エブリイとハイゼットカーゴの中古車価格は年式相応

エブリイとハイゼットカーゴは商用利用のみならず個人利用においても需要が高く、両車ともに中古車の流通台数も豊富にある。

2015年2月から販売されている現行型エブリイは、走行距離が15万kmを超える過走行車であれば30万円から販売されている。10万km以下になると底値は40万円へと上がり、5万km以下は60万円が底値となる。ターボモデルはそれぞれの価格にプラス10万円、4WDモデルもプラス10万円と考えるとよいだろう。

注目したいのはトランスミッションだ。現行型エブリイが登場した当初は、4速ATと5速MT、オートクラッチ搭載の5AGSの3種類が設定されていた。しかし、2024年2月の改良以降は5AGSが廃止となり、代わりにCVTが搭載され、改良後のエブリイはグレードに応じて4速ATとCVT、5速MTが混在している。

改良前、改良後ともにトランスミッションの違いによる中古車相場に差はないが、5速MTと5AGSの比率はそれぞれ総流通台数の1/10ほどと少ない点には注意したい。

なお、2024年2月以降の改良型エブリイの価格は、走行距離5万km以下で90万円からが相場となっており中古車で購入するメリットは薄い。特別仕様車の“Jリミテッド”に至っては170万円以上となる。現在、エブリイを中古で購入するなら改良前が狙い目だ。

2021年12月にモデルチェンジした現行型ハイゼットカーゴは、年式の新しさからエブリイよりも高い相場を維持している。

15万km超の過走行車でも60万円からのスタートとなり、10万km以下は80万円から、5万km以下の個体は90万円からとなる。ターボモデルと4WDモデルはエブリイと同じくプラス10万円を見積もろう。

ハイゼットカーゴのトランスミッションは5速MTとCVTであり、こちらも中古車価格に有意な差は見られない。なお、ターボモデルのトランスミッションは全車CVTだ。

人気のアトレーはまだ高い! 今は4速ATのエブリイワゴンが良コスパ

エブリイワゴンとアトレーを比較する際に注意したい点は、エブリイワゴンは5ナンバーの乗用登録であるのに対し、現行型アトレーは4ナンバーの商用車登録となる点だ。それにより維持費や車検の周期、後席の居住性と荷室の広さのバランスが大きく異なるため、用途に合わせた選択が求められる。

またエブリイワゴン、アトレーともに全車ターボエンジンに自動変速機を組み合わせた仕様となる点も覚えておきたい。

バンモデルと揃って2015年2月にモデルチェンジしたエブリイワゴンは状態を問わなければ50万円から狙える。10万km以下では60万円から、5万km以下の低走行車は90万円からが相場だ。

比較的安価な値段で購入できるエブリイワゴンのトランスミッションは4速ATとなるが、現在の新車本体価格が200万円まで高騰していることを考慮すると、中古の初期型エブリイワゴンはなかなかの優良物件と言えるかもしれない。

CVTへと変わった2024年2月以降のエブリイワゴンは新古車が多くを占めており、5万km近くを走行した個体でも160万円以上とまだ高い。エブリイワゴンのCVTモデルを希望する場合は中古ではなく新車購入がおすすめだ。

一方、2021年12月にモデルチェンジしたアトレーも年式が新しいうえ人気も高く、中古車価格は高止まりしている。アトレーの中古車相場は、走行距離10万km以下でも110万円以上、5万km以下では140万円以上と高値を維持しているため、購入するなら新車をおすすめしたい。

しかし、アトレーの中古車は最上級グレードの“RS”が中古車の半数以上を占めており、時折走行距離5万km前後の個体が支払総額130万円台で販売されることもある。

電動スライドドアやオートエアコン、アダプティブクルーズコントロールなどが標準装備となるRSグレードの新車乗り出し価格は200万円を優に超えるため、RSグレードの中古車が底値で買えるなら中古車も魅力的だ。

CVT化移行直後の現在は、4速ATのスズキ エブリイ/ワゴンが狙い目

商用バンのCVT化にともない、現在はエブリイ/ワゴンの4速ATモデルが買いやすい環境だ。CVTの耐久性に不安を感じる人や、4速ATを希望する場合は今が購入のチャンスと言えるだろう。

エブリイとハイゼットカーゴ、エブリイワゴンとアトレーの使い勝手を比較してもそれほど大きな差はない。しかし登場年式の違いと仕様差や装備差によって、中古車相場には少なくない差が生じている。なかでも購入判断の分かれ目になるのがCVTの存在だ。

ハイゼットカーゴ/アトレーは2021年12月のモデルチェンジで4速ATがすべてCVTへと切り替わった。エブリイも2024年2月の改良で5AGSがなくなった代わりにCVTモデルが追加され、エブリイワゴンはCVTに一本化された。

両車のCVTは過酷な使用環境を想定した十分な耐久性が確保されているが、CVTである以上、構造的な限界はある。ビジネスユースのように過酷な環境で使うなら、中古車価格が安いうえ、4速ATの在庫が豊富に残っている2024年2月改良前のエブリイ/ワゴンを選んだ方が安心感は高いだろう。

一方、個人のレジャー用途であれば過度な耐久性は求められないため、燃費性能に優れるうえ静粛性も高いCVTを搭載したハイゼットカーゴやアトレーが有力候補に挙がってくる。

現在エブリイ/ワゴン、ハイゼットカーゴ/アトレーを中古で購入するなら、どのような用途でどれくらいの距離を走行するかを決めたうえで、予算と相談しながら購入するモデルを決定したい。