後席を倒せば奥行き2m超え！ 車中泊にも最適な『クラウンエステート』は、積載性もシリーズ随一!!

【トヨタ・クラウン徹底解剖＆比較試乗　#003／クラウンエステート 編】
多様なライフスタイルや価値観に応える存在として創造されたクラウンエステート。
動力性能でもスペースユーティリティでも余裕を感じさせる、まさに大人のための選択肢だ。
合計枚数24枚
すべての画像を見る

トリム部分にビンテージ調の「雲柄」を採用しアクティブ感をアップ

エクステリアデザインにおいては、ボンネット上に鋭利に刻まれたキャラクターラインと、ボディサイドのシャープなショルダーラインがシームレスに繋がり、躍動的なプロポーションを実現。4つのモデルの中で唯一、バンパー一体型のメッシュグリルが備わり、同じハンマーヘッドフェイスでありながらエステートだけの個性的な表情を獲得している。

インテリアは他のモデルと共通するアイランドアーキテクチャーを基本に、トリム部分にビンテージ調の「雲柄」を採用。ちょっとしたアクセントを効かせて、エステートらしい上質感とアクティブさを表現した。

パワートレインの設定はクラウンスポーツと同じ2.5LのHEVとPHEVだが、大量の荷物を積んで走ることを想定しているため、HEVに関してはエンジンとモーターの最高出力と最大トルクを高めている。

グレードの設定も同じように、各パワートレインに1グレードずつラインアップされているので、実質HEVを選ぶか、PHEVを選ぶかの二択。両者の車両本体価格の差は175万円で、PHEVにはCEV補助金が60万円適用される。より正確に比較検討するなら、住んでいる自治体の補助金も要チェックしてみよう。

PHEVの内装には専用色のグレイッシュブルーを採用。ウォームスティールの加飾と組み合わせ、個性的でありながら落ち着きのある空間を演出している。左右独立温度コントロールフルオートエアコンが標準装備され、PHEVは暖房効率を高めるヒートポンプシステムも備わる。
12.3インチTFTメーターの表示スタイルは4種類（レイアウトは3種類）から選択が可能。写真は「Tough」モードで、SUVらしいツール感を楽しめる。
シート生地は全車に本革を採用。グレイッシュブルー内装でも、シートカラーはブラックとなる。身長173cmの筆者がドライビングポジションを取った上で後席に座り、運転席背もたれと膝とのクリアランスを測ると約260mm。頭と天井とのクリアランスは約90mmあり、ピラーの位置が気になることもなく、余裕のある広さを実感できる。
車中泊を想定し、手触りがソフトな内張りを使用するラゲッジルーム。ホイールハウス間の幅は約1030mmとそれなりだが、奥行きは通常時でも約1070mmとかなり広い。手前側の最大幅は約1430mmだ。拡張ボードを使わなくても床面長は約1670mmあり、運転席の背もたれまでの奥行きは約2060mmに達する。
後席のシートバックに備わる拡張ボードを展開すると、車中泊に向いた広くてフラットなスペースを実現。車内でゴロンと寝転んだときにしっかり頭を支えられるよう、ボードの耐荷重にもこだわった逸品だ。
折りたたみ式のデッキテーブルをPHEVに標準装備。車中泊するときはもちろん、車外に持ち出して使うこともできる。普段はラゲッジルームの左端にカチッと固定して収納することができるので、走行中に動く心配もない。
PHEVにはラゲッジルーム後端に腰掛けるときにクッションの役割を果たすデッキチェアを標準装備。普段は床下収納に収まっており、必要なときだけ引っ張り出して使用できる。クラウンのロゴ入りで質感も高い。
前後両方のドライブレコーダーを全車に標準装備。撮影した動画はディスプレイオーディオの画面で再生することが可能で、大事なファイルが上書きされないよう保存したり、個別に削除したりといった操作もできる。
PHEVはバッテリーに蓄えた電気を車外で使えるようにするヴィークルパワーコネクターも装備。車内2ヵ所に備わるアクセサリーコンセントと同様、AC100V／1500Wの電源として家電を接続することができる。
販売店オプションとしてフルフラットラゲージマットを設定。フルフラットモードにぴったり合うサイズで、クッション性も備わる。3万6300円（税込）とそれなりの価格だが、市販のマットより満足感は高いだろう。

ラインアップはHEVとPHEVの2モデル

ESTATE Z
2.5Lハイブリッド車。ダークグレーメタリック塗装の21インチアルミホイールを標準装備。内装色はブラックを基本に、雲柄があしらわれたサドルタンも設定。その場合、本革シートのカラーもサドルタンで統一される。車両本体価格：635万円
ESTATE RS
2.5Lプラグインハイブリッド車。車両重量が重たいこともあり、EV走行距離は89kmとクラウンスポーツのPHEVより1km短くなっている。
車両本体価格：810万円
特別仕様車 ESTATE RS “THE LIMITED-MATTE METAL”
スポーツ／セダンに続き、3モデル目となるクラウン専門店「THE CROWN」専用の特別仕様車。専用外板色のマットメタル、専用内装色のブラックラスターを採用するのは同様。エステート専用装備は、ルーフレールとドアベルトモールディングがブラックになるほか、スポーツシート（レッドステッチ付き）などが特別装備になることだ。車両本体価格：890万円

▷トヨタ・クラウン徹底解剖＆比較試乗 まとめはこちら

あわせて読みたい

北米名「クラウンシグニア」。ステーションワゴンではなくSUV!? 荷物が積めて楽に移動できる『クラウンエステート』は大人のアクティブキャビン

【トヨタ・クラウン徹底解剖＆比較試乗　#002／クラウンエステート 編】 多様なライフスタイルや価値観に応える存在として創造されたクラウンエステート。 動力性能でもスペースユーティリティでも余裕を感じさせる、まさに大人のための選択肢だ。

あわせて読みたい

人気爆発の予感!! モデリスタ『クラウンエステート』はサブスクプランにも対応！

あわせて読みたい

“大トリ”を務める『クラウンエステート』は大人のアクティブキャビンだった!!｜新車レビュー

日本車の歴史を語るのに外すことのできない高級車「クラウン」。 その16代目となるこの最新クラウンは、2022年に4車種展開というサプライズでワールドプレミア。 そして先陣を切り、2023年に「クロスオーバー」、その後に「スポーツ」「セダン」と投入され、この2025年に大トリを飾るカタチで「エステート」がデビュー。 先代のエステートでは、ステーションワゴンとして人気を博していただけに、この新型に期待していた人も多数。 いよいよ全貌が正式公開となった「エステート」の魅力をじっくり見ていこう。

TOYOTA・クラウン購入ガイドより

キーワードで検索する

# クラウン徹底解剖比較試乗 (13)

著者プロフィール

stylewagon 近影

stylewagon

続きを見る