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世界第6位の自動車メーカーが作る最先端のEV
EVメーカーとして世界のトップランナーであるBYDから、DセグメントサイズのクロスオーバーSUV「シーライオン7」が上陸した。
中国の自動車メーカーは急成長を続けているが、簡単に構成をお伝えすると、国営系企業が第一汽車、東風汽車、長安汽車があり、地方政府系企業が上海汽車、北京汽車、広州汽車。そして民間企業のBIG3がBYD、吉利汽車、長城汽車になっている。
BYDは2003年に自動車産業に参入し、2024年は世界第6位の自動車メーカーにまで成長している。そして2019年にトヨタとEVの研究開発合弁会社を設立しており、日本との親和性も高くなっているのだ。
さて、上陸したシーライオン7はもちろんEVで、リア駆動(RWD)とAWDの2タイプがある。搭載するバッテリーはBYDの急成長を後押ししたLFPブレードバッテリー82.5kWhを搭載。RWDの航続距離は590km、AWDは540kmと十分な航続距離を持っている。
出力は230kW/380Nmで、AWDはフロントに160kW/300Nmの出力を持つモーターも搭載。AWDは一種のオンデマンド制御されており、アクセルペダルの踏み込む量、踏み込む速さによって出力制御されているのも特徴のひとつだ。だから雨の日や轍があるなど、路面状態が良くない場所ではAWDの安定性は抜群で、安心のドライブができるというわけだ。
乗り心地は上級の高級車レベルだ。連続可変ダンパーを装備し、ダンパーピストンの微低速時にも渋さや硬さは全くなく、また大きな入力もしなやかにいなしていく。シートもゆったりとした大きさがあり、ナッパレザーのシートは高級感に磨きをかける。
EVの特徴のひとつにフラットなフロアがある。マフラーやプロペラシャフトがないため、床をフラットにでき、足元は広くなっているのだ。特にシーライオン7の後席は特等席とも言える広さで、天井も高く、リクライニングするシートは快適。さらに1枚ガラスでできたルーフは開放感をもたらし、まるでオープンカーに乗っているような爽快感まで味わえるのだ。
インテリアは15.6インチのタッチモニターが目立つ。もはやラップトップPCと同サイズのモニターは使い勝手が良いし、回転するのもユニークな機能のひとつだ。センターコンソールからダッシュボードまわりはレザーとモケット、ピアノブラックとシルバーが上手に組み合わされ高級感はたっぷり。シフトレバーは廃止されクリスタルのトグルタイプのギヤセレクターがさらに高級感を底上げする。そのギヤセレクターは「R・N・D」のみとシンプルだ。
ラゲッジも500Lと広く、リアタイヤの張り出しがないフラットな荷室は使い勝手が良い。さらにリアシートも6:4の分割式なので利便性の高い荷室構成になっている。
価格はRWDが495万円でAWDは572万円とアフォーダブルでありつつ、国からのCEV補助金は35万円が確定している。さらに自治体等の補助金もプラスされるため、コストバリューはかなり高いモデルと言える。
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STYLE WAGON(スタイルワゴン) 2025年6月号 No.354より
