバーとなり、カーゴとの差が少なくなっているのが特徴だ。その理由は、モアスペース系が増える中でアトレーを選ぶ人は、ウェイクやタントのスペースでは物足りないというニーズをもっているからだ。そこに応えるために、潔く割り切って4ナンバー化することで、商用車ならではの広い荷室空間と350kgの最大積載量(2名乗車時。4名乗車時の場合は最大積載量250kg)を活用しようという方向性で発売したわけなのだ。

エクステリア

先代よりも角が立ったスクエアボディとなり、外観もよりアクティブな印象へと変化。全車にLEDヘッドランプとキャップ付きの12インチスチールホイールが標準装備される。最小回転半径は4.2m。

ベースとなったハイゼット同様、車体のスクエア化により最大化された広い荷室空間やフラットで使い勝手の良い荷室を実現。ベースコストを抑え、DIYニーズなど多様性に応えられるクルマとなっている。実際のところ車両価格は、旧型に比べて約1万円安といったところで、基本性能の進化、スマートアシストなどの最新の電子デバイスの進化を織り込めていると考えると、実質価格はもっと安くなっている。ゆえに、コストパフォーマンスが上がったと考えるのが正解だろう。

乗降性

さて、ベースとなるハイゼットとの主な違いは、天井、そして荷室のサーフボードや汚れたアウトドア用品を積んでも掃除がしやすいイージーケアマット、デッキボードを装着できるようにリヤクォータートリムを専用化してワーケーションなどに最適なスリット付きデッキサイドトリムを採用するなど、特に荷室の使 い勝手を考慮し、SUV用途のアイテムをうまく織り込んでいる。

インストルメントパネル

「X 」を除いてオートエアコンやクラス初のプッシュボタンスタートなどを採用。メーカーオプションとして9インチ(写真)と6.8インチのディスプレイオーディオも設定。

また、内外装の加飾、オートエアコン、アームレスト、後席での快適性を向上させるボトルホルダーやデッキサイドポケットなどの収納スペース、室内灯のLED化や室内灯の位置など、やはり商用車とは違う乗用車的なアイテムも装着されている。

居住性

さらに、最近のキャンプブームや災害時への対応を考え「このクルマは車中泊できますか?」というユーザーの声も多いらしく、車中泊時などに換気ができ、快適な車内空間を実現するポップアップ機構付きリヤガラスも採用されている。パワーユニットは、ターボエンジンとCVTの組み合わせのみ。足まわりは基本ハイゼットと同じで、タイヤも インチが装着されている。

うれしい装備

月間登録台数   153台(21年12月〜22年1月平均値)
現行型発表      21年12月
WLTCモード燃費  14.7 km/l

ラゲッジルーム

駆動方式はMRと4WDのラインナップがあるが、4WDは電子制御式となり、従来のパートタイム4WDのような直結ではなくなったため、車庫入れなどに2WDモードに戻さなければタイトコーナーブレーキ現象が出るというようなシチュエーションを回避できるようになり、使いやすくなったのも高ポイントである。ちなみにロックスイッチで50対50の配分にも固定可能なので、さまざまな路面シチュエーションに対応ができるので安心感は高い。また、トピックスとしてはデッキバン仕様のアトレーが追加となったところにも注目したい。乗用車的なミニピックアップトラックのような使い方ができそうなので、なかなか楽しそうだ。

※本稿は、モーターファン別冊ニューモデル速報統括シリーズVol.140「2022年軽自動車のすべて」の再録です。

▶︎ http://motorfan-newmodel.com/integration/140/

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