「料理もクルマも、温度管理が重要ですよ!」
老舗洋食店、たいめいけん三代目の茂出木浩司シェフが仕事に遊びに使い倒すツールとして手に入れたアルファードは、もう購入から3年が経った。
今までは最初の車検を迎える前にバンバン乗り換えてきたシェフなのに、今回はとても長く付き合っている。
ボディはいつもキレイでキズひとつなく、“丁寧に酷使”している様子が伝わってくる。それだけアルファードはお気に入りのようだ。
昨年、本誌はそのカスタム物語を何度かお伝えした。今回、車検でのリフレッシュとともに、また手を加えたというのでお伝えしたい。ずばり“帰ってきた”アルファード・クッキングだ。
一面、カーボンで敷き詰められたエンジンルーム。これがその進化の内容で、ブリッツから新登場したカーボンインテークシステムだという。
もともとブリッツのカーボンパワーエアクリーナーに、ニュルスペック・クワッドモデルというエキゾーストで吸排気を作っていたシェフのアルファードだったけれど、さらにバージョンアップを遂げた格好だ。
開発車両によるブリッツのテストによると、最高出力18・3ps、最大トルク14・1Nmもアップしたという。
これだけの数値なら、日常でもその違いが明確に伝わりそうだ。
実際、足もとをブリッツ製ダンパーZZ-RスペックDSCプラスで構築し、同じくブリッツのビッグブレーキキャリパーの他に、あらゆる補強パーツを組み合わせたスポーティなアルファードに対して、このオントップは嬉しい。
気づかされたのは、パワーアップだけじゃない。これだけゴツいインテークをみたら、レーシングカーやスポーツカー用っぽく感じられる。
でも実はアルファードのようなクルマにこそ効果絶大だということを知った。
普段使いすれば真夏の渋滞にハマることもあるし、移動オフィスとして使えばアイドリングし続けなきゃいけない。
そんな時、エンジンルーム内は尋常じゃない熱さとなる。ゆえに吸気温度も上がってしまうわけで、これがパワーダウンに直結するという。
先のカーボンパワーエアクリーナーだけでも充分な効果はあるけれど、それでも熱害は無視できない。
だけどフロントグリルから直接的に、かつ外部と遮断しながら空気を取り入れるカーボンインテークシステムなら、その熱害は最小限に抑えられる。
「エンジンの吸気温度が1℃上がれば、1ps落ちる」って、その昔、レーシングカーのエンジン設計者が言っていたっけ。
だから常に走りっぱなしのレーシングカーよりも、都内の渋滞路で酷使するようなアルファードにこそ、こういうインテークは必要だと思う。
高速やワインディングでパワーアップを喜びながら、実際は真夏に酷使したときだって“パワーダウン”を感じさせないアイテムだと言える。
今までさんざんスポーツカーに乗ってイジり倒してきて、昨今はまたカートにハマっているというシェフならではの改造術といえるだろう。
いや、それだけではない。
シェフは老舗洋食店の料理人として昔からずっと温度の重要さと向き合い、いつも神経を使いまくってきた。
適正な温度で保冷された霜降り和牛を、丁寧に丁寧に切り分けた後に、今度は豪快に鉄板で焼く。
もはや火事のような状況に驚きながらも、いつの間にか「外はカリッと中はジューシー」な上質ステーキが仕上がるのだから流石のお手前である。
温度の大切さを熟知した職人は、やっぱり改造論でも、目の付けどころが違いますね。
V6の潜在能力を引き出す【ブリッツ・カーボンインテークシステム】
●価格:29万4800円
●適合:アルファード&ヴェルファイア(2018/01〜、2GR-FKS)
ブリッツサポートセンター 0422-60-2277
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【たいめいけん3代目 茂出木 浩司さん】
たいめいけん
住所●東京都中央区日本橋室町1-8-6
電話●03-3271-2465
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取材協力:ミストラル 03-5566-0259 https://mistral-co.jp
[スタイルワゴン・ドレスアップナビ編集部]