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より先鋭的なフェイスで未来感溢れるスタイルにアップデート
モデルYはテスラの中ではファミリーカーに位置付けられたモデルで、居住性や使い勝手を考慮した装備、デザインにより、グローバルで2年連続100万台を販売する実績を持っている。そのテスラの大黒柱とも言える「モデルY」が2025年1月に大幅アップデートを行った。
主な変更点は、フェイスリフトしたデザインと機能系のアップデートだ。エクステリアはシャープなライト類が特徴的な、サイバートラック以降のデザインテイストに変更されている。変貌した顔は空力性能の向上にも貢献し、前型がCd値0.23に対し0.22に向上。また、テールライトは拡散反射技術をボディパネル式テールライトに採用し、光源が見えない個性的なリアビューを生み出している。
今回の改良の中で運転をしてみての違いは、乗り心地の改善がある。前型では「硬い」というマーケットでの評価もあり、改善に至ったよう。それでもテスラブランドはスポーティなモデルをラインアップするメーカーなので、ファミリカーの位置付けであるモデルYもしっかりとしたサスペンションだと感じる。前型では凸凹した荒れた路面になると、尖った入力を感じることがあり、それが硬いという評価になっていたと思う。新型では、そうした入力を丸くいなす方向に感じられるようにチューニングされている。そして微小舵に対する高めのゲインはスポーティなモデルに多く見られる傾向で、モデルYでも俊敏な動きは健在だ。またコーナリング時では、車体が前のめりで旋回するダイアゴナルロールを感じる場面はなく、そうした動きからもスポーティだと感じさせてくれるわけだ。
操作系のアップデートではウインカーレバーが復活していた。じつは前型ではウインカーレバーはなく、ステアリングにあるスイッチを押すことでターンシグナルを点滅させていたが、これも市場からのフィードバックだと説明があった。一方で、ドライブセレクターは相変わらずモニターの中にあり、「D・N・R」の文字をスライドさせて操作する方法は変更なしだった。
他の機能系ではADAS(先進運転支援システム)がアップデートされている。テスラはカメラだけで運転支援と安全性能を構築しているが、今回、カメラの精度が向上したことで、アダプティブコントロールの精度が向上している。具体的なメリットとして感じられるのは、スマホによる駐車場所への自動誘導のクオリティが上がったことだ。目に見えない部分ではヒートポンプ関連のアップデートもある。サーマルマネージメント(システム等の温度管理)が改良され、車内温度を利用しバッテリー温度を最適化。24時間、最適な車内環境とバッテリー環境が整うようにアップデートされている。
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STYLE WAGON(スタイルワゴン) 2025年6月号 No.354より
